表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
95章 夏だからやる気になったのかもね。
807/832

799 こんな事もしたね。5/1

5月1日 火曜(旧暦夏、夏っていうのはこんなんじゃない、とはいわない)

僕がいた西の方は、お日さまが高〜くにはならないで暖かい止まり。

なので夏のイメージは「あたたかい」だったんだけど、

この辺はもう既にあっつい日っていうのもあって、夏になるとジリジリする。

湿気多いし、ローストされているって感じがするんだよ。でもそれが楽しい。

いっつもな南の大陸では暑さが毒になるんだけどね。

 イベントをキチンとするってつもりなのに細かく行ったりお世話をしていないのは、きっと長くそれをしたいになったからだと思う。

 いつも企画して準備して人を用意してからヤル気にさせるというイベントの始まりみたいなことをしていたら自分達のものにはいつまでもなってくれない。

 だから失敗をフォローするくらいに留めるし、できたら関わりを薄くして「自分達でした」って事実を確実に得た方が良いでしょ。

 まあその前に謎の嫌悪の正体が分からないからっていうのもある。

 頼ってくるくせに嫌悪されるってヒドいって思うんだけど、そういうことを他の人達ではよく気が付くのに僕に対しては無いの。

 僕は結構気にしいだからイヤだなあはいっぱいある。ゴメンされてもどれのことか多すぎて分かんないよ。

 その人にとっては、たったの1つだけだったんだなあって。


 そもそもスケジュールしないとやってくれないってとこからなのは予算の関係だとは思うけど、お金の管理を信用していないんだから大丈夫ってさせて。

 まず企画書を提出って言っているのは組織の序盤だからで「昨年と同じ」にされたくないってことなの。去年の良かったところを伸ばして、失敗検討してより良いものを目指してくれないとこの先何年も続くってものにならない。

 学校に来て僕の講座を取っているんなら、そういうのもやったし分析の仕方は分かっているはず。

 僕も何年かだけだから、そんなに偉そうには言えないんだけど「やった」ことは解析もして対策も考えているから自信を持って説明はできる。

 経験を踏まえて成功と失敗をいっぱい考えるだけではなく、データを出来るだけ集めて偏差や思考に流行、今の受け手がどうなっているかも考慮してする。

 なので今やったとしたら当時の講座の内容と事例が違ってくるのは当然のこと。

 未来に向かって進んでいるんだから経験は活かさないといけない。

 だから出力が違うってことは仕方ないの。


 僕は詐欺師(さぎし)だけどウソはない。真実を言わないだけね。

 ノラリクラリするし、そう取られるように誘導もする。全部するのは現実的にムリだけど関わらないようにすると何もしないでボンヤリしてる。

 切り捨てれば良いんだけど、うっかり始めたことに責任があるし、盛り立てないと成長を止めてしまう。やること自体は楽しいんだけど反応が(自発じゃないってとこ)お人形で、個々の人には興味がなくなっている。

 なので、準備しまくっても「自分達でやった」という成功体験を積んでいかないとってワケ。そう仕向けなくても勝手に自分のチカラでやったって途中をすり替えてしまうんだけど、中身がスカスカだから実際やるとアレってなってる。

 物事の見識を多く得るのは失敗からだけど、僕はコケられないから調整して結果的には成功にさせるようにしてる。

 お花キャンペーンは失敗例なんだけど、アレで興味を()らせて、さらに安く広い土地を確保したから成功なんだよって無理矢理した。

 人材確保では育成ありきなのばかりで失敗している気がしないでもないけど、未来に期待したい。余計な自信がないのは良いことで色を塗れるってことだし、地方の人までバランスよくいたのは都合がいいの。

