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君との話  作者: tc


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1/7

はじまり

綺麗な海だった。


僕が今まで見てた海は一体なんだったんだろうと、思ってしまうくらいに一面に広がる青い海、白い砂浜、ここが天国と言われても信じてしまうような絶景。


今まで見たことのない景色を見てみたいと、思い立ち僕は遥々南の島までやってきた。


暫く、1人砂浜を歩いていると、やはりここは天国だったのかも知れないと僕は錯覚した。


白い砂浜を天使が歩いていた。

白のワンピースに、肩口まで伸びた髪が汐風に靡いて、天使の羽に見えたんだ。


今にも飛んで何処かへ行ってしまいそうなものだから、僕は後先考えず天使に声をかけてしまった。


これが君と僕との話の始まり。



「何ですか?」と君の怪訝そうな顔を見て、僕は今の自分が南の島の魔法に当てられたただの軟派野郎になっていることに気づく。

そこからの会話は正直あまり覚えていなくて、僕はいかに自分が誠実で軟派なんてものから程遠い存在で人畜無害であることを必死に説明していた、、、と思う。


そんな慌てふためく僕を見て、警戒するのも馬鹿馬鹿しく思ったのか君は笑ってくれたね。

その時僕はどこかの誰かが使い古した「恋はするものではなく、落ちるもの」というフレーズの意味を理解した。


君を引き止める言葉を探すも、僕は無力で君は「では」と言って、その場を立ち去って行った。


僕が先ほどまで絶景だと思っていた、海と砂浜は何だか物足りないものになっていた。


そうこうしてるうちに、予め取っていた宿のチェックインの時間だということに気づき宿に向かう。

さすがはリゾートホテルというべきか、南国を味合わせくれる内装に感嘆しながら、僕が泊まる部屋の前に着く。


僕が部屋に入ろうとしたタイミングで向かいの部屋の扉が開き、僕は気まずいさでさっさと部屋に入ってしまおうと思っていると、「あっ、、、」と声が聞こえて、僕の心臓はいつもより少し早く動いた。


振り返ると、砂浜の天使がそこにいた。


僕は「こんな偶然もあるんですね」なんて、他愛もない話をしながら、よくあるラブソングの一節なんか思い出して、どこか期待してたんだと思う。


君も砂浜でのやりとりの後だからか、少し雰囲気が柔らかくなってて、僕はせっかくだからと食事をしながらお話しでもと誘ったら、君は少し考えたあとに頷いてくれた。


そこの宿は、自家製窯で焼いたピザが売りなようで、それを食堂で注文し、2人で席に着くことに。


2人で軽く自己紹介をして、話しを始めると、住んでいる場所が一緒のことに気づき2人で驚きの声を出したね。それから、好きな映画、小さな頃やってた習い事、ゲーム、学生時代の部活、それぞれ出身地で地域活動に没頭していたこと等、挙げたらキリがないほどの共通点が出てきて、気づけば僕達は食事よりも会話がメインになっていた。


食事を終えて、少し腹ごなしに海辺を歩こうとなり、2人の会話は止まらない。

ただリゾート地の夜の海辺はカップルだらけで、君と僕は「なんだか小声になっちゃうね」なんて、クスクス笑いながら、話をしたのを覚えてるよ。


ある程度歩いていると突然の通り雨、僕は思わず君の手を引いて雨宿りができそうな軒先へ、ふと君の方をみると握られてる手を見て君は耳を赤くしていた。

僕は定型文のように「ごめん!」といい、握っていた手を離す、君が「ううん、大丈夫、ありがとう」なんて言うもんだから、僕は勘違いしてしまいそうな自分を心の中で縛りつける。


雨も上がり特有の匂いがしてきたころ、僕と君は宿にそろそろ戻ろうかと少し気まずい関係になって帰路に着く。


もともと弾丸旅行のつもりだったのもあり、翌日にはチェックアウトの予定なことを話すと、君はあと一泊して帰る予定だと、流石にここまでは合わないかなんて冗談を言って、ただこのまま終わりたくないと言う気持ちのまま君の連絡先を聞いた。

まさか同時に君も僕の連絡先を聞いてくるなんて思いもしなかった。

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