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坂本梧朗詩集  作者: 坂本梧朗
Ⅲ 第三詩集『Recall Buddha』       1990年刊
52/133

その5 灯火

闇に包まれた

帰着の駅に降りると

ぼくは漂泊者のように

ベンチに腰かけ

缶ビールを飲んだ


頭は

重く疼いていた


自転車の

サドルの上の高さで

闇を泳ぐ

小さな灯火が

不安定に

左右に流れる


橋にさしかかり

水銀灯の銀粉が

体を包んだとき

ぼくは

ふわ と浮きあがった

〈今が永遠(とわ)であれ〉

ぼくは目を閉じた


朝がくれば

ぼくはまた電車に乗るだろう

異郷を走る電車

ぼくは着くだろう

荒野に置かれた机に


放擲された者

故郷はどこだったのか


そして

あの慕わしい

心嬉しい場所は


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