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2 ログインmy Sister


──……カチ、カチッ。ピコン。


パソコンのキーボードを弄り、今月の収益結果を姉に見せる私。


「ふぅ、これで終わりっ……かー〜。予想より100万人到達早かったかな?」


「はい。約束通りお姉ちゃん借りた分の借金これで全額返済できるよね? ほら、私嘘つかないでしょ?」


「な、夏玖(なつく)!?……なによ、この大金。」


「長年掛けて返しなさいとは言ったけど……」


「あの時は、ありがとねお姉ちゃん。お姉ちゃんのおかげでこうやって太陽を浴びずに誰とも話さず生活が出来る環境にやっと、私はたどり着たよ。」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


〜これは私が神ゲーで伝説の配信者になってお姉ちゃんに多額の借金を返すまでの物語〜


◆ 〜2026年春〜


「いやだぁああああ!!!! 学校は絶対に行きたくないよぉお!!!!」


「行け!! 行きたくなくても行け!!」


「なんで!!」


「それが、学生の義務だから!!!」


「うっ、……うう……。」


お姉ちゃんにまくし立てられ、半年ぶりの

学校へ向かう支度をし始める私。


部屋の外で待機するお姉ちゃんの視線を感じながらガサゴソと音を立て、自分の身長よりも大きなカバンに大きなデバイス達をボコボコと入れ込んだ。


そう、──……これは私の最後の抗いである。


「な、夏玖が……そ、外へ!! ……う、うぅ……お姉ちゃん感動……感激っ」


アニメの演出みたいな滝状の涙を流す姉。


パチパチとうるさい姉の拍手をかき消すように、真夏の暑いアスファルトを踏みしめ、学校へと続く坂をスタスタと進み始める……が、足取りは遅く中々学校に着く気配がまるでない。


この場合、比喩とかそんなんじゃなく物理的に足が重いのだ持ってきたデバイスの数々が背中で重りとなって私のスムーズな登校活動に支障をきたす、だがこれでいいのだ。


地面に着きそうなくらい長く伸ばした黒髪を引きずりながら一生懸命歩く。照りつける太陽に照らされる目の下のクマ、一刻も早くクーラーの効いた自分しかいないあの空間へ帰りたい。


だが、今は辛くともこの子達があれば今日一日をやり過ごせる。そんなこんなでスマホも弄らず懸命に坂を登っていくと私が通っている高校の校門が見え始める。


やっとの思いでたどり着いた学校、不登校の私はそれを久しぶり、そう。半年ぶりに視界に入れる。


「こんなおっきかったっけ……学校って。」


そう一人呟いた後、他の生徒に話しかけられないよう下駄箱で素早く上履きに履き替え保健室に直行する。無論、教室などには向かわない当たり前だ。


私は姉に学校へ行け、と言われたが授業を受けろとは言われていないだから()()私のオアシス保健室で放課後までの時間を優雅に過ごさせてもらう「()()()()


私はカバンからたらふく持ってきた、VRのゲーム機器とミニパソコンを保健室のベッドの上で広げ始める。


保健室の先生とはもう随分と顔なじみで、ここへ辿り着くのは容易であった。所謂顔パスってやつだ。


さて、それじゃ始めますか!! 私の世界を


「「ゲームイン!!」」


──……フィオオオオオッ。


VRデバイスを装着し、生体データに反応し、光り出す起動ランプ。夏玖の戦うべき世界へとアクセスを開始するのであった──……。

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