第33話▷The lowest level
最近自分で原典読み返したんすけど
あれ、面白いっすね(手前味噌w)
強敵、そして難敵であったデュラハンを下し、私たち4人は女神像の力で次の階層へ赴いた。
先ほどの戦いを思うと、正直言ってあの首なし騎士はとんでもないレベルの強さだったと思う。
私ひとりなら致命的ダメージは受けないものの、決定打が撃てずに相当難儀したことだろう。
どちらが先に倒れるかの長期戦覚悟なら単騎でも勝てたのだろうか。
と、まぁ、終わったことを考えても仕方ない。
今は余計なことを考えずに、とにかくこの聖廟の先に進むだけだ。
「…………。なんか、雰囲気違うな。」
「そうね……。今まで以上に神聖な空気だわ。」
たどり着いた第5層を見て、兄さまと姉さまが声をあげた。
確かに言われた通り、今まで以上に神聖な雰囲気に満ちあふれている気がする。
回廊も一本道で、左右に等間隔で設置されている白い大理石の燭台にも蒼い炎が灯されている。
「アリサさま……」
「どうやらゴールは近いかもしれないな。」
スーリアに左腕を掴まれながら、私は先頭を切って歩き出した。
「おいアリサ、気をつけろよ!?」
「探索した限り、ここも魔物の気配はないようね。
でも油断は禁物だからね、アリサ。」
「ありがとうございます。気を付けます。」
兄さま姉さまも先頭を歩く私を気遣ってくれている。
しかし私は岩のごとき頑強さを誇る聖騎士だ。
多少のトラップや不意打ちなどきっとものともしないだろう。
と、警戒を緩めず歩を進めた私だったが、あっけなく一直線の回廊の終着点、突き当たりの扉がある大広間までたどり着いた。
この大広間は天井も高く、壁も柱も細かく豪華な装飾が施されており、明らかに今までの中ボスの部屋とは一線を画していた。
「もしかして、ここが最奥か?」
「雰囲気からするとそんな感じね。」
私の後ろを寄り添いながら着いてきた兄姉が前に出てきた。
「みんな、体力魔力気力はどうだ?
心許なかったらポーションで回復してくれ。」
「わたくしはデュラハン戦の後に飲んだから大丈夫。」
「兄上、私も問題ない。」
「わたくしも万全ですわ。」
兄さまの確認に一同万全と答える。
―――よし。
「では、行きます。」
私はみんなの先陣を切ろうと扉に手を伸ばそうとしたその時―――――
『試練を受けし者たちよ、よくたどり着いた。』
おごそかで威厳のある声が響いてきた。
「えっ?えっ?」
「みんな落ち着いて構えろ!」
私を含めた皆が一斉に警戒レベルを引き上げた。
そんな私たちの前に、おぼろげに豪華な法衣に身を包んだ老人の姿が浮かんできた。
『私はノネミア正教第6代教皇リスタール。
汝らの足跡を称え、
我が試練に挑む権利を与える。
聖職・神職の者のみこの扉をくぐるが良い。
そこで汝らの心と精神とその正義を
測らせてもらうとしよう。』
この聖廟はその名の通り、叡霊が眠る場所であったということか。
その叡霊が私たちの神聖力を試そうということなのだろう。
「聖職か神職っつーことは、
アリサとジュリエスしか入れねーってことか。
とりまジュリエス、しっかりな!」
「アリサさま、どうかお気をつけくださいまし……。」
入室する資格がないであろう、エリオネア兄さまとスーリアが私たちに声援を送ってきた。
「あぁ。姉上は私が命にかえても護る。」
「アリサが一緒ならなんの心配もいらないわね!
んじゃ行ってくるわねエリオネア!」
2人に答えた私と姉さまで同時に扉に手をかけた。
ギィィ……
ゆっくりと両開きの白い扉が音を立てて開かれる。
―――しかし、、、
『汝は聖職ではない! 立ち去れ!!』
「!!!???」
姉さまに続いて入室しようとしたその時、怒気を孕んだ声とともに私だけ入室を拒まれ吹っ飛ばされた。
ズシャァァア
白亜の扉は姉さまだけを飲み込み、再び固く閉ざされた。
「アリサさまっ!」
「おいアリサ、大丈夫かっ!!?」
倒れ込む私にスーリアと兄さまが駆け寄ってくれた。
「……やはり聖騎士は厳密には
聖職ではなかったか…………。」
流れで私も入室出来るつもりでいたが、やはりライル総司教の初めの見立てが正しかったのだろう。
「……って、おい! てことは、あん中にゃ今
ジュリエスがひとりじゃねーかっ!!!」
突然血相を変えたエリオネア兄さまが固く閉ざされた白亜の大扉に駆け寄り何度も拳で叩いた。
「……姉上………………。」
扉の外に取り残されてしまった私たちには、姉さまの無事を祈ることしか出来なかった。
ついに聖廟の一番奥まで到着しました。
ですがこの先の展開、大掛かりにけっこう迷ってるので
少しお時間頂くかもしれないですすみません。
タイトル和訳「最下層」
(2026/10/25)




