189Dead『名前』
二人は密かに親族のみで結婚をした。
出来るだけ自分達の事実に気付かれないように、
しかし、二人の事はマスコミにリークされた。
そして、勝手に報道され批判がネットに書き込まれた。
犯人が誰なのかは分からなかった。
もしかしたら協力してくれた者の中に欲に走り金を貰って裏切った者、もしかしたら犯罪行為で相手の個人情報を奪った者が情報を打った可能性等という考えれば考える程人を疑いたくなる事がある。
しかし
「ま、そんなもんだよ……欲に負けるのが人間だ……昔からそんなもんだ……今までそうだったのに今更そういうことを気にしていたら人間は生きてはいけない……バレたもんは仕方ないんだから大人の私達がこの子に出来るだけ背負わせないようにしっかりすることだよ」
と叔母は言った。
二人も
「分かりました……それに……私も世間が何を言おうと子供を産むことは決めていましたし……今更変えるつもりはないわ」
「俺も覚悟して末子と結婚するって決めたし……この子を育てようと思っている……何が何でも生まれるこの子を守る……」
と決意を露わにしていた。
末子は妊婦として生活をしている時に、仕事の理由で暴力を振るわれることを心配していたお陰で慎重に行動をして出来るだけ外に出ず病院の時は敦夫の車で移動、家の中で少し歩くことや庭に出て外を歩くなどをして過ごしていった。
こうして二人は様々な批判を乗り越えながら過ごし、末子は安定期に入った。
するとそろそろ子どもの名前を考えないといけないという事で悩み始めた。
「女の子だからこんな時期になったが……どうする?」
「そうね……女の子らしい名前……マイナーな名前がいいかしら? やっぱり私達の子供ってだけでかなり大変な思いをさせるだろうし……」
と名前の相談を二人はしていた。
すると敦夫は
「だが……世の中はキラキラネームが流行っているらしいぞ……」
と言った。
末子は
「敦夫さん……貴方流行りに乗って子供に迷惑を掛ける名前を付けるのは良くないと思うわ……」
と普通に反論した。
しかし、敦夫は
「別に俺はキラキラネームにしたいわけじゃないんだ……ちゃんと理由がある……」
と言った。
末子は
「ほほう……聞こうじゃない」
と否定をせず聞こうとした。
すると敦夫は
「確かに俺もキラキラネームは酷いと思う……そのせいで馬鹿にされる子供も沢山いるだろう……しかし、今はたくさんのDQN親で溢れているのも確かだ……その為、もし学校内のクラスでクラスのほとんどがキラキラネームなのにうちの子だけ普通の名前だとそれはそれでいじめられる可能性が生まれそうで怖いんだ……」
と言った。
末子は
「確かに……昔は否定されているからって今も否定されているという確実な保障はない、寧ろ主流になっているかもしれない……」
と言ってネットを調べた。
しかし、末子は
「でもランキングでは普通っぽい名前が多いわよ……」
と言った。
すると敦夫は
「ランキングは日本全体のランキングだ……この地域のランキングを知らないとダメなんじゃないか?」
と言った。
そして叔母に
「うーん、確かにここ最近キラキラネームの名前をする親が増えてるわね……確かにこの子の場合は仕事上差別を受ける可能性がある以上周りに合わせた名前を付ける必要があるかもしれないわね……」
と言った。
それを聞いて敦夫は
「そうか……やっぱり今はキラキラネームを着ける人間が増えてるのか……」
と少し悲しそうに言った。
末子も
「私も出来たら普通の名前を付けたいけど……」
と言った。
叔母は
「でもこの子の場合は別にこの地域で終わるわけではないわ……ならばこの地域ではキラキラネームでいって成人後に親の同意さえもらえれば家庭裁判所に申告して改名することも可能よ……ここの地域のみでの名前をキラキラネームにして成人後就職する際に名前を改名する方法を取るのはどう?」
と提案した。
それを聞いて敦夫は
「そうだな……もし学童になった際に名前がキラキラじゃなければ改名すれば……」
と言ったが叔母は
「いや、15歳未満までは改名出来ないわ……それ以上になった瞬間に改名する必要があるわ……それまでは賭けになるけどこっちも出来るだけフォローを入れて生活しないとね……」
と考えた挙句二人は
「取り敢えず……名前を考えよう」
という結論になる。
そして、少女は
『光子』
という名前になった。