 心配のタネだったろうお(のぼ)りをさせることなく、それぞれが地元で活躍出来るようになれば、あちこちが花いっぱいになって学びに関心を持ってくれる。

 まあ花といっても収穫物だけじゃないんだけど。


 資格を取りに来た人達がどこそこ所属っていうのは免許(試験地は聖国)では、ほぼ全部にあったけど移籍希望とセットで、その全部とあと友釣りもしてる。

 聞き取りでは、仕事とは関係ない雑用が多いし徒弟制度のようで生活も束縛されているのに給金が激安。免許を取るような仕事は高給のはずで、高いユニフォームは自腹で、プレーンな貫頭衣に近い普段着は自作だったなんて、涙なくして聞けないような話しかなかったらしい。

 僕らの給金とか休暇制度、労働時間や雑用はないとか保障や研修や旅行に物品の割引購入、もちユニフォームは選べるし複数支給っていう福利厚生を聞いて泣いちゃう人は多かったみたい。

 商会は家族も含めて護るし、地元がいいならそこに仕事を作る。家族分のお仕事を斡旋(あっせん)することもできる。

 あと家族や親類からの縁切りを希望するというケースが少なくなかった。


 認定資格の方はそこまで(いた)れり(つく)くせりではないけど、聖国ではいくらでも仕事はあるし(他の国と比べて)当然条件は良い。

 大使館から変更した街計画とかなら住居((まかな)い付き)でお仕事の紹介をするから120%の予定人員を獲得して、クチコミでも増えていてホッとしてる。

 ワザワザ聖国まで来るような人は自信があるし、今は応用問題を(はず)しているんだから3倍くらい取りまくると思っていたから去年のゼロはショックだった。

 西はそうだったし「油ぎったデブと偉そうなのばかり」なら仕方ない。東は受かる人がまとまって出たから「もうヤ〜メタ」にはならなかっただけ。


 今年はグッと年齢が下がって偉そうなのはあまりいないらしい。逆に低姿勢過ぎとか、ビクビクし過ぎていて不正疑いでマークされるのが続出した。

 ウチの試験はお隣が近いから書いているのが見えちゃうんだけど、それをうつしても正解は出来ないよ。

 違う試験かもだし同じものでもそれぞれ問題は変えてある。

 分からないからって、そのまま盗むようなのは1ヶ所どころじゃあないので比較すると判明する。

 そういう人は受か(ることはないだろうけど)ってもスカウトは来ない。

 逆にがんばって回答してるっていうのも分かるから、そういう人には青田刈りの意味で声を掛けることにしてもらってる。そういう人は勉強の仕方や教材を得られればグングン伸びるし好ましい性質は何より得がたいものだもの。何も免許とかが必要なお仕事ばかりじゃあない。


 大使館は国の首都に確保されて、きっと良い場所なんだろうし、広めにしてくれたんだろうことは分かる。エラそうな人達が住んでいる場所なとこだろう。

 着任する人達にはそういう環境はウレシイんだろうけど、国の出先機関っていうのは国民のためにフトコロや便利や尊厳とかで働くんだから、ターゲットや国の利益や目的と違うのはダメ。

 お金持ちは顧客にしていないし、人材集めや売り先開拓の情報収集が目的でまだ渡航する人をサポートするっていうのは考えなくてもいい。

 まあそれでも用意してくれたから大使館始めてみたんだけど、家は倉庫?って感じのところで、ケラー(地下倉庫)は無いしベタ基礎で下は土だって。

 これだけの商品が入る建物が良いって、大工さんにそのまま伝わったから倉庫を造ったって事らしい。それで薄壁で土間というショボさなのは広めの土地取得で予算の大部分を使ったせいだそうで、それはゴメンナサイ。


 その国と聖国を繋ぐってだけで良いと思っていたんだけど、インフラ(道ガタガタで狭いし、きちゃなくて何かクサい。なにより水がヤバい)がねえ。

 街を改造しようって想いがちっともないから古い街並みを残そうねえって、じゃあお返ししてお(そと)に造ることにするよってした。

 去年、西方の試験合格者がゼロってこともあって、古いもの(権益とか成長を阻害するとか飼い殺しとか)がイヤってしていたのかもしれない。

 物語を書く人用に用意した設定では老師や大御所や年取った先輩とかがカッコ良く出てきて、手っ取り早く修行させてくれるとか、助言をくれるとか、立ちはだかる中ボスキャラとかにすると盛り上がれるよってしてる。

