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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
96章 夏は始める季節かもね。
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806 運ぶルートとかこれから。5/21

5月21日 月曜(旧暦夏、かつていたとこに雨期はないんだよ)

心配ごとが片付けば、遠慮なく働かせ・・楽しい農業をしてくれるよね。

今まであったような大雨と干ばつって理不尽なのはもう起きない。

せっかくの畑を悪くしないでねってお願いした。

農地ができれば笑顔だって増えるし、適度に雨が降った方が

砂でケホンケホンしない。楽しいが増えるよ。

 本当は危なかった。

 準備が足を封じて兵力を分散させて毒草でチカラを()いでいたからアッサリやっつけることが出来たということを()えて気が付かせないようにする。というのは黒いおじさんと相談して決めた。

 ヤツラの目的があの辺一帯の黒い人達を奴隷にすることで、河の上流にあるだろう金鉱を掘らせることだったんだろう。

 きっとそれだけでは終わらない。待遇を考えなくていい労働力として連れて行って使うだろうし、当たり前のように商材にされる。

 聖国圏で「異種族を捕えて奴隷にする」ことが禁じられていて念押しして解放された人達は多いし、まだいる。決まりを逆手に取っているようだし、肌色が違えばセーフとでも思っているんだろう。

 通貨新造の時に改めて公布したものは「異種族」は削除してあるんだけどね。


 簡単にやっつけることが出来たけど、あれは作戦の勝利なだけでマトモに戦って勝てるとは思わない。それくらいの差はあった。

 黒くて長い四肢には肉感はないし、僕が欲しくて毎日してる筋肉な身体は数人しかいなくて、とても薄い。

 栄養の問題はあるし、肉は貴重だし豆を食べていなかった。どこに行ってもバランスが悪いしハラペコだったから、まずゴハンって思うのは当然のこと。

 ここは食べ物に味がなかったし文化な甘味が懐柔のツールとして強力だった。

 骨に強度がないから、僕でもポキポキ折れちゃうくらい弱い。

 急いで食料を持ち込んで在来種を品種改良をするくらい食生活を心配しちゃう。


 作戦で勝っただけっていうのは当分は伏せておいて、やたらノンビリしている人達を働かせるためのモチベになってもらう。

 恐れを植え付けると将来交易をするときの障害になるし、勝ったって逆に襲うって行動に出るのもいるかもしれない。ニンゲンは争いを好む種類だから防護は必要だけどあまり武力を持たせたくない。

 文化するより奪えばいい発想でいたから、かなり前にあった王国は場所の奪い合いをして文化の進行を止めて、ついには何も無い場所になった・・らしい。

 時々見つかる(かたまり)がその残骸らしいけど、自分達には不要だから物々交換に出して襲ってくる原因を作った。

 イケイケになったんだから食事内容を改善しつつ、身体を鍛える方向で働かせるメニューにしてる。効率より内容ってことでラクな持ち方ではない荷物運びをして畑耕し、ごくんとプロテインとか、いくつかのメニューをどうぞした。


 ひたすらではないし、キツさも考慮されていて楽しく農作業になったらしい。

 とりあえずハラペコは改善するし、すぐにグレードも上がって僕らの作って欲しい作物もすぐ取りかかってくれる。

 龍宮島の人魚さん達が興味示さなくて、大規模で作ってくれるところを探してはいて、ちょうどよかった。

 徐々に周りの村も巻き込んでプランテーションでいくつかする。

 飽きない&筋トレもして欲しいし、ぐるぐる回すよ。そのうちに加工とかトンテンカンもして好きなことを探していこうねにするつもり。

 涼しくなる夕方からは、のんびりではなくオベンキョ時間でまず読み書きして少しずつ学びを入れていく。

 残念だけど大人はイヤイヤしてて「やっぱりか」って渋い顔してた。

 率先して受けてくれる黒いおじさん(族長で怖い顔)が子どもに囲まれるのは僕の当たり前なんだけど、前は誰からも距離を置かれていたみたい。

 さすがに椅子扱いは僕だけのようだけど、誰が信用出来るかを知ったってこと。

 大人は見栄っ張りだし、子どものも盗るしサボってばかり。子どもはよく見ていて、そういうのを報告してって聞いたから、見ているのをもっと分かりやすくしてクスッとかすれば良いよって。そうすれば勝手に想像してピリッとする。

