血ぃすーたろかー36回目
取り敢えず、北海道国、建!国!
「で、誰が国王やるん?」
「ツェペシュさんで良いんじゃ無いですか?」
「私は国防大臣兼大将よ!」
ノンナの野郎、独自でハッキング解いて喋りやがった!?
まぁ、良いや。
「分かった分かった。もう、将軍だろうが元帥だろうが何でもくれてやるよ。
政治体系は民主主義でいいよな。立憲君主主義。君臨せずとも統治せずって奴」
「イギリスでしたっけ?
ロイヤルファミリー」
ストーカーがえーっと告げると武御雷がそうですねと頷いた。
「取り敢えず、トーキン達と合流しよう。
彼奴等死刑執行前の死刑囚宜しくガクブル状態だと思う」
なんせ、知らない部屋で放置されてるんだからな。しかも、部屋には機械歩兵が鎮座しており銃を片手にズッとトーキン達を見ているんだ。よっぽど変なことをしなければ発砲されないので多分、部屋の中央にあったテーブルに全員が並んで座ってると思う。
《私はどうすれば良いでしょうか?》
「ヘルシングの手伝いでもしてろ。
俺はコンピューターは専門外だ」
《天城博士の事ですね?了解致しました。
何か困ったことが有れば機械歩兵に言って下さい。この函館要塞に居る全ての機械歩兵は私と通じています》
ほーん。便利やのぉ。
「じゃ、行くから案内し給え」
機械歩兵の後を付いて元の部屋に向かった。
部屋の中では案の定調査隊が椅子に座って一切の会話もなくただただ大人しくしているというシュールな光景が繰り広げられていた。
「待たせたな」
「ツェペシュ様!
それで、我々はどうすれば良いのでしょうか?」
「うむ。
我々は最後の日本人としてこの北海道を国とする。国王は俺、軍事はノンナと戦闘AI武御雷。内閣官房長官はストーカーで文部科学大臣はヘルシングだ」
「官房長官って何するんですか?」
……知らん。
「元号発表したり遺憾の意を発表したりする人じゃね?」
《官房長官ノ役職ハ総理大臣ヲ補佐スル立場デス》
「へ~
でも、俺は国王だからストーカー君総理大臣兼任してよ」
「えぇ!?
僕、政治なんて分かりませんよ!」
「大丈夫大丈夫。
国民4人しか居ないから政治もクソも無いから」
外交とかぶっちゃけお互いに何もしなけりゃ良いでしょ。ラーキンとは良いお友達でいましょーね~って奴だ。
「あ、あの、ツェペシュ様?
このエッゾを領土とするのですか?」
「うむ。
その通り。この地、この場所を国とし、日本国とする」
「大日本帝国にしましょうよ!」
ノンナがそんな事を言いだした。
「止せよ、大日本帝国は滅びただろうが。
つーか、大とか帝国付けると最終的に衰退したり滅びるだろうが」
「カッコいいじゃない!」
「日本国で良いのです。
文句言うと将軍を罷免するぞ」
「クーデター起こすわよ!」
「脳みそギリギリの刑」
ノンナの頭をベチンと杖で叩くとノンナがノォォォっと絶叫しながら頭を抑えてその場に蹲った。
おぉ、出来た。
「5分間それね」
「いぎゃぁぁ!?
ひ、卑怯よ!ずるいわ!」
ハッハッハ、悔しかったら解除してみよハッハッハ!
「取り敢えず、貴様等は何をしたい?欲しい情報をやろう」
それから広さや作物等の情報を寄越せという。そう言えば、この地で作った野菜とかにナノマシンは入ってるんだろうか?
聞いてみると、食品の品質保持の為に人体に無害なナノマシンを云々かんぬんだった。
「500万人分の食料を生産可能!
食糧問題を一気に解決出来ますよ!」
「貴様等の国は食料が乏しいのか?」
何でもこれまでも幾度と無く飢餓が襲い、度々食料自給率の低さが問題に成っているらしい。その為、領地拡大のために北海道へ進出を狙っていたそうだ。勿論、幾度と無く失敗をしていたからな。
有り余っている食料を売ってやれば良いだろう。まぁ、適正価格で売ると絶対変えないから不可侵条約で手を打てばよいか。後でヘルシングに意見を求めよう。
「ヘルシングにも話しておこう。
一応、文部科学大臣兼農林水産大臣だし」
「あれ!?ヘルシングさんの称号増えてますよ!」
「うん。増やした。
忘れてた」
よくしらんけど。知らんけど。
《まぁ、総理大臣だろうが国王だろうが正直全ての管理は私が一括しているので実質書類上の存在でしか有りませんがね》
スピーカーから武御雷の声が流れてきた。それを言っちゃーお終いだいおとっつあん。
「つーか、ヘルシングさんロボット開発すると言ってたけどどんなロボット作る気なんだろ?」
《あの、付かぬ事をお伺いするのですが、何故南城様や北上様をヘルシングやストーカー等と呼んでいるのですか?》
「俺が起きた時、此奴等の名前知らなくてアダ名をつけたんだ。で、そのままそのアダ名で呼んでるだけだ」
《成る程》
取り敢えず、全員の今の名前を教えてやった。
《私にも名前を付けて下さい》
「はぁ?
