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5 腐女子、ダンジョンに潜る

カールブの町を出た一行は伝説の武具があるという遺跡を探索します。

カールブの町から半日歩くと大きな湖が見え、湖の手前に巨大な石が規則的に配置された遺跡が現れた。

これが緑嶺りょくれいの地下墓所だ。

ここは遠い昔、魔王を倒した勇者の墓であるという。

その墓には勇者の使った武具も眠っているという伝承があるが、未だに見つかっていない。

町から近く、強い魔物もいないので冒険者や盗賊に荒らされ、めぼしいものは残っていないはずだ|が、リウの話によると、内部に隠し通路がありその先に武具があるという。

ただの魔導士のリウがなぜそのことを知っているかは不明だが、妙に詳しいようだ。


遺跡の入り口は青色の小さな花の花畑になっていた。

「ユリウス様、気を付けてください!それは近づくと眠りの花粉を出す『微睡まどろみの花』です!!」

ケインがそう叫ぶと、花粉が噴出する時に素早く隣にいたジェイドがユリウスを抱き寄せる。

「良かった、間に合って。」

ジェイドはユリウスを抱きしめたまま離さない。

「暑苦しいな、早く手をどけろ。」

「ユリウス様、ちゃんと足元を見て歩いてくださいね?それか私がお姫様のように抱きかかえましょうか?」

「いらん。早く行くぞ。」

ユリウスはジェイドの手を払いのけ、ズンズン墓所の入り口に向かって歩いていく。

私はふたりをうっとりと見つめ、フードで顔が隠れていて本当に良かったと思うのであった。


入り口の石像の間を通り、地下へと降りていく。

中は暗くてこのままでは進むことができない。

リウが呪文を発すると、石壁に設置された照明がぽうっと明るくなり内部まで見通す事が出来た。

墓所の中は石造りの典型的な遺跡のようだった。

魔物とエンカウントすることもあったが、私たちの敵ではなかった。


順調に進み、地下3階へ続く薄暗い階段を下りる。

そのまま先に進むと広い空間にたどり着いた。

そこは石造りではなく、湿った土と奇妙な発光植物に覆われている。

「空気が重いな。初心者用のダンジョンにしては魔力の密度が高すぎる……。」

ユリウスが眉をしかめる。ジェイドは即座に剣を構え、ユリウスの前に立つ。

「この部屋に何か仕掛けがあったはずなんだけど……。うーん忘れちゃったな。」

リウは皆から離れて一番奥の壁に近づき、青白く光る苔が生えた表面をじっと見つめる。

「先生、足元がぬかるんでいます。気を付けてください。」

ケインが心配そうに見守る。

植物学者見習いの彼はこの場所の生態系に興味があるはずだが、それ以上にリウの安全が最優先らしい。

「大丈夫だよケイン、それより……。」

リウが言葉を発したその時だった。

ボトッ

天井から半透明で緑がかった巨大な粘液の塊がリウの真上に落ちてきた。

「先生!!」

ケインが悲鳴のように叫ぶ。

リウが魔法を唱えるよりも早く、触手スライムは彼の体にまとわりつく。

(キターーー!!ダンジョンの定番、触手スライム!しかも標的はリウ先生!?)

ユリウスの方を見ると植物系の魔物が現れ応戦しており、リウを助けることは出来なさそうだ。

(これはリウとケインをイチャつかせるチャンスかも!!)

私は()スキルを発動させる。

「このスライムは魔力を感知して魔力の高い人間を優先的に狙うタイプみたいです。核を破壊しないと倒せません。でもあの粘液が邪魔をして、かなり強力な攻撃でないと核を破壊できないでしょう。」

ケインに伝える。

そうするうちに触手はリウの衣服の下に潜り込み、彼の華奢な肢体を拘束する。

「……っ、魔法が……。」

リウの顔が苦悶にゆがむ。スライムはその触手からリウの魔力を吸収しているようだ。

触手はリウの首筋、手首、そして太ももに絡みつき、じわじわと締め付ける。半透明の粘液が、リウの白い肌を這い、衣服を濡らして透けさせていく。

「先生に触れるなァァ!!」

ケインが咆哮した。普段の穏やかな彼からは想像もつかない、獣のような声。

そうすると右腕がみるみる太くなり爪が鋭く伸びていく。そして唸り声をあげながらスライムに向かって突進した。

「ケイン、待て! 下手に攻撃すればリウも……!」

ジェイドの制止も耳に入らない。ケインはスライムの本体に拳を叩き込んだ。


ドォォォン!!


ケインの一撃は、スライムの核を捉えた。スライムは悲鳴のような音を立てて弾け飛び、霧散した魔力と共に消え去った。

拘束から解き放たれたリウの体が、地面に崩れ落ちる。

ケインはすぐさま駆け寄り、リウの体を抱きかかえた。

「先生! 先生、大丈夫ですか!? ごめんなさい、僕がもっと注意していれば……!」

ケインの声は震えている。リウの衣服は粘液でボロボロになり、肌には触手の跡が赤く残っていた。

リウは荒い息を吐きながら、ケインを見上げた。

彼の瞳は少し潤み、熱を帯びているように見える。

「助けてくれて…ありがとう。君のことをずっと小さな子供だと思っていたけど、もうこんなに強くなっていたんだね。」

ケインは震えながらはリウの体をぎゅっと包み込んだ。

二人のそばにいた私は心のシャッターを何回も押していた。

主人公モエのジョブは忍者に近いような気がします。

たまに存在を作者も忘れているけど、それだけ隠密のスキルを使っているということなのでしょう。

ケラ(^∀^)ケラ



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