勇者目覚める / AIシステム起動
勇者 目覚める ミスト視点
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あれっ・・・僕、寝てたの?
立ったまま?・・・・・・・目も空いてなかった?
「あいたっ」頭がズキズキする。たってられない・・
僕はそのまま木陰に座り込む。
なにしてたんだっけ・・。しばらくゆっくり、考える。
龍神、魔神、未来、過去様々なワードが頭に思い浮かんで一つになった。
「そうだ。僕は・・」 そこまで言うと口を閉じ、言葉にしない。大事なことを簡単に漏らして、大変なことになるのは避けたい。
龍神様の命で魔神を倒しに未来に来たんだ。
<<まじで!?>>近くで大きな声が上がる。
「だれっ!?」 言葉には出していない。
「まさか読心術?」そんな魔法が未来に存在するというの?龍神様は安全な場所に飛ばすと言ったのに・・。嘘つき。
そんな使い手がそばにいるなんて・・とにかく
「サーチ」
サーチは近くに存在する生命体を感知する魔法。魔力の少ない僕にできる、頼りになる護身術の一つ。
・・・だけど
「・・・誰も、何もいない・・」
近くには誰もいなかった。けど確かに声は聞こえた。幻聴?それとも、もう範囲外に逃げられた?それともサーチの魔法がごまかされた?
そんなことを考えていると、
<<あーあー。>>
さっきの声!サーチは展開したままだ。範囲に生命体はいない。
<<まずは、こんにちは。俺は・・・・ナビゲーター。よろしく・・>>
「あなたは・・・どこにいるの?」
<<ここは・・・多分、頭の中?もしくは直接語り掛けてる?そんな感じ?わかんにゃい>>
なによそれ。とにかくあまり考えないようにしないと心を読まれてるみたいだから。どうにかしないと。
「・・・何の用?」
<<えっと、君の魔神討伐の命令を手伝いに来たんだ。>>
さっきの心を読んだのね・・・
「・・・何のために?」
<<言っただろう?エンディングを見るためさ>>
「言った?エンディングってどういう意味よ?」いつ?・・記憶がない時に?
<<あ・・・記憶ないんだ。なら言葉を変えてもう一度言うよ。君が幸せになるそんな結末が見たいんだ。>>
なによそれ。なによそれ。なによそれ!!あー!!もうとにかく心が読まれるんなら
「とにかく、心を読むのをやめない限り、あなたを信用することはできません!落ち着かないし、頭から出て行ってくれますか」
<<えーっと、多分だけどそんなに、心読めないよ?なんていうか部分的な感じが多いからなんて言ってるのかわかんないこと多いし・・
それと、君と約束したんだ。君を助けるって。だから俺を嘘つきにさせないでほしいな・・なんて>>
「・・・私は約束を覚えていません。破ってもらって結構です。」と、彼女は少し考えてから返事をした。
少しの間沈黙が流れる。
<<わかった。行動で示すよ。ちょっと体借りるけどいいよね。>>
「ちょっ・・・」ちょっと何怖いことを・・あれ・・声が出ない。
体が勝手に動く。嘘っ・・乗っ取られた!
「まずはそうだな・・」
<<やっぱりステータス上昇させればいいかな?いやいや、あげても感じ取れないかもしれないし、やっぱり効果的な道具とかのほうがいいかな?>>
・・・これは、彼の心?
「何かいった?」
・・・別に、気にしないで
と言って、口に出すイメージをする。だが実際の自分はその通りには動かない。
「そう?じゃあ、体借りるよ」
会話できてるみたいね。というか、体はもう奪ってるじゃない!
さっさと返してもらうように言う?それとも様子を見てみる?・・と自問自答する。心が漏れてるし、まだ大丈夫か。と様子を見ることにした。
「ふふーん。ここの洞窟はねぇ・・いわゆるチートレベルの杖が置いてあるのだよ。」
それでここの洞窟は大丈夫なの?
「大丈夫って何が?」 そういいながら彼、もとい自分はどんどん奥に進んでいく。
それは魔物とかに決まってるでしょ。僕は自慢じゃないけどまだ生まれたばかりで強くないんだよ。
そう。私は龍族の成人の儀式。龍化の儀式を受けていない。
龍化の儀式は龍神様が編み出した魔術、日々強くなる魔族に対抗するために、
龍族は成人になると龍化の儀式を使い、肉体を神話のドラゴンに変え、まさしく本物の龍になった。
龍になった者はヒト型と比べ物にならないほどの力を得て、魔族と対抗した。
ただし、代償として、儀式に失敗した一部の龍族は知能を失い。ただ、暴れるだけの龍、暴走龍になったいた。
年々暴走龍になる確率は増えていき、龍族は危険な状態だった。
「生まれたばかりなんだ!?知らなかったよ!!」 <<生まれたばかりの奴に魔王討伐命令するとか・・>>
なんですって!?