 決して成長を妨害する役割ではないの。

 リアルならザマアに使うキャラだろうけど、あの人達の地位が下がったりとか収入が減ることは無いだろう。何もしていないのにずっと安泰だったものね。

 庶民と関わらなくなって清々してるってとこで現実はそんなもの。

 安易にスキルが出たとか生えたとかで経験や苦労もなくチカラを手にして、みんながスゴイスゴイってだけの話はボツにしてる。つまんない、もっと考えて。


 突っついてみても中途半端に関わるのは手間だから思いきった手が取れない。

 だったらイチから造って、ちょっとずつ呼び込むくらいの方がそれぞれで運営出来てラクだし、街がクサいとか汚いって思わなくて済む。

 聖国は賑わったけど、聖国圏でみると受験者は全体としてはわずかで誘い込みに遊びやファッションとか揃えてはみたものの春の試験の時くらいしか募集はしないことにした。闇雲にして変なのが来てもヤダし、出し惜しみで価値をあげる。

 最初はすぐお隣に造るつもりだったんだけど、特別価格(厄介払(やっかいばら)い)だから商会と隣街くらいの距離にして、間の土地全部、広々周辺もお買い上げにしてる。

 街の(きわ)まで広げて乗っ取るというメッセージなんだけど、気が付くことはないだろうね。

 今までとは違って記念日には(こだわ)らない。

 そこまで気持ちが上がらないのにやるから、どうでもいい日になっちゃっているんだろう。やるとしても始まりは都合のいい日にしちゃえばいいし、そんなことより楽しむ方が大事だよねっていうのを今ごろやっと気付いた。

 遅いよねえ。いつもそう。


 今日は5月1日で、暦を国で採用したからお祭りにした日。反発があったり楽しんでくれたりはあったけど、それで仲良くしてもイイかなって人達を見つけた。

 残ったのは5つだけで東はさらに拡大できたけど、自発的という感じはなくて用意してないと成立しないかもになってる。

 盛り上げしてくれたほとんどが抜けて内陸の方に消えた。

 残りの人達は受け身なところが不満だけど、長く続けていけば浸透するものだろうとパッケージにしてやってしてる。

 同日にするのがもったいなかったし見届けたかったから違う日にしてみた。

 集客はまずまずで、お祭り好きな人が掛け持ちできて、踊る人不足も解消。

 規模縮小をしないで済んで見映(みば)えするものになった。

 小さくした街にいくつものお祭りは不要な気もするし、演者に負担を掛けるのは良くない。人のサインって分からなくてそれを汲み取るのってムリ。

 ギルドが商会傘下になっても、元の人達がやりたいにならないのなら意味がないし、事業の視点でみれば当事者の熱意がなく、スタッフを集めるのが別な人達では道理が通らないって感想は当然だろう。

 とても良かったって賞賛だけ持っていかれる。僕からのアリガトはお手紙とオゼゼでコレが一番腹立たしいだったらヤダな。

 実施日の希望を聞いたけど出てこなくて、それはそもそも実施するのって聞いても要領を得ない。去年はやると言われたからやる感があって、ちょびっとの自分たちのお祭りという意識があっただけ。


 冬にスケジュールを公開した時にお祭り部分は「予定」ってしてた。その意味は見たまんまで要望書と企画(費用見込み)案を出さないとやらないよってこと。

 お祭りはみんなで持ち寄ってやるものってカタチではないものだし、始まりは押し付けだったから商会がお金や資材の準備をする。やるのは地域の盛り上げって趣旨だったから必要なくなっているよね。

 要望書と企画書に効果予想も付けてきたのは、銀行(旧商業)ギルド、保険ギルドだけ。農業ギルドは実施が決まっているから出すのは当然ってことで今回はしっかり利益を出せるような計画にしないといけないからダメだしをいっぱい。