武御雷じゃ嫌なのか?」
《私も新しい門出に新しい名前を欲しいのです》
「う~ん……」
ミナ・ハーカー?
「お前の性別は?」
《機械に性別はあるので?》
「お前は男と女どっちになりたい」
《……難し異質問です。
無性生物という選択肢はないのでしょうか?》
ナメクジとかか?
「ナメクジ?」
《もっと高尚な生物が良いです。
それより、名前です》
「ミナ・ハーカーは?
ミナ“タケミカヅチ”ハーカー」
《と、なると苗字はハーカーですか?
良いですね。それで性別は?》
「ナメクジ」
脇に居た機械歩兵が俺の肩をど突いて来た。
もう、ヘルシングに聞けよ。
《む、大陸に動きがありますね》
「動き?」
《ええ、中華人民共和国に100万規模の軍勢が移動しているのです。
此方をどうぞ》
そう言って部屋には大きなモニターが降りて来る。トーキン達が驚いた様子で立ち上がる。俺も降りて来たモニターには何やら赤い旗を掲げた騎馬隊や歩兵が隊列を作って歩いているではないか。
《位置的には遼寧省の大連です》
「知らん」
此処ですと中国の地図が出され大凡北朝鮮との国境だった。
遼寧省大連ねぇ……名前しか知らんかったわ。へー此処にあるんだ。
「ちょっと!この旗!!」
ノンナがモニターに映った赤い旗を指差す。旗は赤地で鎌とハンマーが描かれСССРと描いてある。
「シーシーシーピー?」
「違うわよ!
アレはСССРよ!英語表記だとUSSR!ソビエト社会主義共和国連邦の略称よ!とんでもない奴等だわ!共産主義者よ!皆殺しよ!」
ノンナが戦争よ!と叫びながら何処かに走って行ってしまった。別の機械歩兵がその後を慌てて追いかけて行く。戦争よ、じゃねーよ。
「ん?待てよ、ソビエト社会主義共和国連邦ってソ連って奴だろ!
つまり、連中は少なくとも俺達の時代の知識や技術があるんじゃないのか!?」
《詳細は不明ですが少なくとも技術はないかと。
彼等が毎回北海道に上陸しようと木造船の大艦隊を差し向けてきていましたし》
オィィィ!?何やってんのさ!?
「じゃ、じゃあ、お前、奴等は絶対この地に攻めてきてるんじゃねーか!?」
《ですので毎度毎度ミサイルで全艦海に沈めています。
安心して下さい、今の所私が取り逃がした船は一隻たりとも有りませんから》
安心できねぇ!?
《それに、今回はルートが違うので多分、北海道には来ません。対馬経由で上陸を目論んでいるのでは?》
「対馬上陸できるん?」
《安心して下さい、朝鮮半島の主要な港には既にミサイルがロックされています》
「やめーや!
ラーキンにお知らせして、進軍理由を聞いてから穏便に話し合いで解決するべきだろうが!戦争は政治の最終手段なんだぞ!」
《クラウゼヴィッツや孫氏ですね。
確かに、このまま戦争をするにしても情報が足りません。私は戦闘AIなので戦闘を第一定義として捉え、如何に損害を無くすかと言うプロトコルを通しての提案をしています。
最悪の時は任せて下さい》
私が貴方の盾であり矛であり軍師ですと実に頼もしいお言葉を賜った所で俺はトーキン達を見る。
「さっきの今で恐縮だが、帝都に帰るぞ。
ソ連が攻めて来た。然るべき外交手段を通じて連中と話し合いをし、軍勢を止めねば大勢が死ぬだろう」
話の事態についていけていなトーキン達に掻い摘んだ事態を説明してやる。話を聞いたトーキン達の表情はみるみる青褪めて行き100万の軍勢と言う単語に一部の教授はオシマイだぁ~と桃ちゃんみたいな事を言い出した。
柚ちゃんは居ないのだ。
「我が国が貴様等下等人種共の国に同盟を結び同盟軍と成ってやろう。
ストーカー、お前はヘルシングの助手に付け。そして、可及的速やかに武御雷、否、ハーカーのボディーを完成させろ。私はノンナと今のデータを持って帝都に戻る。
ハーカー、貴様は遠距離通信用の通信機と帝都まで一刻もはやく帰れる足を用意しろ」
《それならばオスプレイがあります。
30分で準備ができます》
「頼む」
オスプレイ、かれこれ200年ほど使われているVTOL機の決定版だ。戦闘ヘリがUAVに変わって失ったのに対してオスプレイの痒いところに手が届く速度と移動距離が今では当たり前になった。
空飛ぶ兵員輸送車とも言われるオスプレイは自衛隊でも陸海空の三軍で仕様が違えど採用しているほどである。まぁ、戦闘ヘリが無くなっただけで普通に輸送ヘリとか救難ヘリとかそう言うのは残ってるらしい。この前(約3000年前)、此処が凄いよ自衛隊みたいな番組でやってたのを鼻くそほじくりんぐしながらホーンと見ていた。
「やれやれ。
ラーキンはどうする気だ?」
脇においてある自販機からコーラを選択。ガコンと降りて来た。飲めるん?
