表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/7

追放された鑑定士

7話完結済みです。一気にお読みいただけます。



 追放されて半年、おれが鑑定した魔石は、今も国宝級と呼ばれている。


 おれは鑑定し終わった魔石をリュックに詰めながら、酒場で話している他の冒険者の言葉に耳を澄ました。


 今回の魔石も国宝級。最近は隣国での取引もはじめたけど、魔石の流通上、出しすぎると値崩れする。またあそこに預けておこう。






「おい……聞いたか?」


「なにをよ」


「馬鹿おめえ、フラクタルだよっ!」


「フラクタルっつったら、美人剣士のララと勇者のクロ、あと鑑定士の3人組だろ?」


「今は2人なんだよ……そんなことより、剣士と勇者、あいつらがまた新しく魔石を献上したらしくてさ」


 クロとララ。おれの耳が聞きたくもないのに話を聞きに行こうとする。いや、出よう。こんな場所に長居は無用だ。


「鑑定した魔石が軒並み国宝級だろ?まさか、今度は国国宝宝級だってえのかよ」


「いや……どうやら、偽物を王国の祝祭に献上して……処刑されるらしい」


 処刑。


 おれを捨てた二人が。……ざまあみろ、と思えたら楽だったのに。


 気づけばおれは、その男の肩を掴んでいた。


「お、お、おい、なんだよ」


 男がおれの顔を見ておびえたように言った。もう一人はすでに隣にいない。おれは男の肩を掴みながらこぶしに力を籠める。


 なに、やってんだよ……二人はもう仲間じゃないだろ。


 おれを追放しておいて、今度は偽の鑑定士に騙されて詐欺師に成り下がった、あいつら。


 でも、そんな鑑定をする鑑定士がいるのか?フラクタルという名のしれたパーティに……。


 そこまで考えて、首を無理やり振った。関係ない。あいつらがどうなろうと、知ったことかよ。


 でも頭はその先を考えるのをやめない。


 あの二人に偽物を本物と偽って献上できる鑑定士。馬鹿な。――あー!もう!


「……二人がどうなったか詳しく教えろ」


 おれは、また馬鹿をやる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