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空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
94章 イベントはしっかり楽しみたいな。
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789 記念日は楽しいはず。3/21

3月21日 木曜(晩春、暑いところから涼しいとこに来たよ)

お祭り荷物セットを置いて「やってね」してサヨナラってした。

出来ていた荷物を取りに来ただけって、お呼びでないのにゴメンネ。

あくまでもお仕事関係なんだから、村の娯楽に干渉するのは終わり。

3話も使ったのにほぼ会っていないし、1日しかいなかったね。

 スパイスの村では荷物をドサリ置いて、お祭りやってねってしただけ。

 鬼さんなら楽しいことを用意されたら存分に楽しんでくれるので、フルセットで用意した。機材や屋台は再利用できるのでキレイに洗ってキレイな油を薄く塗って(たた)んでしまってね。

 去年の古いのは回収。今年のは改良してもっと簡単に組み立て出来て、しっかり強度もある。そうすると次もって思ってぞんざいにするかもだけど、内々のお祭りだし参加出来なのに次はしない、ちゃんとお片付け出来ないのは論外だよ。

 動物達とのいちゃいちゃならいつでもウェルカムみたいだし、相手してくれるのはうれしい。ちゃんと時期をズラしてもっと来るようにするね。

 来年のお祭り準備は自分達でするかしないか決める。押し付けされたモノだからやる気持ちが最初からなかったかもだし、やってない村の方が多い。(僕調べ)

 秋にするのが多い収穫のお祝いもおそらくしていないし、ここなら何回もある。

 面倒と思っているのかもしれない。

 僕にはそういうのは分からない。もっともっと面倒な準備が要るようなのだって楽しいと思うししたい。村が一体となってやり()げるっていうのはとってもステキなことなのに準備を楽しめないとか、片付けで余韻(よいん)を楽しむとかがないなんて、用意されることをツマンナイって思わないのかなあ。


 気持ちはどうあれやるしかない。用意された食材セットって冷凍のだから暖かい気温で解凍させてる。保温箱に入っててゆっくりだけど、解凍しちゃったのは使い切るしかないの。たくさんのカット野菜に肉、業務用の一番でっかいソース缶って使い切れるかなあ。

 ド〜ンって始めちゃったら、もう終わるまで焼き続けるしかない。

 パラってしたのを空炒(からい)りすると、オナカに響く香りがずしりとくる。そこに野菜を投入してジャジャアして全部を混ぜ混ぜ。

 そういう香りが集合すれば、及び腰だったのも前のめりになる。

 匂いと食欲は僕のテーマのひとつにあって、ずっと追求したいものだから始まってしまえばお祭りの成功は決まったようなもの。

 そこに思いがあるのかっていうのは別。ごはんしただけならピクニックよりも何もない外ごはんしただけで絵日記にも書かれたりしない日常のある日になるだけだろうから、そこに「何か」が必要になる。去年はやらせた看板がナゾだったし、言葉勉強中の人達だったから意味不明だった。あれの意味を感じてくれなかったみたいで今回のこれが記念日とは思っていないだろう。

