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1-9 実験後の処理

深夜の本日何話目かわからない投稿。

夜更けの時間は小説読むのにぴったりですよね。

「……で、想いが通じ合ったのはとても喜ばしいことなんだけどさ。もうちょい離れてあげなよルヴァイ」


ミーちゃんが呆れた顔でため息を吐いた。

私はもう恥ずかしすぎて顔を覆った手を離せない。

研究室の中。

なんと私は今、ルヴァイの膝の上にいる。


「なんで離れないといけない」


「普通に仕事できないでしょうよ」


「………」


ものすごく不満そうにルヴァイが私を開放してくれた。

ミーちゃんに引っ張られてフラフラと立ち上がる。


「ミ、ミーちゃん〜〜〜」


「はいはい、にぶちんエリィにしてはよく頑張ったよ。良かったね」


「ほん、とに?」


「え?うん、そりゃ親友のめでたい話なんだから良かったでしょ」


私よりずっと背が低いミーちゃんが、頭をナデナデしてくれる。

まさかのミーちゃんにまで甘えてしまった。

大丈夫だろうか、私。


ミーちゃんをちらりと見る。

リアルな野生の小動物のようなその姿に、ミーちゃんなら受け入れてくれるだろうかと、淡い期待を抱く。

人にどう思われるかなんて気にしても仕方ないんだけど。

でも、ミーちゃんには……

聞いてみても、いいだろうか。


「………その……」


「なに??」


ミーちゃんがニコニコしながら首を傾げる。


「ミーちゃんは、その、釣り合わないなとか、思わない?」


「えぇ?何が?」


「その……レミィが……ルヴァイとなら、相当可愛くて完璧な人じゃないと、みんな納得しなそうだよねって……」


「…………はぁ?」


ミーちゃんが聞いたことないようなドスの聞いた声を出してビックリする。


「いや、人にどう思われようと、それは良いんだけどさ……でも、ちょっと、ミーちゃんにはあんまり、不満に思われたくなくて、さ……大事な、友達、だし……」


ミーちゃんはちょっとキョトンとした顔をしたあと、物凄い笑顔で私に抱きついた。


「エリィーー!!ほんと可愛いやつめー!!」


「く、苦しいミーちゃん……」


巨乳のミーちゃんの胸の中で窒息するかと思った。

開放されてゼェハァと息を整える。


「まったく、ほんとそういう下らない事言う奴っているよね。いい大人になって恥ずかしい。ねぇルヴァ……」


ミーちゃんが笑顔を引きつらせる。

なんだろうと思って振り返ると、ルヴァイが優しい顔でにっこり笑っていた。


「どうした?」


「う、ううん?」


何だろう。

よく分からないけど、どこからか冷気を感じる。


ミーちゃんが、ほう、とため息を吐いた。


「ま、まぁ……とにかく気にしないでいいよエリィ。私はほんと二人はお似合いだと思うし、何より二人とも幸せそうだから、それで十分だよ」


「ミ、ミーちゃん……!!」


感激してミーちゃんの手をキュッと握ると、ミーちゃんは少し恥ずかしそうにはにかんだ。

それから、ちょっと心配そうな顔で笑った。


「で、他にもなんかあるんでしょ?」


「他にも?」


「どうしたの、その手」


目ざとく私の手のケガを見つけたミーちゃんが、心配そうに私を見つめる。


「エリィにしては珍しいし……それに今日のこのエリィの部屋、やたらルヴァイの守りの魔術が多くてビックリするんだけど」


「え、守りの魔術?」


いつの間に。

ルヴァイを見ると、微笑んでるけど目が笑ってない。

怖い。


「……昔からあったけど……最近エリィ宛ての差出人書いてない荷物増えたよね?ずっと気になってたんだけど、エリィが普通にしてたから気のせいかなとも思ってたんだけど……違うんでしょ?」


「ミーちゃん……」


「ちょっと頼ってもらえなくて寂しいんだけど?」


ほんとうに寂しそうな顔をさせてしまった。

それにミーちゃんの優しさが身に沁みて、じわりと涙がこみ上げる。


「ふふ、エリィの涙目初めて見れた。あんたね、一人で頑張り過ぎなのよ。何でもできちゃう強いエリィも好きだけど、本当に何もかも背負い込まくて良いんだからね?」


「あり、がとう……」


ミーちゃんが笑いながら、研究室のゴワゴワした実験用のペーパーで涙を拭いてくれた。


「で、今までどんな嫌がらせされてたの?」


「そんな、大したこと、ないんだけどね……」


ちょうど届いていた新しい嫌がらせBOXを開く。

大量のコオロギの死骸と、『大女 あばずれ 死ね』と書かれた手紙が入っていた。


「……本気の奴じゃん」


「まぁ、コオロギだって最近は美味しいって食べられたりしてるから食材にも見えなくもないかな?手紙は幼稚すぎて添削したくなるのよね。もうちょい心を抉る言葉があると思うのよ」


