25 大型キラービー②
「え・・・?なにかいい案があるって言うの?」
メルトの言葉にリリーンが反応した。
「ああ・・・仕組みはこうだ・・・」
「うーん・・・なるほどね、理屈では可能に思えるわね」
「鍛冶屋のスキルは面白いものが多いねー」
リリーンとミーシャは作戦に乗り気なようだ。
「では、さっそく試してみますか?」
セルフィンも興味深そうに話を聞いている。
「うん、とりあえずやるだけやってみよう」
メルトが椅子から立ち上がると全員それに続き、東門から出てしばらく歩くと、赤い杭と進入禁止の看板が見えてきた。
「はぁ・・・相変わらず大きなのがぶんぶん飛んでるわね」
「でも、飛んでる数は多くないですね」
「あくまで門番で、危機があったら巣に戻る感じなのかなー」
女性たちは何やらいろいろと話している。
「うん、では準備するか・・・スキル!カタパルト!」
メルトがそう言うと鉄でできた妙な形の塊が地面にドスンと着地した。
「アンカー固定!」
メルトが叫ぶと四方向にある杭のようなものが地面に突き刺さり、鉄の塊を固定しているようだった。
「斜度調整!」
メルトの叫びに応じて鉄の塊は長い板の角度をゆっくりと変化させていき、ガチンと言う音ともにそれは固定されたようだった。
「ミーシャ、魔法増幅剤を」
「はいはい」
ミーシャはそう言うと瓶のふたを開けて中身の液体をロッドにかけると、しばらくしてそれはロッドに吸収されて行った。
「準備できたよー」
ミーシャがそう言うと炎の塊がロッドの先に出現した。
「ファイヤボール!!」
ミーシャは炎の球を浮かび上がらせカタパルトの上に乗せた。
「よし、射出するぞ!射出!!」
メルトの叫びに応じてカタパルトから猛烈な勢いでファイヤボールが弾き出され、キラービーの巣に直撃、それは火に包まれた後に爆発四散した。
「ふぅ、うまくいったみたいだな」
「すごい威力ね、爆発しちゃってるわよ」
全員して炎が飛び散っている様子を眺めている。
「護衛のキラービーは!?」
セルフィンがそう叫ぶ。
巣の外にいたキラービーは巣が失われたことで激しく飛び回っているが、やがて塊になってメルト達に襲い掛かって来た。
「塊になってる今がチャーンス」
ミーシャはロッドを掲げてファイヤの魔法をキラービーに放った。
「おお、これは全部焼き尽くされたんじゃないのか?」
メルトは周囲を見渡してキラービーが残っていないか確認する。
「うーん・・・見る限り全滅させられたようだな」
その言葉に残りの三人は喜んでハイタッチなどをしている。
メルトはカタパルトを収納してその様子を見ながら笑みを浮かべている。
「しかし完全に作戦が当たったわね、あのカタパルトってのは本来何に使うものなの?」
「それが良くわからないんだ、師匠とはあれで大きな石を飛ばして遊んでたけど・・・」
リリーンとメルトが話している所にミーシャも加わった。
「おっとこの子だねぇ、どうせどっちが遠くまで飛ばせるかとか、正確に当てられるかみたいにして、爆笑してたんでしょ」
「どうしてそれを?」
「私の兄たちがしょっちゅうそう言うくだらない遊びをしていたから、大体見当が付くのよね」
メルトは苦笑いして頭をかいている。
「でも、そのくだらない遊びのおかげでキラービーの巣を撃破できたんだから、何でもやってみるのが良いのかもね」
リリーンは笑いながらそう言った。