 去年は新聞とか広報と連携して、高額な投資をしたけど何が何でもマイナスにはしないって出来る手は全部打った。

 不良債権なヤル気のない村を切るつもりでいたし「ウチは民間」アピールして役所の人達もこれからはそれの面倒をみないといけないから首長指導の(もと)、すぐに再編計画をして春に組織を改造したはず。

 大変だったことを忘れてしまったのか、やってなかったのか。前のアレだったら納税(物納)は大変だったはずだけど、(よう)|(労役)ばかりだったのかな。

 以前はこうだから、こうしたいというのは前の状態であってもムリ。扱いは農作物だけだから労役や調(特産物や布)も担当外なので再編、連携は必要だった。

 隣街では(かいこ)に麻とかも引き受けているけどオゼゼに変えるし、ギルドに納品した分もそうで、それをそれぞれが納税するようにしてねって。

 全部農作物なら代行は可能だよっていう便利さで優良農村の囲い込みをする。

 オカネは何にでも変えられるんだから大いにムダ遣いしてねだし、それをするためにいっぱい働くってモチベにもなる。収量を上げて失敗しないためには特性や病害虫の知識、対処方法、肥料や土の調整もしないといけない。


 農業はカッコいいんだから、もっとファッションにも気を配って欲しいし、農具はキレイに使って、なりたい職業にしてね。

 カエルの子がカエルになるかどうかを決めるのは子ども達で、親の代までは選べないと思い込んでいたけど選択はいっぱいあるよって提示した。

 ハーフミリオンいたのが1万ちょっとになってるんだから、他のトコと比較して多いけど土地のポテンシャルを考えたらやることだらけってこと。

 いくらでも仕事はあるし作ることだって出来る。でもそれを支えるのは農業ってことを忘れないでね。

 今日を(こよみ)の日ってことにして、一応あるってだけの日。現行政権の建国記念日になったはずだけど、決別して知らな〜いにした。


 そう決めたし、囲った人達はしっかり指示通りしたから秋の収穫は豊作で、来年はそれを越えると予測してる。学びはチカラで肥料やクスリはすごい効力を発揮するはずなのに導入はこれからだもの。

 ボケっとしてるくせにやることの負担で及び腰してて、イマイチ対応が後ろ向きで遅れがちなんだよねえ。

 西地区と東地区の収穫の違いは東が素人っていうのもあるけど、う⚪︎こ肥料ってとこが大きい。ギルドでは今年度から全員のオナカの虫調べを毎年する。今年かなりの割合でアウトだった。それもあって肥料やクスリを推奨することにしたよ。

 契約農家はとにかく言った通りにしてくれるから、実験を兼ねた生育をしてくれているの。僕は知識だけいっぱいあるけど農業を始めたのはついこの前なので、経験が足りない。それでも色んな場所に行ってそれぞれの工夫を吸い上げて、それぞれのとココの最適解を探している。

 とりあえず人糞は使い分けがキッチリできないなら禁止。回収システムをして焼却処理後に利用にしてる。

 何が悪いのかの特定は完全には出来ていないけど、ダメっていうのはいくつか見つけているよ。結界設定には罹患(りかん)しないと出来ないから、僕だけがあらゆる病気になっていて、虫イタタも体験している。

 風土病の聞いたのは全部で、ケモノには嫌われない僕でも病気になったのにはガブガブされた。それがレイビース(狂犬病)ってことだった。

 街に結界の設定はしないつもり。聖国は結界のせいで危機感が薄いし、軽い熱病にも重い症状がでるくらい病気に弱くなってた。

 一時切れたときには軽い熱病が流行(はや)って何人かが亡くなっている。

 それに必要ないからって医師もいない。クスリの研究者はいても人々に処方する薬師はいないんだよ。

 大事にされない記念日が可哀想って色んなことが浮かんだんだよ。

まるで僕みたいって思った。

華々しく国の誕生日になって、これからはみんながお祝いしてくれるよって。

そうなるはずだったのに今は覚えている人もいないし、

最初にお祭りしたのが今日だったことも忘れられている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