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平安朝姫君列伝

作者:叢咲海棠
最新エピソード掲載日:2026/06/19
この世のかぐや姫のような尊子内親王は、冷泉天皇の第二皇女にして、花山天皇の同母姉という高貴な出自を持っていた。けれども、三歳で賀茂斎院に卜定され、父帝と賀茂の神とを結ぶ橋たらんと祈り続けながら、その祈りもむなしく、父帝は在位わずか二年あまりで退位する。その後まもなく、外祖父・伊尹、母・懐子を相次いで失った。
十五歳で叔父・円融天皇の後宮に入るが、ひと月もたたぬうちに内裏が焼亡し、そのために「火の宮」などと陰口を叩かれ、しだいに里がちの日々を送るようになる。やがて、最後の拠り所であった母方の舅父(おじ)にも先立たれた。舅父の四十九日の法事の日に、尊子は自ら出家の道を選ぶが、数え二十歳の年に、灯火が消えるようにこの世を去った。
この高貴にして薄幸の姫君の一生を描いてみた。
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