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2通目 ダンジョン

俺は旅に出て数日後、ようやく新しい町に来た。

この町の近くはダンジョンがあるらしい。

父さんの話だと、ダンジョンに入るのには管理している冒険者ギルドに行って冒険者登録をしなければいけないらしい。ダンジョンに身元不明の盗賊などが住みかにして、冒険者を襲ったりしないようとか、冒険者同士で争いが起きた場合犯人を探しやすくするためということだ。そのため、いつ誰が何のためにダンジョンへ入ったか、こと細かく記録されるらしい。

嘘の目的だったり、ギルド登録を偽証したりすると、最悪死刑なのだそうだ。

この世界のダンジョンは気軽に潜ってレベルアップや宝探しができないようだ。

ま、説明の復習はこれで終わり。それではギルドだ!

15分ほど歩いてたどり着いたところにギルドの建物があった。

中に入り、受付で登録を行う。

身元証明がしっかりできる人間はスムーズに審査が通るらしい。犯罪歴なんかをギルドは調べるらしく、審査に2か月以上かかる場合もあるらしい。ラノベとかではすんなり誰でも冒険者になれる無法地帯のイメージがあったけれど、この世界はしっかりしているようだ。俺は父さんが申請してくれた住民記録があったので、すぐに冒険者証明書が発行された。



初めてのダンジョンいざゆかん。

食料と治療系の道具やトラップ対策の道具を買い準備ばっちりだ、と最初の一歩を踏み出した。

中は乾燥していて意外と快適な空間だった。空気の循環とかどうなっているんだろう。

広がる迷路を警戒しながら進んだ。

ダンジョンには人を食い殺す魔法生物が蔓延っている。

初心者はダンジョンにしか生息しない魔物の皮など生体素材を集め、魔法結晶っていう生活に欠かせないものを持ち帰るのだ。たまに死んでしまった冒険者の道具や金品を拾うこともある。


早速モンスターが俺の前に現れた。イノシシの魔物だ。

こんな狭い道での戦闘であれば突進をさせるのは簡単だと、壁にジャンプし華麗にかわした。再度突進しようとしてきた魔物の目の前にワープして驚かせ、そのまま脳天を短剣で突き刺した。

初魔物討伐達成!!

父に教えられた魔物解体を丁寧に作業した。素材はエルフのお姉さんからもらったマジックバッグに入れていく。

迷路を進んでいくと、次はゴブリン3体に出くわした。ここでもワープ魔法を駆使し、背後に回って一体ずつ倒していく。

基本的に死角や背後をを取る行動は視線や身体の向き、動作などで上下左右どこに行くか熟練者によまれることがあるが、ワープは俺の任意な場所に出きるので、そもそも視界が追えない。

ワープの存在が知られていないこの世界で俺の動きはめちゃくちゃ速いとしか思われないだろう。

困惑して動きが鈍いゴブリンたちはあっさり倒れた。

俺はワープの力でさくさく魔物を倒し、5階層に降りて今日はこれで終わろうと町に戻った。

もっと無双チート的に攻略できるかと思ったが、ダンジョンは広すぎて歩き疲れたのだ。


素材を商会ギルドに引き取ってもらい、安宿で身体を癒した。

ギルドの受付の人に教えてもらったが、20階層から魔物が格段と強くなって命を落とす冒険者も増えるという。

実際階層を降りていくと刃物だけじゃ倒しにくい敵がちらほら出てきたため、パーティーを組む必要性があると感じた。

家を出るまで両親に測ってもらった戦闘スキルは平均より少し上のセンスで、使える魔法系スキルは危険探知、追跡魔法、宝箱の中身などを確認できる透視だ。盗賊が使うようなスキルばっかりだった。

ダンジョンに潜るにはとてもいいスキルだが、己自身が弱いとダンジョンの奥に行けず使いどころが減る。

ギルドに行ってパーティーを組みたい人がいるかを尋ねてみるが、現在は募集がなかった。駆け出し冒険者は足手まといだから、中ランク以上のの冒険者パーティーは入れたがらないらしい。

