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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
97章 楽しみたい夏にしようよ。
824/832

813 縦横で無尽してる。6/3

6月3日 土曜(晩夏、西の方ではそろそろ夏終わりだねえしてる)

道造りの道具が色んな改良を経て、1台で完了できるようになってて

それは楽しいみたい色んなところでバリバリしてるよ。

 東の方は雨期でシトシトぴっちゃんなんだけど、西はもう夏が終わるなあって感じでね。すごく暑くはならなくて快適だからこの時期に結婚すると幸せになれるって言われるの。つまりね、最初のイメージが良いとそれがず〜っと残るんだって、単純だけどステキな思い込みだよね。

 それもゴハンと楽しい生活があっての上だもの。天候は気まぐれだし飢饉(ききん)や病気やセンソウだってやってくる。それをみんなでカバーし合ってよかったねする。

 お互い様って笑ったり、任せろって胸を叩いたりをしてみたい。

 今までは一方通行だったけど、これからはみんなが手を取り合ってダンスできるといいなって。まあそんなに簡単でもないし打算いっぱいだってことは知ってる。

 それでもいいの。そういうの分かってしてるもん。


 西行きのはあの街で終わりかなあ。既に周りの街までは繋げてある。というか予算ケチケチ過ぎて1本だけでオワリ。やる気なくなっちゃった。

 お金掛けて別にする方でも、パタ〜ンが決まればガーってするだけだもの。

 如何(いか)に最短でそれできるかなって言い方にしたら鬼さん達がやる気になっちゃってじゃあアノ国(湖へのルート)もってコソッと足したの。

 ツアー組んだのは費用回収の元を取るための言い訳ってヤツで、僕に美しい理想はあるけど現実は当然忘れない。お金やゴハンや家とか服とかして強欲な魔女だって迫害しないでね。

 ゴ〜って燃やされる感覚とか、池に沈められたとか真っ赤に焼けた熱い板を押しつけられたって記憶がなぜかある。

 残酷な刑罰は身をもって知っている気がするし、だから苦しまないように毒の研究もしていたって記憶は誰のだろう。


 商会しているんだし、事業で名前を出した国とかに損はさせないし、手の内なら利益が生まれる体制にするようにする。

 よく言われる「商売は(だま)された方が悪い」っていうのはキライ。信用こそが大事だし、警戒をしないでできるっていうのは素晴らしい事だもの。

 まあ勝手に名前を匂わせてアレコレしているんだから、それぐらいはしないといけないでしょ。

 実際には(もう)けることにそんなに固執(こしつ)していなくて、楽しく出来るならそれをなぞるし、工夫や努力を人はフツウするものだからノセるって方が大事。

 構築するのは楽しいけど、ずっとそこにいてヤレってしなきゃなのは()きちゃうし嫌われちゃう「元気で留守がいい」って言ってるの知ってるよ。

 フラフラしてたでっかい球の楽しい巫女(みこ)はもういなくて、名物で有名だったけど、もう風船は(しぼ)んで区別がつかないから二つ名では呼ばれなくなったみたい。

 役人を見かけたから美味しく()せるレシピというのと、運動メニューを毎日させてにして、今は樽デブとぽっちゃりが少しいるってだけで平均するとやや太め(標準設定値対比)までになったらしい。


 それまでは食費と街の購入?破壊(弁償)?費がすごかったらしいけど、巫女の寿命は短かいし、最近では能力が発現したら強制的にお城に連れて行かれるくらい発生が減っていたんだって。

 もう無限鉱山や上納品はないの。

 元手が無くてもお金に困らなかったのがなくなって通貨を主力製品ってことにしたし、もうタダじゃないよとか税金始めるよとかは成り行きと思いつき。捨てられたって事を理由にしてるくせに、聖国の看板を使って勝手な事してる。

 今はオタオタして追いついていないから従ってくれているような気もするんだけど、どこでも遠慮はしないの。何様って思う。

 巫女の健康管理は、はっきり金ヅルって認識したからみたいだけど、長年のデブは中々()せないみたい。とっくに全員標準になったってつもりだったのに、今の時点でまだデブだらけだけだけど、妄想を見るのとか床を踏み抜くようなのはいなくなって、集中を長い時間出来るようになりつつあるらしい。

