魔剣姫は奥宮でお仕事中2。
奥宮に戻ったよ。
まだ、孝政様にあってないもん。
越郎さんは心配そうにみおくってくれたなぁ。
「ふーん、ひばるってお前か。」
相変わらずのいじめで大荷物を
持たされて渡廊下を小走りしてたら
誰かに後ろをとられ慌てました。
「どなた様でございますか?」
ああ、めんどくさそう。
仕立ての間からの荷物が邪魔くさいな。
ふりむいても見えないや。
「荷物が邪魔で顔が見えないな。」
その人はかってに人の荷物を落とそうとしたので回避した。
「やめてください、汚れると面倒なんです。」
ささいなことで嫌味言われるし。
「面白いな♪」
その人は落とすのを止めて持ってくれた。
「ありがとうございます。」
御礼は言っておこう。
「なるほど、月下の美貌だ。」
...はい?月下の美貌?
そんな、美辞麗句いわれたためしがないよ。
「めっそうもございません。」
私は言った。
「そなた、私の事を知らないな♪」
知らなくて喜ばれたことないよ。
そこにはきりっとした表情なら格好いい
端正な顔立ちの若い男性が立っていた。
かっこうてきに結構いい身分かもしれない。
なんかニヤニヤしてるからかっこよくないけど。
「本当にどなた様ですか?」
あー、素が出た。
すげー、かわいくない言い方だよ。
可愛い言い方ムリだしめんどくさいよ。
「私は辰昭様の近習だ。」
その人はそういって笑った。
違うな、多分本人だろう。
奥宮に男子はいない。
いる男性は軒並み、若君様だ。
まあ、いいか指摘するのも面倒だし。
「さようでございますか、私急いでおりますので、失礼いたします。」
私は荷物を取りかえそうとした。
おい、返せよ。
「持ってやろう。」
辰昭様の近習(自称)が言った。
「結構です。」
私は言った。
早く帰りたいんだよ。
「お前、普通は喜ぶもんじゃないか?」
辰昭様の近習(自称)は言った。
あんたはそう言う女としか付き合って来なかったんだろうけどね。
「喜びません。」
油断してたようなので奪い取って逃げた。
「失礼いたします。」
ああ、おそくなっちゃったよ。
早く帰んないと嫌味どころじゃすまないよ。
女は陰険だから嫌だ...私も女じゃん。
ああ、なんで意識がうすいのかな?
「...面白いな、月下の美貌にそっけない態度、興味深い...あの紫色の瞳がいいな。」
辰昭様の近習(自称)は呟いてるの聞いちゃったよー。
『目立つなんて隠密行動も出来ないの?』
って母ちゃんに高笑いされちゃうよ。
あー、めんどくさ。
なんでひろの宮のもんまで興味持つかな?
暇ならもっと仕事詰め込めよ。
あー、帰ったら仕事詰めだろうな。
考えたくないよ。




