血ぃすーたろかー37回目
空の旅でトーキン達はダウンしました。航空機はダメらしい。まぁ、初めて飛行機乗った時にヒヤヒヤしたもんね。
ノンナはモゴモゴと口を開こうとして俺の本気モードのハッキングには勝てなかった。絶対にハッキングなんかに負けない!ハッキングには勝てなかったよ……って奴だな。もう、顔芸やってるもの。
「さて、着いたぞ下等人種共。可及的速やかに降りろ」
降りろと外を指差す。全員ダッシュで外に出てゲーッとやった。やった。トーキンみたいな美人はゲロッぷしててもそそる者がある。おーよしよしと背中を擦りながら序にセクハラをしたい。
でも此処で吐かれてると話が進まないので指を鳴らして酔よ治れと治してやって周囲を取り囲んでる騎士団にラーキンと呼べと告げてからノンナを脇に抱えて王城に突入。
取り敢えず玉座をに案内しろと告げて玉座に向かう。
騎士団長が俺にどーぞどーぞと案内し、俺はその後に続く。玉座は俺の考えていた玉座と違って何か普通にショボかった。まぁ、良いや。座ってみよ。
「つ、ツェペシュ様!そ、其処はニャポン皇帝の席です!」
「案ずるな。私も北海道、エッゾだったか?
そこの皇帝と成った。貴様等下等人種共とも仲良くしてやる」
そうではなくてとやっているとラーキンが慌ただしく駆け込んできた。
「ツェペシュ殿!外のあれは何であるかな!?」
「黙れ、ラーキン。
100万の軍勢がこの日本に来るそうだ」
「ひゃ、百万?!」
俺はハーカーを見遣るとハーカーはテキパキとPDAを取り出して衛星画像をラーキン達に見せた。
「む、この旗、何処かで見たぞ……」
「え、ええ。
時折大量に難破船の破片と共に流れ来る旗です」
それ、タケミーがやったんや。スマンの。ゴミ掃除させてもーて。
「ソ連共だ。共産主義者の集まりで、貴族王族絶対殺すマン共だな。
我々も手助けしてやるから貴様も使者を出せ。取り敢えず、ファーストコンタクトを取って進軍を止めさせねばならん」
「う、うむ。
だが、誰が良いだろうか?」
知らんがな。
《私の推測では98%の確率で話し合いは拗れるでしょう。
100万の大軍を率いて敵国に到達しようとしている軍は基本的に話合が通用する物では有りません。特に赤軍と成れば党内部の粛清も関わり彼等を率いてる軍勢が撤退を容認する事は先ず無いでしょう。なので、此処は最後通告と脅しの為に通常弾頭を装填した大陸間弾道ミサイルによる威嚇を進言します》
「ミサイル撃ったら威嚇じゃないでしょ!?」
《大丈夫です。
撃墜しやすいように弾道と指定座標は公開します》
「ミサイル撃ったら戦争だよ!?」
開戦はたった一発のミサイルなんだよ!?誤射じゃすまないんだよ!
「兎に角、攻勢プロトコル通しての考えやめーや。
俺達は死なねーかもしれんけどラーキン軍死ぬぞ」
チラッとラーキンを見ると何喋ってるのか分からないから取り敢えず静観しよう、だけど出来れば私にも分かる言語で喋ってくれないかな~チラッチラッって感じの顔をしていた。
「取り敢えず、死んでも良い人材を出せ。
ただし、それなりに地位の高い奴だ」
「それならば、三女で宜しいでしょう。アレは我が一族の恥です」
其処にやって来たるは宰相。ラーキンの弟、ジョーキンだっけ?
「ふむ。そうだな。我が国からの使者は三女のアナーキンにする」
あのヒキニート、扱いが雑ぅ!死んでも良いって言われてるぅ!
あ、だからあいつ初登場で俺達の所に放り出されたのか。取り敢えず、此奴なら死んでもいい位の高い奴って感じで。
「それとラーキン」
「は、はい!」
「北海道を我等の国とする。
貴様等とは一蓮托生の盟友として安全保障条約を結び、不可侵条約も結ぼう。序に経済支援もしてやる。食糧事情が逼迫しているそうだな。貴様の国に食料をくれてやる。序に軍事同盟も結んで有事の際は我が国からも軍勢を出してやる。
序に我が国に貴様等の大使を置かせてやる。交渉事は基本其処を通して行うのだ。我が国からも大使を派遣する。どうだ?」
「えぇっと……
つまり、エッゾを寄越せ、と?」
「バカを言うな。
北海道は我々の物だ。貴様等下等人種が後からやって来て勝手にこの国の上に新しい国を作っただけ。北海道と一部の島は唯一我が国が国土として残っていたからそれらを取り纏めて我々の国として貴様等が実効支配し制圧している国をくれてやるという話だ」
「ま、待って欲しい!」
「我々にはこの本土に侵攻するだけの戦力と能力がある」
《北海道では常備戦力100万と即時投入可能な待機戦力が200万あります。
同時に国内に対して首都名古屋、経済中心地東京への照準は勿論、各大都市圏へのミサイル攻撃は常に整っており、後は合図が有れば15分後には各都市にミサイルが降り注ぎます。
本土侵攻作戦は3段階により別れており、沖縄、対馬と協同で大凡10日で侵攻が開始可能となり、本土全体の制圧には1ヶ月を想定しいます》
すげー、何いってんだ此奴?何でそんなの考えちゃったの?あれか?中二の頃に教室に突然テロリストが投入してきたら~みたいな考えの下で退屈な午後の授業を過ごしてたのか?