 通貨の認証作業は大事な仕事だし、能力が出るのが増えたみたいだから道具作りという(もう)かる方にも人を回せるようになるかもしれない。

 ちょっと前までは2食が普通だったのに巫女は8食だったらしい。それも1回ごとも量が多かったみたい。それの両方を減らすのに苦労してんだって。

 強制しても続かないから超ユックリだけど効果はしっかり出ているよ。元気で長生きしてねってみんな思ってるから、ガンバレ。

 あの国では巫女は(あこが)れだし愛されだもの。ぼくとは違うよね。


 簡単用も最上仕様のも工事の道具はひとつだけど、そのための物資を運んだり、木を切るとかは別だし、雑草がいっぱいだと土が弱くなるから草刈りはしないといけないし、弱い地面だと基礎を整えるのに石や土やモルタルなんかも追加で要る。

 安いのはどろり仕上げだけど、高規格のは火山灰とか海水とか要るし、ミラクルなしだと、調達が一番大変かもしれない。でもそういうのをうまく必要量を集めて、過不足無くするのって楽しいっていう普通なことを気付いてくれた気がする。そういうのうれしいなって思う。

 連邦の施工から簡易の一般道(国とか自治体に押し付け請求する)のと、自分達が今出来る最上の仕様(かなり趣味入っていて他からは封鎖状態)のを作るようになってる。

 街道は動脈だもの。イチイチ聞かなくてもウチのは実際にすごく良いのに安いから自信を持って押しつけしてて、イヤな顔をされたとかはないの。

 みんなが僕に染まってきて、嫌われるようにならないと良いんだけどって心配はしてる。

 大事な街道はね。安く上げたいなら整地して砂利を薄く敷くくらいで砂利もしないところは多いから雨の日は大変だし、年々荒れていって馬車がピョンピョンしたり、最悪転倒の事故も起きやすい。そうでなくても路面のせいで負担が掛かるから車軸がぽきんとか車輪破損とか起きちゃう。

 ウチの板バネで鉄製の台車の荷車が格段に乗り心地がいいってバカ売れした。

 今のは更に台車構造を変えたものとか、鉄加工したバネとか個々が独立したものとかだし、最近は鉄輪に強化ゴム(空気入りチューブ入り)での乗り心地が抜群に向上したんだけど、冒険のような凸凹に耐えられるのは用意していない。

 どうせユックリだし、ほぼ街中の荒れた石畳程度だもの必要ない。

 とはいえ、だいたいがその辺に困っているっていうのは調べて分かった事。平滑度を上げるには水でグチャグチャにならない皮を付ければいいってことで、砂利を固めるだけなら高温で溶ける油にすればいいの。

 施工は土を剥いて載せるだけで簡単なのに、石畳するより平らで雨も弾くし堅牢と良いこと尽くめで、安いし早いよ。

 数十年程度で割れちゃったり波打ったりするんだけど、それでも今までの道よりもいい。

 敷き変え依頼お待ちしていま〜す。

 オプションで線引いたり出来るけど標準器で自由なのは出来ないから、規定を守らないとコラ〜する。大勢が利用するのは公道扱いになるから私道だからっていうのは却下してる。

 国や地方領主でも村でお金を出し合ったのも同じに決まりを守ってにしてて、僕だったら閉鎖して勝手にする。ううん、決まりはちゃんとする。見てないときこそ正しくだよね。


 どっか思いっきりやらせてっていうから、ああそういえばってアッチってした。

 言うこと聞かなくて開発が進んでいない構成国があるし、砂の国をザックリ切るけど広すぎって思っていてスポーツ大会も地域を2分してる。じゃあいいか。

 砂の街とか国とか言ってるけど、砂になっているのは首都だった街だけで他は田園だったり森だったりね。途中も小さな国や地域があっていくつか再編したし、大国迂回路のひとつだけど、南北に抜ける街道は整備中で、かなり流れが変わった影響は大きいはず。

 だからここに東西街道が出来るのは意味があることで今までのほっそい道だって、整備すれば行き来する人は増えるし、経済は回る・・って産業なんだったかなあ。地名では完璧に覚えているんだけど、世界の地図ってアレだもの。位置関係とかいい加減で見ても分かんないよ。第一地図は大事だから秘匿(ひとく)とかいって地名が入っていないっていうのはよくある。

 ほんと目安にしか使っていないし、地図は書き込み型って感じみたいで初見では意味ないの。適当すぎて役に立たない、ワクワクが足りないよ。


 湖の街ってあんまり覚えてない。キレイだったって記憶なのか利用出来るのが良かったのか。確かあの後ぬいぐるみの段飾りが流行(はや)っていたから、その手工芸を拡大して伝統工芸品ってことにしちゃうか。