 まあ予想通りだったけどね。


 でね思った。僕が必要にしてる季節や記念日を楽しむっていうのは、不安からで確認しているんじゃないのかなって。

 ここにいた、この時にいたよって誰かとか自分とかにマークを付けたいだけなんじゃないかっていうことで、やったってことを思い出の代用にしてる。

 満足しているとか、何も思わないで毎日を過ごしているのなら、やらない感覚も説明はつくんだけど、それで進歩があるとは思えない。

 やっぱり(こよみ)は必要だと思うんだけど、これは気持ちの問題だし、どうすれば良いのかは分かんない。

 まだまだ想定の規模ではないし、子ども達には外に目を向けて知識やスキルをたくさん獲得して欲しいんだけど、外のリアルに関心を持つのはちょっと危険。

 外は大人の事情が多すぎて混沌としてるから村で賢い農民になってって思うんだけど、それを伝えることはできない。石を投げられるくらい嫌われている。


 存在を否定されて、ぞんざいにされたとしても居場所探しは得意、軒下(のきした)、茂みの(かげ)、書庫や倉庫の(すみ)っこ、お日さまがある時は屋根の上も温かいよ。

 ずっと一人遊びだったし、一緒できるように練習するのは楽しい。

 スポーツのルール作りはそれの最たるものだし、検証とかスポーツ大会より前に誰かとやったような気もする。

 そうじゃないとテクを思いつくことはないだろうからねえ。

 ずっと(さび)しがっていたけど、気がついてみれば常にオトモダチに囲まれていて、最近では動物たちも集まってきてくれる。

 ひとりじゃあないって分かると、いかに今まで人にウザ絡みしていたんだって気がつくし、押し付けしていたんだなあって。

 まあ、僕だし気持ちは理解できないんだから止まってしまうくらいなら押し付けはするだろう。そうして反応を返してくれないと分かる感情にはなってくれない。


 原っぱのとこは雑草ではなくムギがワサワサとしてる。広さが何倍にもなっていて、去年の人寄せ用に試験栽培したのも収量がまあまああった。

 放牧流民の元は農民らしくてヒツジのお世話はお粗末。あちこちの土地をハゲ地にしてきた。根こそぎしたら元に戻らないんだから、その辺コントロールしないといけない。それは他の動物だって困るんだから、オオカミがチョロチョロするのもコラ〜って意味がありそうだなあって思っちゃう。去年から国中、その他も集めて定住しないって誘っているんだよ。

 去年のこの時期に集まれってってしたのをどうやったのかは知らない。明らかにお知らせする手段がなさそうなのに、次々と期日近辺にやってきてた。

 暦は持ってないはずだし、どうやって日にちを逆算して辿(たど)りついたのかは謎。

 僕が用意したのはタネと農具と家のセットがたくさん。サンプルでちょっと畑を作ったくらい。そのワサワサ具合がウケたらしく定住ご成約となったらしい。


 適当に耕して肥料とか土壌調整剤は入れてなくて、モロコシやムギやマメくらい。改良した品種が土地に合っているかのテストもしていたから、ほぼ()

 実り具合で5倍は確実だったと思う。

 この辺って広い平原なだけで何にもない。ヒツジを放牧して、肉やミルクに毛をとって、所々にある村で穀物やイモを得るとかだろう。

 着ているのを見ると糸取りはそれほど上手くないみたいだけど毛質は良さそうだから、じゃああれもこれもって皮算用してたのが去年。

 ヒツジの品種って結構あって、連邦の地域でも良さそうなのをみつけているし、羊皮紙を一般書類用に使えるくらいあちこちに品種はいた。

 聖国の品種が素晴らしいって思っていたけど、毛を取る用、肉用、両方なここのヒツジとか色々いたんだよね。

 聖国の品種が特別に細かったのをさらに細く改良したのをヒツジの村で育てている品種でこれは外に出すつもりはないの。

 それはね。毛の量を増やす方向に改良しちゃって皮ふがダブダブだからお尻が汚れやすい。きっとそれだと不衛生でなる病気をして飼育効率が悪いと思う。あの村であれば毛質を痛めずにいつも清潔でいられる。他では育てられないだろうね。


 1周年の後にどうなったのかは知らない。仕事ならするっていうんならスケジュールがあれば良いだけでしょ。

 何か特別なことをすることはないし、水稲は合わないなあだから陸稲は品種改良中でヒマワリやリネンやマメにイモっていう失敗のないものだけにしたしね。

 定住を選べばムギだけじゃなく野菜や布にカミ、針や糸、工具類っていう定住生活に必要だろうというのを追加でどうぞした。

 これから住もうとする人達にはそれだけで十分で文化するのは落ち着いてから。

 グルンワルドを造った時に家は箱な状態でっていうのはあの時の僕の精一杯で花と家の壁に絵をつけたくらいで、石畳は()っていたんだけどっていう他には何もありませ〜んだった。

 ベッドや棚、机を運ばせて失敗したって思ったくらい。宿をしてその時聞いたツブヤキや宿泊ノートを見て希望を聞かないのはダメらしいってやっとね。

 でもあの時に何もしなかったとか手間を掛けさせたというのはある意味では正解だったみたいで、宿ならそのまま快適なのは最高だけど、住む家は自分で組み上げたいものなんだって。