取り敢えず、何でこんな平々凡々な学校に銃火器で武装したテロリストが突入してくる理由とかお前が想像するレベルでお前の体は動かないぞ、とかそういう設定を無視した脳内カンフー映画を上映したのか?勿論、訳の分からない力に目覚める事もないし、右手も疼かない。
《これが爆撃予想ポイントと上陸予定ポイント、侵攻ルートです》
ハーカーがPDAで大都市へのミサイル攻撃予想図と上陸予定箇所及びそれらからの侵攻ルートをラーキンに見せた。
そして、止めとばかりに後はツェペシュ様のサインを待つだけですと告げるもんだからラーキンは勿論この場にいる閣僚全員顔真っ青。
「勿論、我々4人ではこの本土でクラスには些か広すぎる。
それに私は寛大だ。無益な殺生は好まない。貴様等にこの本土をくれてやるから貴様等が実効支配できていない場所を私達が支配する、と言っているのだ。
事実、北海道のデータを貴様にくれてやるし、そこで生産される食料もくれてやる。同時に、貴様等の不足している戦力も我が国と協同で補おうと言っているのだ。どうだ?」
脅しに近い形での国盗り物語!よくある話やね!クーデター起こしても良いのよ!とノンナが言うと流石にラーキン達は黙った。
「何、悪いようにはしない。
詳しい話は100万の軍勢をどうにかしてからだな。仮国家として認めておけ。100万の軍勢を相手に貴様等は太刀打ち出来ないだろう?」
ラーキンがああと頷くとヒキニートを連れた騎士がやって来た。
「アナーキン様を連れてまいりました」
「な、何ですか陛下」
寝ていたらしいアナーキンは目をしょぼしょぼさせながら俺達の前に。
「アナーキン。貴様、国のために死ね」
「はぁ?」
「100万の軍勢が海の向うに集まっている。
我々は最終通告をしに行くだけだ。死にはせん」
ラーキンが一筆書くのでそれを持って行けと告げ脇のテーブルに書き書きと何かを書きだした。10分程してそれを描き上げると封をしてアナーキンに差し出す。アナーキンは俺とノンナを前に滅茶苦茶小さくなっていたりする。
「これを敵の将軍に渡せ」
「文字や言葉が通じぬ可能性があるが?」
「渡したことが重要なのだ、ツェペシュ殿。
アナーキン。貴様は死んでもこれを渡せ」
「な、何故私なので!?」
「貴様がこの国で最も死んでも良い皇族だからだ。貴様が居なければトーキンに行かせていた」
まぁ、宰相、元帥、国立大学の大学長の内最も位が低いのは誰ですか?って聞いたら先ず間違いなく学園長だもんな。
「な、ならトーキン姉様に頼めば良いではないですか!」
「馬鹿者!トーキンは貴様よりも国の役に立っとるだろうが!
貴様は日がな一日自室に籠もり、惰眠を貪っては昼前に起きて何をするでもない下らん三文小説を読み耽り、それが皇族のする事か!」
死んでこい!とラーキンの見た事もない一喝にアナーキンは死んできます!と背筋を伸ばして即答し、ノンナが大爆笑をしていた。ギャグやってるにしか見えんもんな。
「まぁ、我々が居るのだ。怪我ぐらいはするだろうが死にはせん。
最も、貴様が死ねば私が仇を取ってやろう。なぁ?」
ノンナに言うとノンナも背負っていたスパイクハンマーを肩に担いで私に任せなさい!と鼻息荒く答えた。頼もしい事だ。
アナーキンはどーぞ無事にお家に返して下さいと頭を深々と下げた。
「では、行くとするか」
《大連までは大凡2時間半のフライトを予定しています》
「わかった。
九州の大陸側に兵を集めておけ。私の時代、対馬を通してその辺りから2度ほど敵軍が上陸を試みた」
元寇だな。
「元寇よ!」
ノンナがそう言うと何やら訳の分からん歌を歌い始めた。四百余州がどうのこのと。
呑気に歌をうたうノンナと小便漏らしますと言わんばかりに震えているアナーキンを引き連れてオスプレイに。ちなみに、オスプレイはV-22と言うVTOL機の名前だが、日本では可変翼タイプのVTOL機=オスプレイと言う愛称が定着しており、基本的にこの形の航空機は全てオスプレイ型とかオスプレイとか呼ばれている。
正式名称は68式可変翼機だとか。俺達が乗ってきたのとは別にもう一機、兵員数を減らし代わりに重装甲と武装化を施した近接航空支援用が駐機していた。機首部に25mmチェーンガンと脇のスタブウィングとかいう小さな翼にロケット弾やミサイルを積んでいる。操縦手と機銃手の他に5人乗せられるだけで後は機関砲の弾と燃料で構成されているそうな。
ノンナがベラベラと教えてくれた。
「な、何ですかこれ……」
「70式近接航空支援機よ!