僕はつい、龍神様を侮辱したような発言にいらだってしまった。
「えぇっ・・・・・」彼は少し考えるように反応を返す。
心の声が漏れていることがばれてしまった?
元々、ばれてる前提で彼が行動しているかって考えるべき?
・・・そんなことより大丈夫なのって聞いてるんだけど。
考えを変えるため、促す様に言った。
「あーうん。大丈夫じゃないけど大丈夫だよ」
彼はあやふやな返答を返してくる。
どういう意味よ
「だって強さを聞いてるんでしょ?殴られちゃったら即死するけど、殴られないから大丈夫だよ」そういいながら魔物のすぐ横後ろをささっと歩いていく。
それは何の理由にもなってないわよ。怖い。やめて。返して!
一発で即死? やっぱり魔神達は、凶悪な魔法を完成させたんだ・・
「えっ、でもここはもう半分くらい来ちゃったし、前も後ろも敵がいるよ。危ないよ?」
わかってる。今返してもらっても、僕じゃきっと帰れない。彼は常人には考えられない的確にかつ、円滑に歩みを進めている。
もっと大丈夫なくらい強くなってからでいいじゃない。なんでこんな危険なこと・・
「それじゃあ間に合わないよ。魔神は待ってくれないよ。・・あったこれこれ」そういうと彼は石を拾った。
待ってくれないってどういう意味よ。それにそれは杖じゃないわ。嘘ついたの?
龍神様の話では、魔神の復活はまだまだ後のはず。まずは、こっち(未来)にきたら周りの調査、探索、その後魔神の対策時間をたっぷり練りなさいって言ってた。
「質問が多いね。待ってくれないってそのまんまだよ。普通にやってたら間に合わない。石は杖に必要なだけだよ?」
待ってくれないなんてやってみなきゃわかんないじゃない。確かに頑張ることは必要かもしれないけど、これは明らかにやりすぎよ。
「違うね。これくらいはそんなに難しいことじゃない。それに・・」<<今の彼女じゃ、雑魚敵にすら勝てない!>>
「・・・このあたりに君が勝てる敵などいない。」
こいつ、言葉を言い換えた割には、大して意味変わってないわね。
・・嘘じゃないのね?
「杖を取らなきゃ、始まらないと言ってもいいくらい重要なんだ。」
そう。
僕は、覚悟が足りなかったのかな。なんだか思考根底からひっくり返されたような気がする。
これが本当なら、本当に彼の協力がないと危険かもしれない。いや、不可能に近い。
まずは、現状を正しく確認、それから・・・・・・・・・・・・長い間考えてたと思う。
「ついたよ。」
それは確かに杖だった。見た目は立派な杖に見えた。どこかで見たような面影がある。でも、
まるで、機能していないような、死んでいるような・・・そんな印象を受けた。
辺りを確認する。かなり大きな生物の住処だったようだ。最深部はそこそこの大きさ、それに気品があるように感じる。
でも、長い年月が経っていて誰も侵入した様な形跡がない。
本当にこれがすごい杖なの?