 それで宿のお楽しみに考えたキャラ部屋作りから商品化したものが、安く快適な家づくり役立っている・・みたい。

 庶民の家づくりだと壁を厚くするのは大変だし手間だし、湿度の高くなるような土地、柔らかい地盤には向いていない。

 東の土地の家づくりは素晴らしいけど、庶民はそれを使えないのか使わないのか活かされていなかった。

 街に行くほど家がつまらなくなって、湿気に良くないし災害に弱くなるのにベタっとそのまま立てて地盤に杭を打ち込まない。

 西から来た僕らにとって地下室はマストだからだけど、そのまま造ると湿気いっぱい溜まる。地面からの湿気を避ける(逃がす)ために古い建物が下に空間を作っているのを取り入れたりね。

 もうじきやってくるっていう災害のために木材を調達して、材料になる期間を短縮する方法を考えたり、早く建てるためにパネル工法を考えたり、調達先を増やしたりしてた。お仕事が増えれば子どもを売ろうとは思わないでしょうって。

 住んでいたとこは寒さ対応っていうのがテーマにあって、かといってヌリヌリペタペタをしては家が重くなるし、もう一方の問題の湿気対策ができない。

 壁が板だけだと筒抜ける防音も何とかしたかったし、そういう機能をもたせたのを組み込んでしまうっていうのを考えた。パネルには最初からそれを詰めておけば良いんだし、軽く出来たので一人でもラクラク建てることが出来る。

 表面の仕上げはカミ。上質な板とか仕上げとかはプリントなだけっていうのはキャラ部屋でペタリしたもので、その使い道を見つけたのは住んだ人達の方。

 ヌリヌリは養生期間が要るし、ニオイが抜ける期間もあるから、安っぽい板にプリントのでキャラ大好きにしたり森とかソラとかだと楽しいよって用意した。

 なのにただの木目とか塗装後みたいなのばかりが売れる。そっちの方はネタでこういうのもあるよで作ったものなのにね。

 どうしても木が良いなら、薄く切ったのを使えば良いだけ。

 まあそれで表面仕上げのない素パネルが普通になった。


===

 生活の不安がある放牧ではなく、昔だけど記憶あるとかジジイに聞いていたとかいう土着生活を選んだ。

 良い草を求めてフラフラとさまようことはもう終わり。

 暖かいうちは草は育つし適当にしていても何とかなるって思っていたら、いずれ冬が来てしまう。出来る事をして冬、春までの備蓄をしないとなんだけど、いつもサボって冬が大変で何もない春になることの繰り返し。

 地面を掘り返されるくらいまで草を喰わせてしまうと当分草が生えなくなる。

 春に草原が復活しないようにしてしまって、また移動するの繰り返し。

 長く滞在したいなら、ヒツジの管理をしっかりっていうのは無理だろう。アイツらは根を掘り返すまでしたところが元に戻らないってこと分かっていないし、おれらはラクだからって移動するのをサボっている。それが土地にいられる時間を短くしているって分かっているのに。

 流浪だからって言い訳にして、土地をハゲ散らかして移動して初めての場所でハゲ地を見て、自分達だけではないという安心もしてた。


 ある冬の日に鬼の商隊がやって来て、ろくに欲しいものを買えずにムムムってしていたら、こういうのがあるって定住地を勧めてきた。

 農業が中心となるけれど家や必要なものは用意されて、今まで通りヒツジを飼うこともできて違う事もできる。その時は買い取るといつものように淡々という。

 生活は確実に向上するし、もし不作になっても食べるのに困らないものは届くだろうって、なにせ巫女(みこ)主導の事業なんだからって耳打ちされる。

 こういうことは得意じゃなかったのにすっかり誰かに染まっちゃって、イイヒトムーブしていたのがスッカリ(したた)か。

 やるのやらないのがいると面倒って言いそうだと思ったとか。

 最初ちょっと迷ったりした。なのに村中が行くってなっていたんだけど、そっちはカミに書かれていた絵がとてもハッピーにしていたからだろう。

 流民に読み書きは必要ではないし、難しい事も知らない。普段笑うようなことは起きなくて変わらない毎日が延々と過ぎていくだけ。笑顔いっぱいな生活は考えたこともなかった。だから希望を持ってしまったのかもしれない。


 少しの常識人が向かう道すがらいっぱい心配をしているんだけど、おかしなことが起きた。遠くからチラチラ様子を伺っているオオカミがずっといる。それはいつものことなんだけど、はぐれたヒツジを襲うことなく群れに戻そうとしてる。