 街造りとかどうせコンセプトがないから、イジってイイヨってしてる。

 悪い評判は聞いてないどころか、集計したアンケでは星4っつの高評価でかなり高い。テーマって大事だよね。それでこの施工費はツケ。ヒドいやり方だけど、住民達が大喜びしてるし、すぐ払えって事じゃないにしたら気が大きく(現実を見てない)なっちゃうみたいだよ。


 それでちょうど良いから、サクッと見映(みば)えの良い(安〜い)道で移住しないって誘ったの。僕が農業しようよって時はツーンだった人達を調べたら消えた湖の漁師が流れて来たらしくて、ひいじいさまの頃はなあ(農業は好きじゃな〜い)って酔っ払うとグズグズと言い合っているらしい。

 ルーツは漁師だとしてもうそういうの忘れているだろうし、真面目に農業やれば収穫だって期待できる土地なのにね。

 道が出来て行けるとなれば腰は軽くて大挙して出て行った。やり方を分かっていないし、もう先住の漁師がいる。交渉とかできるとは思わないから向こうの方の対岸の人のいない場所を開発していかないといけない。

 僕が交渉した時に出す条件のような、用意されたものなんかないけど、何も出来ない流民は迷惑だからスタートはお世話してくれるかもしれない。

 これは不可逆だから出戻りはできなくて、空いたとこに草木の寂しい高原の人達を誘導する予定。あの地方には毛長のヤギがいて、いくつか買ったのを新天地で育てている。

 お世話に慣れたし一気に増やしたいとは思っていたから、飼育していたのを全部買って豆の国の山の方の産業にするつもり。新天地のヤギ育てていた人達は転勤にしてお世話させて、他もチョコチョコとパズルを動かしてる。


 領土問題で迫害されていたみたいだから放牧民を止めることにイヤはなくて、緑の大地に定住して、大変だった農業が大いに出来る事にも感激してくれた。

 移動についての気持ちとか、引っ越したときに何が要るとかをじっくり聞くこともできたんだけど、実は移住先の方が用意出来てなかった。

 毛長ヤギを購入する時にどの部族もどこかに追われない場所に定住したいっていうのがあった。後は場所だったんだけど、新天地で少数民族だけで固まられたらヤダし、ピレーヌでは過去に何かありそうだったし、その上流で労働者すると素人(しろうと)じゃあ(しいた)げられそうとかキャッシーでは気候が変わりすぎって、場所に困っていた。

 つまり待ってしていたの。別にヤギが欲しくて斡旋(あっせん)しようとしたワケじゃあないんだけど・・ううんちょっとはある。十数頭だけじゃあウチの一般製品用に使うまでに増やすのに時間が掛かる。

 新天地ではズルをしても働きが心配な人達だもの。イケイケ〜とはできない。

 迫害は部族長年の懸念なだけだから、良い場所が見つかったらって感じに忘れていたなあっていう案件。だからちょうど良かった。

 運営するのはヒツジの村を出るのをヤメにした(学びを楽しいと思う)人達がヒマ時間に勉強しちゃっていたからやってって。

 村は成り行きで外と分断しているから、せっかく覚えた大規模農業(そういうのをワザと用意してたのはヒミツ)ってヤツをやりたいでしょってしたの。

 成り行きでここに()()まった人達だとはいえ、土地に愛着があるからガンバロウだったんだし、労働して村を豊かにできた仲間なんだからもう実家と言える場所になったはずって、まあ僕の情緒的にはそう思いたい。

 

 今までしてきたところは仕組みを提供して肥料や農薬のお世話をずっとしないといけなくて、手間掛かり過ぎでモヤってしてたから初めての開拓民による初めての移住者との農業になるってことで開発の成功例になることを期待していたりね。

 あっちは上手くできたよっていうのは、人の気持ちを動かす言葉らしくて、ノウハウ的な挑戦もできるし、確保したかった土地だからね。イイコト()くめ。

 ここが抑えられれば下流域にも農地を広げていく足がかりににもなって、ぽつりぽつり残っているのを組み入れるか地方の街の方に追い出すかして、運搬用の海路を作るという最初この辺に目を付けたときの計画をやってみるつもり。