 せっかく飽きないお仕事が出来るようになったんだから、今までみたいに無理にサボりポーズしないで楽しんでいいんだよ。


 今までの畑は全部見えている程度だったけど「ココヨロシク(現地語)」したのは(はる)か向こうの方まであって、隣の村にそれぞれくっついている。

 こっちから始めて、ごっつんこするまでするのって楽しいよね。

 間の凹凸や木とかがなくなると案外近い。畑ばっかりではなくて休憩出来るように木があって水飲み場もあるよ。

 それで「やあ」ってしたら、ずいぶん前にいなくなった人だったりするの。

 いなくなっても気にしないというか、村から出ると厳しい環境だし、病気して見なくなったと思ったら倒れたまま亡くなっていたり、ケモノに襲われたりの日常だからってことらしい。それで何も思わないのではなくて、再会では喜んでいたそうだから僕とは違うなって。

 まあ僕の方は忘れているんだけど、気まずそうなとかパッと()らす、顔を隠す、スッといなくなる。イヤなヤツに会っちまったって態度は分かるんだよ。


 畑を全周に広げたけど、全部で生産することはなくて()いただけっていう緑化部分は結構ある。取りあえず緑に覆われていれば仕事した気分になるし、順に成果が出るように計画をしてあって収穫物でゴハンが変わっていく。

 レシピを少しずつ覚えてもらうし、いつも同じじゃなくて食味とか見映(みば)えとかにも(こだわ)りたい。当然手食は止めさせる。

 あれは不衛生だし、汁物とか熱くて美味しいのとかが食べられない。油ギトギトのメンとか火傷(やけど)するし、ステーキをちぎって食べるつもり?

 調理は手ではしないんだしおかしいよ。

 手でパックンするおにぎりはいいの。調理も手で三角にするでしょ。

 料理に合わせてカトラリーを使うとかの切替ができるとは思わないから禁止。


 耕作地を少しずつ増やしていって、ゴハンぱくぱくしたら人も増えるよね。そうしたら習得した何人かを北や東に暖簾分(のれんわ)けしていくの。その頃には家畜を育てていたりして、町なんかが出来ちゃうかもね。

 町というか、うそかほんとか過去に王朝があったのがもう少し北らしくて、それもいくつもあって戦っていたんだって。

 お山の大将は文化が創れないから、気象の変化とかで衰退してパンデミックとかがトドメを刺したあたりかな。

 そういう話を聞いたこともあって衛生は特にチカラを入れて、風土病の収集もしていて「病気の人いない?」というのも聞いてる。

 僕なら結界の設定が出来るからだけど、初めての土地には未知の病気がありそうで地域のほとんどが消えちゃうような強力なのがある気がする。

 スパイスの村の辺り一帯には()媒介(ばいかい)する病気があって、多くの人達が命を落としている。戦争してる地域かもう少し西のあの辺りと推定してたから、肌を出した服は着ないかもって毒草は失敗かなあと思っていたんだよ。

 なのにあんなに肌を出して・・冒険は長袖で長ズボンに虫除けが基本なんじゃなかったの。


 僕は病気に罹って、その過程で色んな情報を体験して得る。

 意識を取られないように観察を巡らせて身体がどう対抗するかとか知って初めて結界の設定が出来るし、その経験を膨大な知識に当てはめるとクスリをどう調合すれば良いかも見えてくるという感じ。

 難病や熱病では病中の意識を保つことが普通は出来ないし、生き残らないとそもそも設定どころじゃあない。なので度々パンデミックする病気はなくならないし、エライ人達はいつかなんか考えないから衛生が有効と訴えても聞く耳はないの。

 普通は設定できないようなのを聖国では出来ていて、その設定は僕も出来る。

 肌が黒くなって大半がなくなるのとかコンコンして苦しくなっていくのとか、モチロン蚊やハエやイヌやネズミやトリ何かが媒介する病気とかに全部罹ったことがあるってことで、苦しかった記憶の終わり近くの、ロウソクが消えかかる瞬間とかも何度も経験した。

 案外簡単に思うだろう熱病の難易度は高くて、意識を持って行かれたら設定は失敗になるからね。痛いとかもそう、結界設定できるのは大事にされるんだから小指を机に()つけたくらいで気絶しちゃうくらい。


