3月7日 高校時代10
今日も昨日に続いてのカラオケ。もはや、カラオケしかしてないような気もしていた。俺の横にいた大和は、恋愛ソングを熱唱している。俺は、手を叩きながら、大和後ろに見える画面を見ていた。段々、自分でもよくわからなくなっている。本当にこれでいいのか?というか、本当の自分は何者なのか?カラオケルームに来ていた自分に嫌気がさしてしまっていた。
ー3年前 11月5日ー
俺たちは、コート内で井端たちが来るのを待っていた。アイツらはいつになったら来るのだろうか?そんな気持ちでいっぱいだった。
嶺井「あと、どれくらい来そうなんだ?」
脇谷「井端からは、後5分ってきてた」
スマホを見ながら答えた。お腹が空いた音が聞こえる。
嶺井「じゃあ、もうすぐか」
脇谷「ああ。もうちょい待てよ。それより、走らなくていいのかよ?」
脇谷と嶺井たちは、同じクラスになってから意気投合したみたいだった。
嶺井「俺は、天才だぜ?そんなのしなくても余裕だぜ」
山瀬「どうだろうな?」
嶺井「お前こそ、練習したほうがいいんじゃないの?」
山瀬と嶺井は、煽りあっていた。
山瀬「俺は、俊足だぜ?」
嶺井「野球部にもっと速いやついるだろ?」
その通りだ。野球部やサッカー部なんて足が速いやつの集まりだろう。
山瀬「俺、思ったんだけどリレーじゃなくてビーチフラッグとかはどうかな?」
脇谷「なんで?」
まさか、急に競技が変わるなんてな。
山瀬「それだったら、全員が一気に走れるじゃない」
脇谷「たしかにな。じゃあ、それでいくか」
山瀬「俺、とってくるわ」
何を取りに行くのだろうか?
脇谷「旗あるの?」
山瀬「当たり前よ」
脇谷「すげぇな」
手を振りながら寮に戻っていく山瀬は、まるで少年のようだった。
脇谷「戻ってしまったな」
俺 「ああ。大丈夫か?アイツは?」
脇谷は、冷静になりながら、俺の方に話しかけた。
脇谷「さぁな?」
俺 「早く、飯が食いたい」
腹が減って仕方なかった。
脇谷「本当だな」
俺 「お前が余計なこと、言わなければ今頃焼き肉だったのにな」
また、お腹がなってしまった。
脇谷「そう言うなよ」
俺 「どう見てもお前だろ?」
そうだ。この展開にもっていったのは、脇谷だ。すると、後ろから井端たちの声が聞こえたのだった。
 