もう一度杖に目を向ける。杖には尖端にドラゴンの石像がついている。・・・・どこかで見たことがあると感じるのはこのドラゴンね・・
あいたっ
だめだ。さっきから頭が痛い。しばらく何も考えたくない。
「そうだよ。そのままじゃあだめだけどね。」
杖をひたすら見つめていた。考えれば頭が痛くなる気がしたからか、僕も、特に考えずに、ただひたすらに見つめていた。ドラゴンもこっちを見ているような気がした。
<<じゃあ、はい。>>
ふと体に力が入る。自分で体が動かせる。手をにぎにぎして確認した。
「ちょっと、こんなとこで変わってどうするつもりよ。」ここは危険な洞窟の中。まさかすごい杖が入ったから後は大丈夫さっさと行けとでも言うのか。
使い方もわからないのに。
<<まず、僕が今から言う言葉を復唱してみて。
目覚めよ。龍王、賢龍。>>
「」
・・・・・・・・・・・・・・・
わが名を呼ぶ、龍族の者よ。よかろう我が力をお主に貸してやる。
それだけ言うと杖は話さなくなった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
大丈夫?そう声をかけたのは杖ではなく彼だった。
僕は気づけば杖を抱え込んだまま泣いていた。
なんで泣いていたのか覚えていない。
「えぇ・・大丈夫。行きましょう?」本当は大丈夫じゃなかった。今も何も考えたくない感じに襲われていた。
「じゃあ行くよ」そういうと彼は許可も得ずに私の体を奪い、来た道を戻りだした。
彼をはじめてありがたく感じた。
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AIシステム起動 ナビゲーター視点
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3人称視点に切り替わった。彼女の顔の周りを飛ぶように視界を映せた。
押したぞ。さぁて、鬼が出るか蛇が出るか・・。、
とりあえず彼女の後ろに隠れる。
「あいたっ」
ん?いやいやぶつかってないぞ。ちゃんとちょっと距離取ってるし。
というかそういや俺と彼女どうやってコミュニケーションするんだろうな?とりあえず、博士の言ったとうりに、様子を見るか。
でもこんな感じで心に思ってるだけで伝わるんだったらあれだしな・・・
<<なにしてたんだっけ?>>
お?これは心の声ってやつか?
「そうだ。僕は・・」
お?ついにミストの秘密・理由がわかるのか。ドキドキ
<<龍神様の命で魔神を倒しに未来に来たんだ。>>
<<まじで!? >>龍神って!!未来って!!
「だれっ!?」
あっ。やべっ。ばれたな・・ていうか何が、聞こえちゃったかわかりにくいな。ごまかせないかな・・
「まさか読心術?」
ヨメナイデスヨー。ウソジャナイヨー
<<嘘つき。>>
あれー。こっちもバレテルー。そっちも読心術?もうどうにもならないようなキガスルナー。
「サーチ」
俺の場所が分からないのか。サーチによる情報が流れてくる。
あー、そばに誰もいないな。気にしないでくれると助かるんだけど・・
「・・・誰も、何もいない・・・」
さっさと白状するか・・黙ってたら、余計信用してくれなくなるだろうな・・
というかこっちの心は覗かれてないのかな?
彼女の顔の前に出て彼女を見つめる。
<<確かに声は聞こえた>>
彼女は辺りを見渡す。
・・・見えないのか。
あーあー。
きこえるかなーと口開けて話してる感じでテストした。
<<さっきの声>>
彼女の顔がピクリとする。
きこえてるようだな。
何から話すかー。やっぱりまずは、自己紹介だよな。
まずは、こんにちは。俺は
そこで、言葉が止まった。俺はダレダ?何て名前だった?そもそも何をしていた?
・・・まずい。会話が止まっている。これじゃあもう信用は・・
ナビゲーターだ。よろしく。
とっさに博士の言葉を、思い出した。大丈夫。嘘は言っていない。深く追及されても言い訳できる。
なんで俺は忘れてるんだ。
「あなたは・・・どこにいるの?」
そうだよなー。レーダーにうつってないもんなー。信じてくれるかなー・・・
ていうか自己紹介返してくれないってことはかなり警戒されてんのかなー
ここは
そういって考えた。どこだよ。目の前だよ。見えてないよ!俺が聞きたい。まぁでも
多分、頭の中?もしくは直接語り掛けてる?そんな感じ?わかんにゃい
なんか可愛くごまかしてしまった。わからないことだらけだ。ちゃんと博士に聞いとけばよかった。というか、あーもう大失敗だよ、滅茶苦茶だよ。
「・・・何の用?」
そっか用事か。君に自動的に動いてほしいんだ。って言ったら、終わりだよな。
えっと、君の魔神討伐を手伝いに来たんだ。
そうだな。これが一番しっくりくるな。
「・・・何のために?」
なんかお互い考えながら話してるからすごい間がある感じがするな。よく考えて答えれて助かるけど・・
彼女、自分で頼んどいて覚えてないのかな。
言っただろう?エンディングを見るためさ
そういやむこうのとか、ちょっと違うとか、いってたっけ?そういや過去からきたとかもいってたな。
「言った?エンディングってどういう意味よ?」<<記憶がない時 ?>>
あ・・・記憶ないんだ
なら言葉を変えてもう一度言うよ。君が幸せになるそんな結末が見たいんだ。
「・・・とにかく、心を読むのをやめない限り、あなたを信用することはできません!落ち着かないし、頭から出て行ってくれますか」
とにかく、信用を勝ち取らないと協力体制にできないな・・何とかしないと、
えーっと、多分だけどそんなに、心読めないよ?なんていうか部分的な感じが多いからなんて言ってるのかわかんないこと多いし・・
それと、君と約束したんだ。君を助けるって。
そう、嘘はだめなんだ。だから本当のことで。一番いい言葉を選ばないと。
だから俺を嘘つきにさせないでほしいな・・なんて
・・・・・・・・・・・・・・・これでよかったのか。言ってて恥ずかしくなるな。
「・・・私は約束を覚えていません。破ってもらって結構です。」
まぁ、だめだよな。俺も急に二重人格のよくわからない奴が来たら受け付けられないし。
そうだよ。わからないことより、わかることをしよう。このゲームのことならあんなにやり直したじゃないか。
わかった。行動で示すよ。ちょっと体借りるけどいいよね。
仕方ないこうなったら実力行使少々強引な手を使うしかないな。彼女が何か言ってたような気がするが、自動補助システムを切り替える。
「ちょ・・・」
<ちょっと何怖いことを>
よしっ、動く。
「まずはそうだな・・」
一番役立つ道は、やっぱりステータス上昇させればいいかな?いやいや、あげても感じ取れないかもしれないし、ここはやっぱり効果的な道具とかのほうがいいかな?