 口から吹いた泡を観察できるくらいじゃないとヤバイ病気には立ち向かえないということで、結界づくりは運と根性って何か泥臭いよね。

 それなのに大事にされるからちょっとの痛みでも集中力がブツリしちゃう。もっと心や身体を鍛えた方が良いんだけど。

 僕は大事にされたことってない・・

 まあ妖精さんが助けてくれるから遠慮なく毎回死にそうになっている。

 道具づくりと変わらないから結界作りは公開されていて設定できる人は他所(よそ)にもいるはずだけど流行する病気はやっぱり広がる。

 ある意味では死とは一番遠いから死の恐怖っていうのは分からないし、命がけで何かを護ったり任務で死を選んだりするのも分かんない。

 西の方にいるというスパイがそういう命がけするみたいだけど、そういう人には会ったことなくておじさん達が捕らえたときには命乞(いのちご)いしてた。

 忍者も同じイメージみたいだけど、作業の効率化するために提携していて血生臭(ちなまぐさ)いようなことはなかったよ。元が一つで対決まですることはないんだし、依頼料は少なめみたいだから、そこまで忠誠心は生まれないよねえ。


 お砂場部分に敷いたネットと土に混ぜた栄養水を大量に含んだ粒がうまくいって根を深く張る草が根付いている。砂や小石の土地に植物が育ちにくいのは動くからだからネットで固定してしまえばいいとか筒に入れたりっていう実験をしてる。

 (なら)すこともなく草が根付いて地盤が安定して、砂山が襲って(流れて)こなければ良いだけ。それにいくら雨が降っても素通りするし、降りすぎると塩が上がってきて面倒くさいことになる。ちゃんと受け止めてくれないとね。

 飛行の道具からバサリしてツブツブの配布は打ち込んだ。砂か(れき)はそれがどの程度かが分かって強弱を付ければ、丁寧(ていねい)に混ぜたのよりぴったりの位置に入る。

 欲しい幅は10KMくらいだけど押し寄せ防止を考えたらその10倍は欲しいから防砂堤を作って寄ってくんなしてる。風の影響で東から来るからだけど、全部がお砂ではなくて小石ゴロゴロやイワ〜なところが実は多い。

 ルートにはお砂場が多いけど、他のところはこれから緑にしていく予定だし、植林には適していない土地もある。

 連邦への道を造った道具を改造して小石を砕いたり、岩を削って土にしたりっていうのを自動でしてる。

 緑化実験は成功したから、次は(なら)して行き来が出来るようにして、後は港の整備だけど土地の確保したから人材募集中。誰かいないかな。

 今までこんなに広いところではなかったし、ピレーヌはもう草があった。

 新天地はお砂場だったけど(なら)して、山脈から持って来た土を十数Mも厚く掛けているだけだもの。そういうやり方をしたから土作りをずっとしてる。


 南のってハジッコまで行ってない。綿花と麻が手に入れば良かっただけで、かつてお買い物隊が行ったところまでで広い地域を何とかはしなかった。

 働かせる為に待遇を良くした村は他とは隔絶しといたし、それで良かったんだけど南進(航路)するためには港を造らないといけない。

 そういえば、こんがり鬼さんはどうしたんだろう。もうすっかり色が()めて区別が付かなくなっていて、製造を一緒になって楽しんでいるんだろうね。

 同胞を何とかがないから、きっと困ってはいない。働き者だったし農場でもちゃんとマトモな給金が出ていて僕らとのエンカも転職って扱い。待遇も他の人とは区別されていなかった。

 けど区別すべきだったんだよ。高度な読み書きに計算が出来て器用でチカラが強いから農場には必要な人達だったのにポワポワなのと同じ待遇だし、やりがいを提供出来ないから僕にアッサリ取られちゃったよね。

 聞くつもりだった元いた場所のアレコレを聞いてなくて、そういえばそういうのを収集してくれてた小鬼ちゃん達+1とは最近疎遠(そえん)になってたなって。

 どっちにしろ「できる」人達を確保しないと港を造っても変なのが居着くことになるから、こっちも場所だけかな。

本格生産はまず人材育成ってことにしてる。

それは出荷する道が出来ていないって事で空輸でも良いんだけど、やっぱりね。

少ないうちは十分だけど、運ぶってことは人の行き来が出来るという事。

行き場のなくなった元王朝があったところの人達がきっといるし、行商隊が

奪っても欲しいって思うものが他にもあるんだろうね。

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