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「真悟と2階を見てくる。恭介はどうする?」
恭介が首を横に振った。
「僕はここに居るよ。気をつけてな」
裕太と真悟が頷いた。
床に置いたリュックの中からライトを取り出して、2人が2階に上がっていった。
残ったのは、あたしと恭介だけ。
ドキドキしてきた。
ロウソクの灯りで、恭介の整った顔は神秘的な雰囲気を帯びてる。
とっても素敵。
恭介がチラッと窓の外を見た。
「早く天気が回復して欲しいな」
恭介が呟く。
あたしは恭介と2人きりで居たいから、まだ嵐が続くほうが良いな。
ね、恭介。
突然、2階から男の悲鳴が聞こえた。
ヤダ、怖い!
「何だ!?」
恭介が立ち上がる。
顔が真っ青だ。
「恭介、恭介!」
真剣な顔の真悟が階段を駆け降りてきた。
「どうした!?」
「裕太が、裕太が!」
「落ち着け! ちゃんと説明しろ!」
「ボロボロのカーテンが、すきま風で揺れただけなのに、すごく驚いたんだよ!」
真悟がゲラゲラと笑う。
「何だよ! ビックリするだろ!」