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生きづらいあなたへ  作者: こたつむ


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3/3

這い上がれない

 単発バイトに参加していたその女性は、一人暮らし、普段はスーパーでパート勤め、フルタイムで働きたいと願っているが、社会保険がかからない程度でしか、働かせてもらえないという。

 スーパーの短時間バイトでは、ひと月10万にも満たない。

「フルの仕事を探さないんですか?」

「中卒だから、どこも雇ってくれないんです。」

「だったら、職業訓練を受けて、何か資格を取るとか?」

「仕事しないと暮らしていけないから、職業訓練とか受けるのも難しいかな。」

 彼女には、頼れる親もいなかった。

 家族に頼ることも出来ず、生きるだけで精一杯、わずかな収入がまさに命綱。

 状況を改善するために学ぶ余裕もない。

 彼女は、この先もお金の不安を抱えながら生きていくのだろうか。

 ペットボトル1本の贅沢も許されない生活を死ぬまで送るのだろうか。

 

 世の中には、簡単に福祉の恩恵を受けようとする者がいるのに、彼女はそれを選ばない。

 彼女は自分が、そこまで困窮していないと思っている。


 私は、簡単に仕事を辞めることができる。

 少しは貯金に回せるほどの給料をもらえる立場にあるからだ。

 贅沢を言わなければ、正社員での仕事がいくらでもある。

 収入が無くなる不安はない。


 それが叶わない立場の人がいることは、ショックだった。

 生まれた環境で高校に進学できず、贅沢を知らないまま人生を終えるかもしれない彼女に、這い上がる機会はあるのだろうか。

 神様がいるなら、日々の生活に追われ、自分の力でなんとか生きている彼女に、安易にブラックバイトに手を出さない彼女に、チャンスを与えて欲しい。

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