<<>>
考えているときに、何かが聞こえた気がした。
「なんかいった?」
<<別に気にしないで>>
許可が出たな。
「じゃあ、体借りるよ」
「ふふーん。ここの洞窟はねぇ・・いわゆるチートレベルの杖が置いてあるのだよ。」
そうそう、ここの杖さえとっちゃえば地道道からおさらば出来るし、お任せでレベル上げできるし一石二鳥だねっ。
<<それでここの洞窟は大丈夫なの?>>
「大丈夫って何が?」
そういいながらサーチの魔法を展開する。周りの生体の移動方向、視界警戒範囲を確認する。
こいつらは、かなり特殊な探索範囲をしている。
まず今横にいる、後ろを向いてるやつ、こいつははっきり言って前しか注意していないらしく。
無警戒時には、ほぼ真横を通ってもスルーできる。視界がかなり狭いし反応速度もかなり鈍い。
この蝙蝠みたいなやつは音だな。音を出さなければ気づかれることはまず、ない。
スキル:忍び足
彼女のスキル欄はスキルで埋まっている。体術系統は力や要求してくるステータスがあるから使えないものが多いが、
技術系統はすべて使うことが出来る。
<<それは魔物とかに決まってるでしょ。僕は自慢じゃないけどまだ生まれたばかりで強くないんだよ。>>
「生まれたばかりなんだ!?知らなかったよ!!」 心の声がそのまま口に出た。
・・・・・・・・・・
でも、見た目は成人してるよな。色々聞きたいことはあるけど・・
まずは信用してもらってからだな。
そう思い直すと、杖探索に意識をシフトさせる。
<<そんなことより大丈夫なのって聞いてるんだけど。>>
「あーうん。大丈夫じゃないけど大丈夫だよ」
そう、言い返しながら、魔術:隠密を使用する。
魔術:隠密は相手の視界から外れる効果を持つ。見失わせたり、隠れながら移動するには便利な魔術だ。だが、サーチの魔法には引っかかる。
あくまで、視野だけに効果がある。
使っている間どんどんMPが減るので今の彼女だと使い過ぎはよくない。
<<どういう意味よ>>
真横に魔物がいるのもお構いなしにすぐに返答を要求するよう言いぶりで言ってくる。
「だって強さを聞いてるんでしょ?殴られちゃったら即死するけど、殴られないから大丈夫だよ」
まぁ見えないし。足音も立ててない。その場で警戒しだすだろうけど大丈夫か。
そう思いながら隠密を解除する。
<<それは何の理由にもなってないわよ。怖い。やめて。返して!>>
「えっ、でもここはもう半分くらい来ちゃったし、前も後ろも敵がいるよ。危ないよ?」
仮に今ここで、ゲーム内で自動補助システムを起動させるとほぼ100%ゲームオーバーだ。前にも説明したが、代わりにやってくれるのは
日常生活レベルのことがほとんどで。探索で使えそうなことといえば、方向指定移動、座標指定移動。圧倒的な戦力差の魔物退治くらいのはずだ。
今は逆に圧倒的に負けるぐらい戦力差だが・・
とにかく杖を見つけないと信用も戦闘もままならない。
<<もっと大丈夫なくらい強くなってからでいいじゃない。なんでこんな危険なこと・・>>
「それじゃあ間に合わないよ。魔神は待ってくれないよ。・・あったこれこれ」
そういいながら俺は龍の涙石を拾う。これは杖の覚醒に使える。
杖の覚醒には、杖本体の遺留品が必要だ。ほとんどの遺留品は持っていかれたらしいが、この涙石は遺留品だとばれなかったらしい。
ゲームだと、古代の遺跡の文献で乗ってたんだっけ?
