3月17日 高校時代20
今日は、昼から友だちとボーリングをしていた。こんな昼間から何をしているんだろうという複雑な気持ちを抱いていた。友だちがストライクを決め、満面の笑みを浮かべながら、俺たちの方に走ってきた。
ー3年前 11月5日ー
脇谷「しゃー!!」
井端「あー、もう」
俺と脇谷は、勝者の余韻を味わっていた。
俺 「ドンマイ!」
井端「最悪やわ、まじ」
決勝に進むと思っていた井端は、とても悔しがっていた。一方、興梠はというと、静かに立っていた。もともと勝てる気がしていなかったのか。ゴール地点にいた嶺井、眞田たちが声をかけにいったみたいだ。
脇谷「やっと決勝やな」
俺 「ああ。俺が勝つから」
脇谷「むりむり、俺が勝つ」
脇谷は、自信満々に歩き始めた。集まってから、もう2時間くらいが経過しただろうか。
俺 「早く決勝やろうぜ」
脇谷「ああ」
ゴール地点に井端、興梠を残して俺たちはスタート地点に戻った。
脇谷「マジで、おもろいな」
俺 「ホンマな」
興奮している脇谷を見るのは久しぶりだった。コイツは、楽しいことや面白いことが大好きだ。
脇谷「この展開、予想してた?」
俺 「この展開?」
脇谷は、前髪をかき分けながら、俺の方を見てきた。
脇谷「こんなに面白くなることだよ」
俺 「いや、まったく」
俺もこの展開は予想していなかった。
脇谷「アイツら面白いわ」
俺 「たしかにな」
脇谷の言う通り、俺たちだけなら面白くなかった気がしていた。
脇谷「後は勝って焼肉奢ってもらうわ」
俺 「これって、2位は何もないの?」
ずっと気になっていた。
脇谷「ああ。1位のみ」
俺 「まじかぁ」
2位は何もないのかよ。
脇谷「嫌だったら勝てばいいっていうだけよ」
俺 「その言葉、負けたあと言ってやるよ」
脇谷「ハハハハ。面白い」
笑顔で俺の方を見ていた。
俺 「焼肉どこいくの?」
脇谷「高いところいきたいな」
俺 「いいね。奢ってもらうのに最後だな」
俺たちは、お互い勝つことしか考えていなかった。
脇谷「よっしゃー。いこかぁ」
俺 「せやな」
ちょうどスタート地点に戻ってきた。松本、山瀬は、拍手をしながら俺たちを迎えてくれた。首を回しながら、松本の方を向いて話を聞いていた。
 




