ウラン
92番目はウランだ。
原子記号U、原子量238.02891。原発の関連や、原爆の話になるとよく聞く事になる元素だな。ウランも安定同位体が存在しない元素なんだが、半減期が長い同位体もあってな。代表的なのは、²³⁸Uが約44億6800万年、²³⁵Uが約7億380万年と言われているんだ。この2つの他にも、地殻内に存在しているウラン元素としては、半減期が約24万5500年程度の²³⁴Uだな。ウラン234は、ウラン238が崩壊を繰り返していきつく元素なんだ。そのために、分裂しては継ぎ足され、分裂しては継ぎ足されが続くわけ。これによって、比較的半減期が短いウラン234であるが、近く内にほとんど一定量あるわけだ。
一般的に天然ウランと呼ばれるのは、ウラン238とウラン235の2つがあるんだ。ウラン鉱石には、だいたいこの2つが含まれているんだけど、このうち核分裂に寄与することになるのはウラン235の方なんだ。濃縮ウランと言われるものは、ウラン235を濃くしたものになるんだ。原子力発電でつかわれているようなものだね。さらにどんどん濃くしていくと、原爆ができる。もっとも、ウラン238も、中性子を捕まえて崩壊することによってプルトニウムへと変化することで、核分裂をすることができるようになるんだけどね。
さて、天然ウランの話をする時に、天然で核分裂をしないのかという話が出てくるだろう。実は、ウラン235の天燃料が少ないために、原発や原爆のように持続的な核分裂が起きないんだ。ただ、1か所だけ例外の場所がある。それが、『オクロの天然原子炉』と呼ばれているところなんだ。ガボン共和国オートオゴウェ州オクロにある天然原子炉だ。1972年に発見されるまで、理論上の産物だとされていた原子炉なんだ。ここではウラン鉱床がいくつかあって、3つの鉱床で16か所もその反応があったことが確認されているんだ。おおよそ、20億年前、数10万年かけて平均100kWぐらいの原子炉のエネルギーが出ていたと言われているんだ。
(作者注:オクロの天然原子炉については、Wikipediaを参考にしました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/オクロの天然原子炉
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同位体としては、²³⁴Uが0.0055%、²³⁵Uが0.7200%、²³⁸Uが99.2745%だな。