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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

死ねない君のセブンティーン

作者:黒月一
最新エピソード掲載日:2026/11/05
思春期の化け物は可愛いに決まってんだろ。化け物なりの葛藤とかあるだろ!

────
夜の国道沿い。
街灯を薄く映している雨で濡れたアスファルトに、何かが滲みだしていた。

──血だ。

鼻を衝く臭いに立ち止まった春阪マヒルは、言葉を失った。
ガードレールの向こう、制服を着た少女が倒れている。腹部には鋭利な刃物が突き立っており、その顔は死人のように青白く、唇は小さく開かれていた。

「……君、大丈夫……?」

急いで駆け寄ると、彼女の瞳がゆっくりと開いた。
血の色に染まった髪を見て、彼女が白髪なことに気が付いた。
少女の瞳が、マヒルをまっすぐ捉える。
かすかに開いた唇が小刻みに動いて、言葉が聞こえた。

「もう、放っておいて……」

次の瞬間、体から何かが抜け落ちたように、彼女はぐったりとした。
死んだのだろう。思考をする前に、直感でそう判断した。

音もなく刃物が床に落ちる。
刃物は深々と腹に突き刺さっていたはずだ。意図的に引き抜こうとしなければ、自然に抜けるはずがない。
そんなことを思ったマヒルは少女の腹の方に視線を移した。

腹の裂け目が、まるで時間を巻き戻されていくかのように塞がっていく。
血の跡が消え、首に手をやると、かすかにだが脈動があった。

マヒルが困惑していると、少女は目を開け、濡れたアスファルトの上で微笑んだ。

「……やっぱり、死ねなかった」


────
青山百合葉は化け物である。
具体的に言うのなら、爬虫類と昆虫と人間の混合。ついでに死ねない。
見た目こそ儚く見えるけれど、実際には明るい女子だ。

春阪マヒルはそんな彼女が化け物として暴走しないように見張る監視員だ。
あとクラスメイト。あと友達。
あと一応いつも一緒。
監視員だもの。



この作品は「カクヨム」にも掲載しております。
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