 ここの領主が変わったらしいけど、めぼしい成果はないし、変わらず街がクサいし物資が来ていないみたいで、村の人達の「オラ都会さ行くべ」意欲を失わせた。

 それで学ぶ意欲がなくならなかったのはホッとしたし、ならいつかのために使えるかなって考えちゃう。

 村はいくつかの良い事が重なって成功したけど、しょせん2つの村同士でキズをなめ合っているだけだもの。

 護るために囲うを選択したのは間違いではなかったとは思っているけど、狭い世界で満足はして欲しくなかったのはずっとあった。けどどうしようもなかった。

 それが街道ってヤツで繫がると、糞詰(ふんづ)まり状態だった流通ができて(くさ)い街問題が解決というのはどうでもいい。少ない条件でも何とかしないのがそう簡単に変わるとは思わないよ。


 オモテ街道(黒い固めた砂利仕上げ)にはウラが当然あって、湖ではちょっと先の浅い部分に橋が架かっている。

 鬼さん達が技術に走っちゃうのは知ってる。グルッとフチをなぞって造る意味はないからズバっと真っ直ぐというのは僕もする。

 漁業の影響を考慮して橋桁(はしげた)は少なく、上に大きくしないで景色として見逃される(興味を持たれない)というのを考慮してくれてアーチがないそれ自体に強度を持たせた棒な橋。

 オモテが村を経由するし土地の上下に影響するしクネクネ。ガーッと削るか均すだけだし、重い物は人力でもエンコラショ出来る程度だもの。作る橋もそれなり。

 馬車に必要なアレコレは今までもあったものだから、付属設備は自分達でもするだろう。僕らの既定品なら見映えも強度もあって長持ちするんだけど、道路の新規敷設というのは簡素であってもかなりの費用が掛かるし高そうにみえるらしい。

 安く浮いた分をそれぞれ地元に振れば、ボンヤリしている大人達のお仕事作りになるし、働くって習慣が付くかもしれないってベッタリネットリ付けてる。まるで定職みたいに十何年もって契約になっていて、お手伝い仕事も業務にある。ちゃんと書類を最後までみないといけないよ。

 周りは無職が働いてるって喜ばれるし、イヤイヤがそうでもなくなって・・いくといんだけどどうかなあ。元気な大人がフラフラしているのは良くない見本だったし、反面教師っていうのはワザワザいうくらい例が少ないってことだもの。

 元気なら働けって思うし、それが楽しそうなら子ども達も未来に希望を持つ。

 そういうのでいっぱいにならないから、発展したいとか学んでもっと豊かにしたいって思わないのかもしれないからね。


 商品ラインナップに道路施工(村開発)っていうのを入れたときに、商品名に黒い油にアスファルトって名前を付けた。固定するって意味で燃える水が自然に湧いて揮発した残りが池状になっている。それを接着剤や防腐剤に使われていたらしくそう呼ばれていたので、僕の名付けではないし発明したものでもないんだけど、燃える水から精製で取り出す方法だけは開発した。

 池をアテにすると品質が安定しないし、すぐなくなっちゃう。

 すごく都合が良いから、製造プラントを燃える水が取れるところに作るのを設計してるし、新素材の需要も上がっているから必要かなあって、どこにしようかな。


 結果的にだけど、ピレーヌまでだった情報線の施工が進んで繫がることがみえてきたってことで、諦めていたキャッシーとの接続もそのうちにできる。

 地図的に考えるとその間はかなり離れているしピレーヌだって遠いけど、東から新天地までの距離と変わらないんだもの、簡単って思っちゃうよね。

 僕らの中ではノーリアルマネーな取引で、今はカミを(かい)しているけれど繫がればそれもデーターで一瞬になるし、カミでは伝えられない情報量を送り合って流行分析を正確に出来るようになってロスが減らせるかもしれない。

 気候というのは厄介(やっかい)だし、今まではミラクルで飢饉(ききん)や病気の事を知ることができたけど、それが予兆まで分かれば誤差の少ない需要予測が出来る。

 とかね。ずっと未来を考えるのは楽しい。ミラクルを無くそうとしているのが僕がいなくなったらってことなのは(さび)しい事なんだけどね。

予想していなかったことが繫がって良い方に転んでいくっていうのを「運」って

いう人は多いけど、それじゃあ人のつながりがどうでもいいってことになる。

繋いでくれた人達がいてこそ繫がったからで、ミラクルなことではないの。

僕はただありがとうっていうんだよ。

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