表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/12

10 時空のアモルファス、その名前

 そのアモルファスの体はくすんだ灰色をしていた。視線はどこか落ち着かなくてぼくを見ようとしていなかった。

「だいたいボク、何のスキルも持ってないよ? 臆病だし、のろまだし、好き嫌い多いし……」

 自己評価が低いな。のけものにされていじけているのかもしれない。それに好き嫌いって何だ。カロリーバーの味のことか? 

「それでもボクを選んでくれる?」

(▼はい  いいえ)

 大丈夫、ここから大逆転があるのをぼくは知っているからね。

「本当に! うれ……ふ、ふーん、じゃあボクにかっこいい名前をつけてよ! それが気に入ったら一緒についていってあげてもいいよ」

 ここにきてまさかのツンデレか。まあかわいいから許すけど。


 そしてぼくはこの子に名前をつけてあげた。

「ジャスパー、それがボクの名前なの? ジャスパー……いいね、気に入ったよ!」

 その言葉と同時にジャスパーの体が輝き出す。灰色の鱗が剥がれ落ちてその下から白い大理石を思わせる鱗が姿をあらわす。そして鱗の輝きは角度によって様々に色の変化を見せる。

「すごい、こんなになるなんて信じられないや! ありがとう、トキヲ。これからよろしくね!」

 そう言ってジャスパーはうれしそうに辺りを飛び回った。


 そして朝に目をさますと、ぼくのおなかの上で眠っていたジャスパーも目をさました。ぼくを見てあいさつをするように「きゅるる?」と鳴いた。ああ、もう喋らないのか。

 おはよう、ジャスパー。こちらこそよろしく頼むよ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