杖の本体は龍だ。その龍の牙で、できた賢龍の大剣、ナイフ。皮・鱗でできた、鎧など様々ありそうだが、現在取れるものはこれ以外考えられない。
ちなみに賢龍の大剣だけ、実際に入手したことがある。
というか杖の傍に置いてある時点で、使ってくれと言っているようなもんだ。
<<待ってくれないってどういう意味よ。それにそれは杖じゃないわ。嘘ついたの?>>
「質問が多いね。待ってくれないってそのまんまだよ。普通にやってたら間に合わない。石は杖に必要なだけだよ?」
これはもうさっさと、取ってくるしかないな。彼女は結構我慢の限界に近いかもしれない。
<<待ってくれないなんてやってみなきゃわかんないじゃない。確かに頑張ることは必要かもしれないけど、これは明らかにやりすぎよ。>>
そういや博士も言ってたな。彼女は弱いって。俺も最初はそう、ゲームを開始した時は、スキルが大量にあるのになんでこんなに(ステータスが)弱いんだよって愚痴ってたっけ。
最近じゃ、ずっと逆なイメージで、軌道に乗れば強くなれることがわかったら、そんなことを全く考えないようになっていたな・・
彼女も記憶がないって言ってたし。弱いことを自覚してもらう段階なのかな?
「違うね。これくらいはそんなに難しいことじゃない。それに・・」・・・・・・・
やさしく言おうにも言葉が見つからない。
「・・・このあたりに君が勝てる敵などいない。」
本当はこのあたりより弱い敵もいない。嘘は言ってない。このくらい受け入れてもらわないと、魔神を倒すのは絶望的なこと・・
<<嘘じゃないのね?>>
あぁ嘘じゃない。確かに耐えれるくらいHPや魔法を連発できるくらいのMP成長をできれば、倒すことはできる。
だけど、今の彼女は、一般人の赤子並だ。冒険者にも劣る。
そんな中、村に向かうことは、洞窟に向かうのも同じくらい、はっきり言って危険だと思う。
それなら、より強い杖を取るこの選択肢は最善なはずだ。
一度村に入れば、弱い彼女は村から出られない。村の許可が下りない。弱い村人が許可をもらうには、冒険者などの護衛が必要になる。
それでも完全に安全なわけではない。そんな彼女が最寄りの村に行けば、孤児院生活スタートになってしまう。もちろん冒険者を雇える余裕などない。
冒険者になるという考えはお勧めできない。彼女は村人の赤子並に弱い。
何もせずに冒険者になろうというものなら冒険者試験で落ちる。
なんとか合格に持ち込んでも、大した依頼は受けれないし、受けたとしても常に命がけ。
冒険者になれば孤児院という宿がなくなるおかげでお金とも戦わなくてはいけない。
そんなことになれば一般村人人生ゲームまっしぐらだ。
冒険者になった後、杖を取りに来るという手もあるが、それなら先に来た方がいいだろう。
「杖を取らなきゃ、始まらないと言ってもいいくらい重要なんだ。」
<<そう。>>
彼女は半ば、あきらめたように言った。
それから彼女は静かになった。俺もこれからの考えを巡らせる。
杖を取ったら、まず杖を覚醒させる。杖はそのままだとただの木の棒だ。特に使えるものじゃない。
杖は前も言ったように、遺留品をきっかけに目を覚ます。そのあとドラゴンロッドに変化する。
ドラゴンロッドは最大MPと魔力に普通では考えられないほどの補正を与える。
これで、治癒術も使える魔術師、というかMP消費技をふんだんに使える。
杖があれば冒険者コースも楽になるし。
一人で役に立つアイテム探索というトレジャーハンターコースもなんでもできる。
だが、HPや防御面などまだまだ危険な面はたくさんある。攻撃方法が手に入っただけだ。いや、MPを使った技術方面も広がったが・・
とにかく自動化で安全になるにはまだほど遠い。
しかし、ゲームの時と違って、操作をずっと預かるわけには行かないだろう。
そんなことをすれば、きっと彼女とうまくいかなくなるだろう。少なくとも、村までは操作した方がいいな。
そのあとは残金と相談して彼女に手伝ってもらうか。
いや、だが、村も危ないな・・。
そんなことを考えていたながらも体は進む。
この作業をもう体が覚えてしまっているくらいやった。
「ついたよ。」
目の前に古びた杖がある。ドラゴンロッドだ。間違いない。見た目もゲームの時とそのままだし、同じような場所にある。
まるでその場所に固定されているかのように置かれた杖は俺が操作する彼女が手に取ると、ただ従うかのように手に取られる。
当たり前だ。ただの杖だ。でも、この後のことを考えると、寝てるだけなのか?
