役に立ちたい
家に戻ったつぐみは、鞄にシヤのハンカチと買ってきた新しいハンカチを入れる。
「よし! これで、いつ会っても大丈夫。月曜日には先生に会うから、その時には確実に渡せるね」
ここ数日の疲れでまぶたが重い。
常夜灯をつけ、布団に潜り込み目を閉じる。
思い返されるのは、この数日間で起こった信じられない出来事。
普通の人が持っていない人知を超えた力。
それを目の当たりにした、力を持っていない自分。
薄暗い部屋の中で、これからのことを眠りにいざなわれながら考える。
品子達は、これからどうするのだろう。
例の店を見つけて、警察に連絡するのだろうか。
あんな不思議な力を相手に、警察だけでは逮捕は難しそうに思える。
では、彼ら自身が捕まえに行くのか。
しかしながら彼らの話を聞く限り、攻撃するというよりもサポートが主体に感じる。
「靭さんは『みる』って言ってたから、多分サポートだよね? そうなると先生は……、ってあれ?」
木津兄妹の能力の説明は受けたが、品子の力とはどんなものなのだろう。
彼女こそが、攻撃する力の持ち主だろうか。
昨日話してもらえなかったのは、自分にはまだ彼らからの信頼が足りていないからだ。
どうしたら、そうできるだろうとつぐみは考えていく。
「認めてもらえるように。私もあのお店を、探しに行ってみようかな?」
探すだけなら、品子達にも迷惑は掛からないはず。
もし見つけたら店に入らずに、すぐに彼らに連絡すればいい。
以前は何も考えずに探していたが、しっかりと観察すれば、新たな気づきがきっとあるはずだ。
「よし。明日、多木ノ駅に行ってみよう!」
やることが決まった今、明日のために早く寝るべきだ。
目を閉じたつぐみは、静かに願う。
――役に立てたら、いいな。
読んで頂きありがとうございます。
誤字脱字を教えて頂ける皆さま。
皆様のおかげで自分はこのお話を書けております。
ただただ、感謝です。




