ウェポン・オブ・ロマンチック(1)
突発的に思いついたネタを『Twitter』上で掲載していたモノです。
『重機兵少女 ホラィ・ト・スフィ』
「ウェポン・オブ・ロマンチック」
(あらすじ)いつの時代からかも忘れるほど、人類の敵<バーピック>との戦いは今も続いている。そんな中でも、人類と少女達、人工生命体『ファミネイ』は生きる為に戦ったり、いつもでも楽しい事で遊んだりしている。そんな世界での一幕である。
格納庫の一角でレモアはエンジニア達を集めて何か話していた。カレンはそんな珍しい光景に何を話しているのか、聞いてみた。
「いや、私は高機動性を得意としているけれど、いまいち生かしきれていないのよ」
質問に答えていながら、唐突な答えでカレンは困惑している。別にそんなカレンに気にすることなく、レモアは話を続ける。
「接近と射撃を両立した武器があれば、この個性を生かせるのではないかと今、考えているのよ」
「難しい話ではないのですが……」
そこでエンジニアの一人が語る。そう語るように接近、射撃を両立した武器は古来より作られてきた。ただ、それらの多くは駄作として世に残る結果となっているのだが。
「じゃ、銃剣の要領でくい打ち機やチェンソーを銃器に付けるのはどう」
「ただ、それらは密着が必要となりますので、いささか高機動という特性で生かすにしても、反撃のリスクが高く、戦法としてはヒットアンドアウェイをベースに考えるべきでは」
人類の敵、バーピック。強固な装甲に守られた機械であり、知性体である。ただ、行動には奇行が目立ちながら、人類を滅ぼすに十分すぎる力を持つ。それでも、人類が滅亡していないのは奇行に助けられているという皮肉である。
そんな人類の敵と戦うのは我らが『ファミネイ』。巨大な武器を手にして、機動力を駆使して戦う。
「このアイデアには光学兵器ベースにした方がいいですね」
ここ長らく人類の兵器かつ日常にも使われるレーザーのことを主に指す。射撃武器だけでなく、接近時にも装甲を焼き切るための工具かつ武器としても使われる。
「ただ、そうなるとメリットがない」
レーザーはエネルギーが減衰するにしても、その威力は有効範囲内であれば距離で大きく変わることはない。つまり、接近など考えず無難に距離を置いて撃つのが正しいことになってしまう。
元より取り回し重視の接近用のレーザー兵器では小型で威力もそれなりである。あくまで副兵装の位置づけ。威力を上げるのに大きくすることで対応は可能だが、そうなると射撃武器として運用するのが正解という話になってしまう。
「後はビームにする手もありますが、こっちは射撃は期待ができなくなりますね」
こちらも光学兵器には属するが、荷電粒子を打ち出す方式。高出力な武器である反面、減衰しやすく長距離で使えず、エネルギー消費も激しく乱発もできない。
デメリットはそれだけでなく、ビームはバーピックに対して効果が期待できない。バーピックは装甲だけでなく、特殊な力場で一定以上の攻撃は無効化してしまう。ビームは高出力なため、これに引っかかってしまう。
接近戦ではその力場の影響は軽減する。ビームは接近を主とした武器で開発もされていたが、エネルギーの消費量や有効的な運用ができなかったことから今では開発はされていない。
実際、接近武器では重量にモノをいわせた巨大なモノや連射のきく実弾での短機関銃などが使われている。どちらもエネルギーの消費はいらないモノである。それは機動力はかなりのエネルギー消費するので、その対策でもある。
遠近両用の武器は、古来より考えられたことだけにアイデアとしてはいろいろと浮かぶのだが、実現をさせようとすると難しい。
「逆に接近武器に射撃武器を付けたらどうですか」
「それなら、副兵装で別に持った方が無難ね」
現在でも接近戦を担当とするファイターの多くは巨大な接近武器と小火器を持って運用している。
「あくまで高機動という特性を生かすには、距離がある所から、機動力で詰める懐に入り込む強襲スタイルが理想」
レモアは高々に語るが、カレンにとっては機動力を駆使する戦法は得意でないためいろいろと理解し難い部分がある。
そもそも、両立などしなくとも副兵装の持ち替えでも十分で、近距離での射撃でも命中率の向上になるため、それも火力の向上では間違ってはいない。
ただ、ネタに尽きない考えだからこそエンジニア達もノリ気なのである。
ファミネイ、少女達は楽しいことが好きなのだから。
「大事なことを忘れていた」
レモアはふと思い出したことを口にした。
「ところで武器の名前を何にする」
まだ、コンセプトも決まってないのにそう言い出したが、エンジニア達もそれに同感していた。