 昨日は盗賊が出たんだけど、オオカミがそれを撃退していた。まるで護られているようでっていうのはその通りって思った。

 今朝、子どもが見当たらないって村中でオロオロしていたところ、ぶら下げられて母親の前にポツンと置いて去って行った。

 あまりのことに皆が凍ってしまっていて首をかしげる仕草をして、子どもはキャッキャッしている。

 今までならオオカミ達の朝ゴハンになっていたはず。

 そういうことがなかったから遅れることなく集合が出来たというわけだ。


 着いてみたら多くの部族がいて、飲んで食べて、農業を真面目に聞いているのもいて、踊っている。

 ケモノの声がした方を見るとオオカミ達があつまって食事をしていた。

 聞いたらここで飼われているということではなくて、仕事料だとかって良く分からない。何か水しぶきが上がっていて、アレは水浴びだとか。

「ずいぶん待遇が良いじゃないか。いや確かに道中は助かったが」

 ニヤニヤして「なんだ水浴びしたいのか。ん〜まあ行ってみろ。あそこだ」

 大きな建物だなあって何人かと連れだって行く。

 ガラリ開けると「おや新顔だねえ。今日来たのかい。あんたらはこっちでこれを持っていきな」と分けられてしまった。

 また中にいて服はここで脱いでカゴに入れて、まず身体を洗ってから湯池に入ってとかで何かチンプンカンプン。人前で裸になるのがイヤならこれ巻きなって受け取ったのと受け取れなかった自分。

「まあ先客のマネすればいいよ」ってまたクスリとされる。


「「「すげ〜!」」」って思わず。壁の向こうからも似たような声が聞こえる。

 いやだって、何か暖かいし向こうに広々見えるのは湯だろう。部屋があたたかなんだから、想像はつくというか「湯池って、そういえば」

 ビックリしすぎて頭に入ってこなかった。初めてと聞いてクスリしたのも驚くのが分かっていたからで、まだまだ驚くことが多そうって思った通り。

 持たされたタオルでまず驚いて(おけ)の美しさで感心をして、それがうるさかったのか、お節介なのが石鹸(せっけん)の使い方を得意げに話すんだけど、それを何度も驚く。

 ザバーッとして湯に入ったんだけど、道中見つける池は触ると凍らされるって思うほど冷たいのばかりでとてもじゃないけど()かれるのは少ない。

 温めてとはいつも思っていたくらいで妄想の中で温かい湯とか考えたこともあったとか、会ったばかりのにそう話すほど心がうわずっていた。

 どうやら昨日着いたそうで、同じように驚きまくって鬼達に笑われたのは一緒らしい。入口のオーガの女性は男女を分けていたんだそうで、そういえば何でって今頃気付いたりした。

 よっぽど南に行かないと池に入ることはないし、その時はみんな服を着ているから男女を分ける必要はなかった。

 人前で全部脱ぐのはそういえば初めての事、恥ずかしがるのはいたけど別にどおってことなかったな。


 来ている部族はたぶん昔は国だった地域の全部から来ているようで、全ての人達が来ることを予定してた。

 自分はそこまで色んなことを考えてなくて、これで奴隷にされたらどうしようや軽率だったとかしかない。オオカミが大人しいことも不思議だなあくらいで危機感を持つこともなかった。

 説明を受けたはずなのに覚えていることが少ない。今までは記憶の中で全部処理しきれたことばかりだったけど、こんなに覚えきれないことばかりだとどうしようと思って少しずつ覚える部分をみんなで分けようとしたくらい。

 でも飲んだくれてまたいっぱい忘れたってことを明日悩んだとかは無いだろう。良く考えるけど、あれはヒマだからでいつも同じ。

 何か思いついても放浪民じゃあ無理ってあきらめるのも日常だった。

サブライズのつもりではないけど、これからを印象付けることになるし

せっかくだけどってなるのを防ぐことになる。

村人と野盗の違いはケモノを狩るか、人を狩るかの違いでしかない。

ここに法のような常識とはを持ち込めない・・今まではね。

これからは野盗は悪ってする。

人を狩りの対象にしてはいけないという僕らのルールを広い地域の

当たり前にするんだよ。

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