勉強もできないとなると、新人冒険者を探したほうがいいかと気長に探すことにした。

1週間ほどダンジョンに繰り返し潜って到達階層を少しずつ伸ばしていたある日、ダンジョンで大けがを負い回復薬などすべてきれたパーティーに出会った。


「頼む!手持ちの回復薬全部売ってくれ!!」


と懇願され、道具を定価以上の値段で売った。

パーティーにはとても感謝され街に戻っていくのを見送った後、これだ!と思い、俺も街に戻り道具を大量に仕入た。

魔物が入ってこない休憩所で冒険者たちに仕入れ価格よりも少し上乗せした高すぎない値段で売った。階層が下にいけばいくほど、これが地味に繁盛した。

在庫が切れてもワープですぐ仕入れられる。それの繰り返し。

時には強い冒険者パーティーにはお金を貰わず、一緒について行って階層を降りることをしてワープの範囲を広げたりすることもできた。

自分のスキルのおかげで冒険者とも使えるぞと宣伝もした。もっと強いパーティーに勧誘してもらえるのを期待して。


今日もダンジョンにワープでいける一番下の階層へ飛んだ。


「一人だけど下見に降りてみるか。最悪ワープで逃げればいいし。」


装備を確認し、いつでも戦闘開始ができるよう短剣を握り階層を降りた。

今までの洞窟から一変。石でできた移籍のような風景に変わった。

ファンタジーな風景にワクワクしながら足を進める。


しばらく歩いていると、魔物が複数体何かを囲むように集まっていた。

良く観察すると、魔物の足元には人の手が見え、俺は女性が倒れていることに気づいた。

死んでいるのだろうか、ピクリとも動かない。こんな奥深くの階層でパーティーに置いていかれたのだろうか。しかし生きていたら…。


俺はワープで反対方向に物音をたて、魔物達を誘導し、真上から火薬瓶を落とした。

ダメージを受けて混乱している魔物を素早く斬り伏せた。

魔物の中に火属性の耐性があったものがいて、甲羅と固そうな鱗をもっていた。

そいつは俺にめがけて突進してきたが、壁ぎりぎりで待ってワープでよけると壁を破壊する勢いで止まった。

しかしダメージはさほど受けていないようで、勝てるかどうか不安が押し寄せてきた。装備品は短剣と火薬系の攻撃ポーション、回復薬などで、あの分厚い甲羅をどうにかできる魔法も道具もない。どうするかとマジックバッグの中をあさっていると、命が危なくなったら使いなさいと母からもらった呪いの札があった。

効力は何かわからないがワープで甲羅にそれを張り付けた。

するとみるみる甲羅が解けていき、体内まで届いたのか、魔物は絶命した。


「なんてものを持たせたんだよ母さん…」


母親を恐れながらも、すぐさま倒れている人に近づいて状態を確認した。

倒れていたのはプラチナ色の輝く髪に俺からしたらとてもかわいい顔をしている女性だった。まだ生きているとわかると俺は回復薬を女性に飲ませた。しかし怪我の具合がひどくこのままでは死んでしまうと思い、ワープの力を使って女性を協会が運営する医療施設へ運んだのだった。


医療施設での治療費は先払いで、かなりの金をとられてしまった。

人助けは簡単にしない方が身のためかもと素直に支払って協会から立ち去った。


・・・


「…ここは」


目が覚めると清潔なベッドの腕寝ていた。


「男の冒険者さんがダンジョンで倒れている貴方をここまで連れて来て下さったんですよ。お金も支払ってくださって、回復したら今度お礼をするべきですよ。」


私の包帯を替えてくれている治療師にことを教えてもらった。

私は助かったのか。


「それで、あなたの名前は?カルテを作るから」


「私の名前は――」


・・・


ギルドでダンジョンの素材を換金してもらい、依頼を受けようかと掲示板を眺めていたところ、後ろから声を掛けられた。


「お前か?ダンジョンの奥で回復薬やら道具を売っている奴っていうのは」


やば、本当は転売よくなかったのか!?とびくびくしながら振り返ると、質の良い装備をまとった5人組の冒険者パーティーだった。

そのリーダーっぽい剣士の奴が俺に続けて話しかけてきた。


「なあ、名前は?もしよかったら俺たちのパーティーに入ってサポートしてくれないか?」


パーティーのスカウトだ!俺は嬉しさを抑えながら確認事項を聞いた。

ランクが弱ければ意味がないのだ。


「あの、失礼ですが、貴方方のランクはいくつでしょうか?」


「うん?俺たちは先日Aランクに上がったばかりだ!」


Aランク!めちゃ高いじゃん。ここらへんでもBランクパーティーに上がれればかなりの実力者の集いなのだ。


「なんで俺が…まだランクEランクですよ?荷物持ちぐらいしかできません。」


「受付の人が新人なのにダンジョン階層24階まで行ったと聞いたぞ。期待のルーキーだって。それにダンジョンで困っている人を低価格で物を分け与えたり、時には人助けで無償でやったりと噂話聞いている。そんないいやつだからこそ声をかけたんだ」


おお、宣伝は上手くいっていたようだ。


「俺たちは50階層踏破したら新しい街のダンジョンへ挑もうと思っている。君がいればもっと楽に攻略できると考えてスカウトしている。どうだ?」


こんないい話はない。新しい街に行くのも賛成だ。断る必要はないと判断し受けることにした。


「わかりました、まずはお試しでよろしくお願いします!」


「ありがとう!俺はオーデンス。君は?」


「フェールです!」


俺たちは握手をして契約をした。

後で知ったが、なんと俺は勇者候補パーティーにスカウトされていたのだった!

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