烈王国先代王は里帰りする
ラーガラース、久しぶりだ。
リエスディアが里帰りを
許してくれたよかった
帰ってすぐ、議事堂に案内された。
みんながオレをみた。
おい、期待するな、
今のオレはグーレラーシャ傭兵国の
リエスディア女王陛下の夫だぞ。
ラーガラース烈王国の国王じゃもう、ないんだぜ。
「もめているそうだな。」
オレはニーシェルに言った。
「じいちゃん、助けが来たよ。」
ほっとしたようにニーシェルが言った。
おい、きちんとしつけただろう?
お前はオレの孫だぞ。
こんな連中くらいなんとかできないでどうする。
「ラース様、お久しぶりでございます。」
デナエレが言った。
相変わらず頑固そうだ。
「ああ、元気そうだな。」
オレは言った。
まったく、なんだって議会当日なんぞに
ついちまったんだろう。
ふと、ニーシェの横を見ると
見覚えのある若者がいた。
「孝政殿か?大きくなったな♪」
オレは言った。
50年前の元気そうで利口そうなちび幼児
が思い出される。
あの、落とし穴製作は素晴らしかった♪
ちび幼児のくせに人を使って。
こいつこそムリュフ精霊国の国主になるんだろうと思った
でも、正室三田さんが不用意な動きでつぶれた時
オレはむしろ喜んだな。
ニーシェの婿にもらえると。
現国主 房義公に頼んださ。
やっともらった婿がいらないだと?
議会の連中め。
「孝政殿、いつ頃結婚式をしようか?」
オレは言った。
ニーシェが嬉しそうな顔をした。
こいつ、孝政殿が好きなんだな。
男よりかっこいいと噂がグーレラーシャまで流れていたが。
すっかり乙女じゃないか。
良いことだ♪
「それより、カータシキ魔法塔国と道をつないでいただければ...。」
孝政殿が言った。
「そのような事認められません。」
デナエレが言った。
「でも、色々利益があるんですよ。」
ニーシェが言った。
なるほど、たしかにオレは
カータシキ魔法塔国は嫌いだ。
だが、利益がでるとなればべつだ。
「詳しく話してもらおう。」
オレは言った。
「はい。」
孝政殿が言った。
...なるほど、すごいぜ。
オレにはない発想だぞ。
「いい案だな、デナエレ、いいと思うぞ。」
オレは言った。
デナエレも嫌そうだが興味はあるようだ。
「いい案なのはわかりました、検討いたします。」
デナエレが言った。
道路はなんとかなりそうだが...。
問題は、ニーシェの結婚か?
なんで、こんなに候補がいるんだ?
ダナエルにキーハにマルセナにラナタだと?
女までいるじゃねぇーか。
ニーシェもてすぎだ。
オレは孝政殿しか選んでないぜ。
もう、グーレラーシャ傭兵国に帰って
リエスディアを膝の上に抱き上げたくなっちまったぜ。
その方が楽しいし、きがらくだ。
頼むからオレに楽しい老後を送らせてくれよ。