あんまり考えたことなかったな。
<<本当にこれがすごい杖なの?>>
古ぼけた杖だからな。そう思うのも無理はない。まぁ問題は覚醒してくれなかった時だが、その時はあっちの効果でごまかすしかないな・・
「そうだよ。そのままじゃあだめだけどね。」
俺は龍の涙石を杖に向かって使う。どうやって使えばいいんだ?こすりつけるのか?とりあえずやってみるか。
だめだな。なんかヒントを思い出さないと。
そう思い、なんどもやった杖と涙石のゲーム画面を思い出す。
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龍の涙石を使う←
龍の涙石を割った。中から涙が零れ落ちる。杖が反応した。
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ログなんてみないで飛ばしてたから思い出すのに時間がかかった。
・・ゲームのことなら覚えてるんだな。自分のことは覚えてないのに・・
杖にかけるように、涙石を割る。すぐに杖の反応を見る。が、よくわからない。
とりあえず、次の段階に行くか・・
じゃあ、はい。
俺はそういって自動補助AIシステムを入れる。ここから先はゲームではフラグを取らないといけないはずだけど、同じことをすれば大丈夫だろう。
「ちょっと、こんなとこで変わってどうするつもりよ。」
覚醒するかどうか、試すんだけど、まぁ言わない方がいいな。
まず、僕が今から言う言葉を復唱してみて。
目覚めよ。龍王、賢龍。
「・・・目覚めよ。龍王、賢龍」
時が止まったかのような。静寂の中。
どうなった?
と疑問に思い口にした。彼女に反応はない。杖にも反応はない。覚醒しなかったかと諦めたその時だった。
<<兄さん?>>
へ?
おい!
おい!
彼女が一筋の涙を流した。そのまま動かない。何度か話しかけたが、微動だにしない。心ここにあらずみたいな感じだ。
俺は少し慌てて博士を呼び出すことにした。
「・・・・・・・・・」博士は何も言わない。
「彼女の様子、わかるか?}俺は博士に聞く。
「彼女の脳が、・・思考を停止している。一度にかかる情報量が多すぎたんだろう。パソコンでいうフリーズしたような状態だな」
「・・・治るのか?」
「一時的なものだろうな。早く休ませてあげたほうがいい。君もここにきたとき、私の説明を理解しきれなかっただろう?似たようなものだな。」
「そうか」
「君もゲームからここに。彼女も過去からここに来て。混乱しているだろう。少し情報整理したほうがいい。」
「そうだな、近くの村に寄ってしばらくおとなしくすることにするよ」
そう伝えると。博士はうなずき、勝手に画面が閉じられた。
正直俺自信も、考えたいことがいっぱいだ。だが、幸か不幸か、自分のことを忘れ、なんだかゲームに集中できている気がする。
なんだか、自分のことはどうでも良くなってるように考えてる。
なんでだろうな。
彼女の方に目を向ける。気が付くと、彼女は杖を抱えるように丸まっていた。
<おい、大丈夫か?>
彼女が反応した。だがそのまま動かない。少し様子を見てたと思う。
「えぇ・・大丈夫。行きましょう」彼女は声を出した。まだ体は動いていない。
俺に行ってほしいってことかな?
元よりそのつもりだけど。そう思いながら自動補助システムをOFFに切り替えた。
「じゃあ・・・行くよ」俺はこのまま彼女の意識を抑え込んだままでいいのか、悩みながらも歩き出す。
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ここは未来の私に当初の気持ちを書きなぐるスペースなのです。
多分この小説も黒歴史になるんですかね・・
当初、結構鬱エンドのようなものを想定してたのに。ハッピーエンドに近づけたくなって、設定弄って、話をごちゃ混ぜにしちゃってます。
作ってしまったキャラ愛ってやつですかね?
キャラも設定も書いてる間にどんどん変化してますね。どんどん矛盾とか出てきそうでヤバイ
2人同時進行なのもヤバイ