「エリィ、発想が斜め上。強すぎるわ……え、これ、毎日?」


「一応バリエーションはあるよ?クモ、イモムシ、ミミズ、ハエ、ハツカネズミ………どれも実験に使ったことあるし、むしろマシな状態のものが多いから、普通に実験後のように処理して供養しました」


「ま、まぁ、そうだね」


「後は刃物とか、クギとか、針もあったかな。生ゴミとか、死ねばっかり書いた手紙とか。刃物は時々いい切れ味の入ってたから、そういうのは普通に使ってるよ!これとかもはやプレゼントだよね」


お気に入りのノコギリは『死ね』って書いてあった文字をアルコールでキレイに消して大切に使っている。

ちなみにメス投げした時のベニヤ板はこのノコギリで適切な大きさに切ったものだ。


「でもペン立てにガラス破片入れられるとは思わなかったな……その後床に画鋲があったり、椅子にカッターの刃が突き刺してあったりして、流石にまたケガしそうだなって思ったけど、すぐそれはなくなったかも。ルヴァイの魔術のおかげなの?」


「………そうだけど。それ、ちゃんと言えよ」


「いちいち報告してたら切りなくない?」


「………」


ルヴァイの細めた目がまた紅く光った気がする。

ちょっと怖い。

ミーちゃんも笑顔が引きつってる。


「ご、ごめんね……ちゃんと言うね」


「………そうして」


ギラリと光が増した気がする。


「……っやっぱり、ルヴァイの目って、紅く光るよね……?」


「……………そうかな」


「き、気のせい?」


「………………」


今度は気まずそうに、フイと目を逸らされてしまった。

ミーちゃんがハァとため息をついた。


「なんだ、まだ話してなかったの?」


「え?」


「ちゃんと話しなよ」


「…………必要ある?」


「あるでしょうよ」


「………そのうち話す」


不思議に思ってルヴァイを見ると、何だか拗ねたようにふいっと顔を逸らしたまま、目を合わせてくれない。

何だろう。

ミーちゃんは呆れたようにしょうがないなぁと笑った。


「まぁ、もうちょい仲が深まったらでいいけど、ちゃんと話しなよ。じゃないと『エリィの好きな人』に横から掻っ攫われるよ」


「えっ!?」


「誰か知らないけど、いたんでしょ?好きな人。話してくれなくてちょっと寂しかったんだから。まぁ、もういいけど」


ちょっと拗ねたように口を尖らせるミーちゃんが可愛い。

じゃなくて、しまった。

嘘ついたままだった。


「あの……それね、ごめん……パパに嘘ついただけなの」


「え」


「なんかパパが突然誰か紹介するとか言い出して、変な人掴まされそうだったから適当に………」


ミーちゃんもルヴァイも、呆けた顔をしている。

そんなに?

も、申し訳ない………


「え、ええと……ごめん………」


「ふ……っ、あ、あはははは!!」


ミーちゃんがお腹を抱えて笑いだした。

ルヴァイは顔を覆って項垂れている。


「えっ……え?そんな、面白かった?」


「ちょーーー面白い!!ね、ルヴァイ!」


「………焦って、損した」


「結果オーライでしょうよ!!もはや自分で蒔いた種というか!」


「やっぱりそういうの要らないって言えばよかった……」


「なに?なに?なんなの???」


よく状況が掴めないまま、意味がわからなくてムッとする。


そんな私を見たルヴァイが、なんだか妙に優しい顔で私を引き寄せて。

そしてまた膝の上に私をのせた。

その後暫く離してもらえなくて。

またミーちゃんに説得してもらうという似たような展開を迎えたのだった。


読んで頂いてありがとうございます。


いいねブックマークしてくださった方ありがとうございます!

そしてご評価くださった方まで!!

とても嬉しいです!ありがとうございます!!

誰かが楽しんでくれたのが分かって、投稿してよかったなぁと思いました(*^^*)

ぜひ最後までお付き合いください!

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