23 都市カルトス
「で、その都市がカルトスって言うのか」
メルトは駅馬車に揺られながらリリーンに話しかけている。
「そうよ、しばらくそこを拠点にしようと思うの」
「やった!はちみつパンとミードが楽しめるね~」
リリーンの声にミーシャが嬉しそうな顔で反応している。
「はちみつパンとミード?はちみつパンは想像がつくがミードはどんな食べ物なんだ?」
「カルトスは養蜂が盛んなんです、はちみつパンは焼いたパンにはちみつをたっぷりかけたパンですね、ミードははちみつのお酒です、世界最古のお酒とも言われているんですよ」
「へぇ、はちみつの酒かぁ・・・なんだか女子人気が高そうな都市だな」
「ええ、一度は行ってみたい都市とも言われています」
セルフィンとメルトは色々とやり取りしている。
「ま、そう言うわけなんだけれど、私たちはレベルを上げるために行くんだから気を引き締めないとね」
やがて都市カルトスが見えてきたが中規模都市ながら活気のある様子が遠くからでも見て取れた。
「ふーん・・・活気があるな」
メルトはしきりに感心している。
馬車はそのままカルトスに入って行き停車場にたどり着いた。
「わーい!はちみつパン!」ミーシャが声をあげるとリリーンがそれに反応する。
「だーめよ、まずはギルドに行ってクエストを探すのよ」
メルト達は冒険者ギルドに向かい、その意匠を確認した後で中に入った。
ギルド内にはあまり人がおらず、どこかのんびりとした空気が流れている。
クエスト掲示板には様々な内容のクエストが張り出されているが、その中で何週間も前から張り出されているクエストが目にとまった。
「なにこれ、ずいぶん前のクエストじゃない」
リリーンが張り紙をのぞき込んで内容を確認する。
「ええと・・・大型キラービーの巣を駆除せよ・・・?大型だからみんな手が出せないのかしら?」
「キラービーってなんだい?」
メルトも用紙に目を通してリリーンに質問している。
「比較的大きな毒蜂で、ミツバチの巣を狙って襲ってきて幼虫を食べてしまうの、だから養蜂が盛んなこの町では天敵なのよ」
リリーンが説明している所に受付嬢が近寄ってきて話しかけてきた。
「あの・・・その大型キラービーのクエストを受けてもらえるんですか?」
「もらえる?その言い方だと誰も受けないってことなの?」
ミーシャが顔をかしげながら言った。
「はい、何人も挑んだのですが、毒状態になってほうほうの体で逃げ帰ると言う具合でして・・・このままではこの町の養蜂産業が深刻なダメージを受けてしまいます」
「なぜ?キラービーは炎に弱く巣も同じく炎ですぐ焼き尽くせるはずよ」
「それが・・・火炎魔法の射程内に入る前に防衛蜂が攻撃を仕掛けてくるのです、巣自体も硬くて弓手の矢も威力が減少してしまう突然変異的なキラービーなのです。
リリーンは受付嬢の話を聞いて納得がいったと言う表情をしている。
「とりあえず遠くからでも見てみないとわからないな・・・」
「そうですね、まずは下見をして作戦を立てましょう、養蜂産業にダメージがあるのは重大なことですし」
メルトの言葉にセルフィンが提案をした。
「と言うわけで下見がしたいんだけれど、どの辺りに巣があるのかしら?」
「あっはい、西門を出て左手に進むと森林地帯が見えてきます、そこに沿って進むと、赤く塗った棒杭が挿されています、それがキラービーの襲ってこないラインを示しています、下見ならその外からしていただければ良いかと・・・」
リリーンは受付嬢から話を聞いてしきりにうなづいていた。