恐る恐る手に取ると普通に冷たい。開けてみるとプシュッとコーラの良いかほりがした。美味しそうでそうらう。
まずは一口。
「おぉ!コーラじゃ!おコーラ様じゃ!」
そのまま二口三口と飲んでいき、ゲップ!
「う~ん、マンダム……」
「何がマンダムですの、汚らしい」
其処にヘルシングが戻って来た。何処から持って来たのかご丁寧に白衣まで纏って何やら眼鏡を掛けていた。メガネ美人ですわ。
「取り敢えず、俺とノンナでラーキンにどうするか聞いてくるからお前はハーカーの体を作ってくれ」
「89式戦闘機械歩兵の頭部を改造してプロトタイプを急拵えですが作りましたわ。
現在、それに武御雷のAIデータをコピーしているのでそれを連れて行って下さいまし」
「よく分からんけど、分かった。
30分程で準備が完了するって話だが、そっちは?」
「5分ですわね。
それと、ノンナさんは?」
「戦争よ!とか叫んでどっかに走って行ったからもうそろそろ機械歩兵が連れて帰って来ると思う」
耳を澄ませると何するのよ!と言うノンナの声が聞こえてきた。声でかいねんて、君。そして、扉が開くとノンナを担いだ機械歩兵がやって戻って来た。心なしか、全体的にフレームが歪んでいるような気がする。
「殴られた?」
《肯定です》
機械歩兵を凹ませたノンナを叱るべきか、ノンナの打撃に耐えた機械歩兵を賞賛するべきか……
「まぁ、良いや。
ノンナ。帝都に戻って最終通告出しに行くぞ」
「最終通告!良いわね!
真珠湾じゃ遅れたけど今度は遅れないわよ!!アホな外務省は居ない!」
やったるわ!とスパイクハンマーを担いで再び外に出ていこうとしたので杖で頭をポカリとやって金縛りジツを掛けてやった。ちょっとの間ぐらいジッとしてろ。
「お前、大将だか元帥目指すんならもっとジッとしてろ。思慮深く慎重に計画を立て、大胆に行動しろよ」
知らんけど。
「むぅ……そうね。お爺ちゃんにも少し落ち着きなさいって言われたわ!」
「おう。そうだ。お前がジッとしてる時は寝てる時と飯食ってる時だけだ」
赤ん坊か。いや、赤ん坊の方がマシだ。行動圏内がノンナの10分の1以下だもの。
「よーし、お前。
喋るなよ。絶対に」
「何でよ!」
「お前、難しい言葉話せないし言えないだろう」
「言えるわよ!」
「そうか。
ならならこれを読み上げてみろ」
データの中から取り敢えず、聯合艦隊解散之辞を送ってやり読ませてみる。
「……に、二十か月にわたった戦いも、すでに過去のこととなり……えっと、わ、我が連合艦隊は今其の任務を果たしてここに解散することとなった。これ聯合艦隊解散之辞じゃない!」
あ、知ってた。
「知ってたのか。
じゃあ読めるな!」
「海軍は敵よ!」
「ギルティ」
パコンと杖で叩きお口チャックだ。其処に機械歩兵がやって来た。
《準備ガ整イマシタ》
「よし行くぞ」
吉幾三。
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登場人物
・おコーラ様
アメリカ人によるアメリカ人のためのお子様ビール
サンタ=赤くのイメージを作ったのは此処の会社
デブの素
・ミナ“タケミカヅチ”ハーカー
武御雷を試製改良型89式戦闘機械歩兵に搭載したバージョン
私が死んでも代わりはいるもの的な奴
ただし、記憶は失われない
こんな時どんな表情して良いのか分からないの前に表情が無い
右手の内蔵式ガツトリングゴンは男のロマン




