研究結果 事故
どんどん書いてくなす
ちょっと学校から離れますよ~
お楽しみください!
優side
私はとても裕福なほうだったと思う。
欲しいものは何でも手に入り、将来はお父様の引継ぎをする。ある意味で恵まれた人生だと思っていた。
しかし、一つ気がかりなことがあるとすれば、お父様がどんな研究をしているのかわからなかった。
とある真夏の朝、私はお父様と朝食をとっていた。
今日の朝食は目玉焼き、ソーセージ、みそ汁、ご飯と、そんなお金持ちアピールをしない食事だった。
私自身、豪華な食事というものがそんなに好きではない。見栄を張ることが嫌なのよ。
テレビを見ながらお父様が私に問いかける。
「優、こんな話知ってるか?」
「何~?」
「あるところで橋之上ビルから落ちた人が肉片だらけになったところを見た人がいたんだ。」
その話について、一か月ほど前にニュースで紹介されていた。自殺だと報道されたその事故は、自殺と判断するには不可解な点が多かった。
「知ってるわよ。確か自殺でまとめられた事故だったかしら。でも、自殺として処理するには、かなり不可解じゃないかしら?」
「そうなんだ。それについてなんだが、此処だけの話、あの事故は私の研究の実験だったんだよ。」
「え?実験?」
お父様が声のボリュームを落として私にささやく。
「人体の超越化。今よりも圧倒的に死ににくい体を作れるようになるという実験だ。その報道のあと、落ちた人はどうなったと思う?」
「えーっと・・・」
落ち着いて考えるためにみそ汁を一口飲む。
人体の超越化で考えられるのはやっぱり超回復かしら。耐久性も考えると私の憶測は、
「起き上がったのかしら?ボロボロの体で。」
それしか思いつかなかった。
「惜しいな。実験の結果は大成功だった。肉片は一部に集中して、元の姿に戻って圧倒的な力を手に入れた。」
「なるほど・・・それはウィルスの力かしら?」
お父様は何回か自分の研究してるウィルスのことについて話してくれた。しかし、まだ詳細はわからない。唯一知ってるのは適性がある人間と、適性がない人間が分かれていること。お父様はいま適性がある人間の話をしているのでしょう。
「そうだ。俺の研究してるIウィルスの研究結果の一つだ。」
「お父様、お疲れ様。質問いいかしら?」
「いいぞ。なんでもこい!」
「適性のない人間はどうなるのかしら・・・」
私がその質問をすると、お父様は少し考えた後、口を開いた。
「ゾンビになるな。」
「え・・・」
「まず脳がやられる。その次に全身の皮膚がやられて、屍のようになる。」
私はその話をいまいち理解できなかったけど、映画でよく見るような姿になることがなぜか理解できた。
「そんな危険な実験なのね・・・」
「そうだ。今のところ適性のある人間がいる確率は100万分の1だ。」
「ひゃくまん・・・ぶんの・・・いち・・・」
ウィルスということは感染するということでしょう。
そんなのが漏れたら・・・
そんなことを考えて、最後の一口分のソーセージを口に放り込むと、テレビから気になる報道が流れる。
<いま入ってきたニュースです。>
<薬品会社インバにて、研究中の薬品が研究所内で漏れだした模様です。この薬品のワクチンの作成が懸念されています。このウィルスの感染経路は、血液感染とされています。感染されている方には近づかないよう注意をお願いします。>
噂をすれば、ね。この報道にお父様は唖然としていた。
「お父様・・・」
「優・・・すまない。私のミスだ・・・今から研究所に行ってくる。」
「わかったわ。気を付けてね。私も出かけてくるわ・・・」
お父様が玄関のドアを開けたあと、うっすらと聞こえた言葉に、私は何も言えなかった。
「めんどくさいことになったぞ...啓子...」
To Be continued...................
まだ行けるかも。