さぁ、乗りなさい!」
ノンナが俺とアナーキンの背中をグイグイ押して中に押し込める。ハーカーも俺達と一緒に乗り込み、出発。
北海道から名古屋、名古屋から大連へと一気に飛んで行く事になった。24時間戦えますか?ってか?リゲイン持って来いよ。有給休暇を希望に戦ってやるからよ。黄色と黒が勇気の印だぞ。
「取り敢えず、敵の大将は?」
《100万の軍勢を率いているのはこの女達だと思われます》
ハーカーの差し出したPDAに写し出されているのは金髪碧眼の白人様だ。年齢は20代程の女でアナルが弱点そうな女騎士だった。オーク相手にくっ殺せって言う役。オーク役はノンナで、くっ殺せって言った瞬間に頭からスパイクハンマーを叩き付けられるパターンですわ。
「此奴が大将か?」
《正確に言えば複数人居る中の一人です。
他にこの4名が指揮を取っている様です》
ハーカーがPDAを操作してくっ殺女騎士を含めた4人の男女を映し出した。オッサンと兄ちゃん、ロリと女騎士の4人で、それぞれ一等派手な衣装を纏っていた。エクスカリバーとか打ち出しそう。多分。
「わ、私はこの4人に親書を渡せば良いんですか?」
《そうですね。
流石にこの数でモスクワまで乗り込むのは悪手です》
そらそうよ。燃料も持たないだろうし。
しかし、ヘルシングが入れたのだろう会話パッチはもうロボットも会話が出来るのか。スゲーな。
「アナーキン。貴様は私の後ろに隠れていろ。
どうせ、貴様は糞の役にも立たんだろう?」
「ま、魔術なら少しは出来ます!」
「指を鳴らせば大地を割り、炎を吹き出すほどの魔術か?」
「い、いえ……流石にそれは……」
「ならそんな物何の自慢にもならんわ」
「すいません……」
さて、敵の情報を集めるのが先決だ。
「他にどんな情報がある?」
《そうですね。敵の軍勢を100万として内20万が重装騎兵、40万が歩兵で内10万が弓兵でしょう。残り30万は不明です》
「不明?」
《はい。攻城兵器を持っている訳でもなければ、槍や弓といった武器を持っている訳でも有りません。
一応、剣を提げている者も居ますが、歩兵に比べて防具や装備も貧弱です》
画像を見せろと告げるとハーカーがPDAでその不明の部隊30万を俺達に見せた。其処には真っ赤なローブを纏い大きな杖を持ったり手ぶらだったりする者達が映しだされていた。
「こ、これ魔術師部隊です。
大きな杖を持っている人達は弓兵と一緒で後方で大掛かりな攻撃魔術を行い、剣を持っている人達は歩兵に混じって前線で直接的な攻撃魔術を行うんです」
「つまり砲兵部隊と歩兵砲部隊って事ね!」
ノンナがムフーンと鼻を膨らませて告げる。砲兵部隊はわかるが歩兵砲ってなんやねん。
《歩兵砲とは砲兵科が運用せず歩兵科によって運用される駐退複座機を有する大砲を指すのが一般的です。
広義では迫撃砲等も入りますが狭義では駐退複座機を有しない場合は歩兵砲とは言わず迫撃砲、グレネードランチャー等と呼ばれます。
歩兵砲の任務は基本的に歩兵と共に前進し、敵のトーチカや機関銃陣地、戦車等を攻撃するのに使用されます》
なので主に榴弾砲で、対戦車に特化した物を特に対戦車砲と呼ぶそうな。
現在、と言うか第二次世界大戦が終わる頃になると歩兵にも強力な個人運用可能な対戦車火器が出て来たので第二次世界大戦後には無くなったそうな。簡単にいえばロケットランチャーが無い時代のロケットランチャー代わりの存在だったってことだな。
「それは厄介なのか?」
「厄介ですよ!
槍より長い射程、弓よりも速い攻撃、そして魔術の威力があるんですから!そ、そんなのが30万……
絵を見ると配分としては支援魔術師が20万、前線魔術師が10万でしょうか?」
「ほぉ、貴様、引き篭もりの糞にしては随分と詳しいな」
「え、ええ、一応、伝奇小説とか戦記小説大好きなんで軍事系の本も読んでました……」
暇人は時間だけは大量にあるからな。




