表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空気(ぼく)たちの町においで  作者: うえぽん
94章 イベントはしっかり楽しみたいな。
796/843

788 2回目だからコッソリ。その3 3/20

連れてきたっていうか、うんって言いそうな子を選んで承諾を取ってる。

こうしておけば、拉致ではないって思い込むし、

すすんできたんじゃないかって誤解をする。臭気でちょっとアレ。

その子のモノローグから始まるよ。

 生まれの事は良く分からなくて、いつの間にかいて仕事の融通をしたり、小さい子を助けたりして何となくの仲間だった。

 じっと耐えるばかりで、叩かれるし(くさ)かったけれど、居心地のいい子達っていう居場所が出来てきて、言われたことを分担してするってだけ。

 おなかが減れば何かを食べてその辺で寝て、起きる。その繰り返し。

 何も考えない。誰かの笑い声が聞こえる。笑ったのっていつだっけ。


 ある日起きたら別な場所にいた。(さら)われたみたいだけど「村に来ない」って聞かれて「うん」って返事したっていうから、そうじゃないのかもしれない。

 ゴハンはスパイスが入っていてとても美味しい。果実の飲み物、スッとする飲み物にサクッとする何かがあって色々。夢中で食べた。

 しばらく食べ物の余韻(よいん)(ひた)っていたら「こんどはこっち」

 ()かれて、バシャッと掛けられて柔らかいブラシみたいなのでゴシゴシされるのを何回かして茶色かったのが白いモコモコになった。

「うわ〜そうとうスゴいねえ」きゃっきゃってしてる。

 輪っかを付けて頭をいじられていて、周りを見たらみんな茶色い何かが出てる。

 さっきは目をぎゅっとつぶっていて分からなかったけど、輪っかがあれば目に入らないらしく周りを見る。最初は茶色だけだったのが段々と白くなっていくのが面白いなと思った。

 シャーってされて、またゴシゴシを何度かして「こっち」白いとこにちゃぽん。

 じっとすると「ああこれはクスリの水。シュワッとして楽しいでしょう」

 眼をしっかり閉じて〜、息吸って〜、頭まで入ってねってジャボン。

 出て拭かれて、ぶわ〜っとした風でカミをバサバサされるのは気持ちいい。

 小さい布を()いて、バサリと(かぶ)せられて、チョキチョキって音が遠くに聞こえていて「はい出来上がり」で目をパチリすると目の前には、お嬢様がいた。

「これはミラーってもので、いるのはあなたよ」

 つやつやのくせ毛で薄い茶色、何か髪に付いていてソレが可愛いと思った。

 周りのも淡い髪でこの辺の髪色の黒ではない。黒くてペッタリだったから土地の子って思っていたけど、どうやら混血ってことらしい。どうでもいいけど。


 名前を書きましょうねって、棒を持たされてしばられる。カミが動かないように左で押さえて見た通りに書くだけなのにうまくできない。

 ダメ、これもダメって書かされて、ようやく似ているのが出来た。

 これがあなたのお名前で正しい持ち方、しばってゴメンネって。

「はいどうぞ」朝のとは違うものでシュワッとする。

 コクコクって飲んでしばらくしたらブルってした。

「じゃあこっち」

 小部屋がいっぱいあって、ひとつに座って「はい出して」

 ううんってガマンを止めると、もにゅもにょってお尻からと前からもで、いつもは何かひっかりがあるのにスルっと出る。

 そこってボタンがあって、青いのを押すと「ひゃっ」水が出た。

「これで洗ってウン〇をキレイにする。もう手ではしない、絶対守ること」

 あとこれってピンクのボタンでは前の方から出た。ハテナ。

 カミをちぎって尻を拭く。お金持ちがそうしてるって聞いたアレだ。

 壁のボタンに手を近づけるとジャ〜って流れて行く。ハテナいっぱい。

 小さい布を引き上げて、言われた通りに手を差し出すと白いモコモコが出て洗って、となりのから水が出て泡を落とす。

 手を差し込んでブワ〜っと「これがトイレの仕方で、手の洗い方。しょっちゅう手は洗うことになるから、もう一回しましょうね」


 やらされるのは木や草の世話、家の中で仕分け。それと読み書きをする。

 今までは暗くなってからは寝るだけだったのにゴハンを作ることをして食べて、お風呂してみんなで少し遊ぶ。

 この前はコムギをコネコネして翌朝パンを焼いた。

 最初にお世話してくれた子は実はお姉さんで小鬼って種族、その子に怒られているのがオーガって種族で年下らしい。そういえばどっちもツノあるね。

 読み書きが出来るようになると計算を始めてドリルっていうのをする。

 表紙の色が違うので隣の子とは、たぶん内容が違っていて、それぞれの性格が違うっていうのを最近気が付いた。色んな子がいたってことはあの時は分からなかった。やっていたのは汚くて臭くて、病気が怖かった。

 病気はとつぜん暑いとか痛いってなって肌がポコポコしてきたりして、しばらく苦しむと死んじゃう。何人も見て来た。怖い、死にたくない。

 みんなが同じでそこに違いはない黒いゴミみたいだったけど、カミの色や肌の色に顔つきだって違っていたことを来るまでは分からなかった。


 計算が得意な子、本を読むのが好きな子、木のお世話を楽しそうにする子、虫が好きな子とか色々いる。今、興味があるのがチョロチョロしているリスたちで高いところにいってフワリ飛んで隣の木にいく。モモンガって種類らしい。

 成長の悪い実をポロンと落としたり害虫を獲ったりする仕事をしてるって、どういうこと。

 ちょろっとネズミが足を抜けて「ぎゃっ」ってしたら、バサバサッとオオカミが現れて追っていく。

 ゴハンの時にその話をしたら「北の方はトラがいるよ〜」「南はゾウが出る」とか「虫が仕事してるって聞いた」「動物達のトイレあるよ」にフ〜ンって。

 その辺でジャージャーブリブリするだろうし、猛獣が襲ってこない方が変のはずなのに何で平気にしているんだろう。

 あの日はみんなが口々に言い始めて、ワケ分から〜んになった。


 そしてとうとう見つけてしまった。

「動物達のトイレ」(読めるようになった)って建物があったし、それに入っていくトラにリスじゃなくてモモンガ、あとオオカミ。

 それを大人に言ったら「あ〜あれか〜不思議だよな。あそこ以外にはしないんだよ。そんであれは肥料に使ってる」「フロも近くにあるぞ」って。

 またそっちで作業した時に連れだって見に行くとゾウが連れだって入っていく。

 中は広い池があって小部屋がある。薬湯ってとこを除いたら前に見たのとは違う小さめのが2頭いて気持ちよさそうにしてる。

 シャワーとか乾燥するのとかもある。

「あれってデカくて気持ちよさそうだ」とは思えなくて、大きくて怖かった。

 そういえば臭い街にあったボロボロ落ちているのを見たことがない。


 しばらくは探検がブームになって運動するだけの大きな建物を見つけたり、下に線が引いてある広場を見つけたんだけど、しばらくしたら「今日の勉強は運動」の時に使った。

 最初はグルグルカケッコをして、大縄とびやドッチボールをしてスポーツをするに進むからルールを覚えてねってバサリされる。

 スポーツ自体知らなかったし、大会を世界でしている事は知らない。

 つくづく狭い世界で「生きるだけが目的」なんていうツマラナイ時間を過ごしてきたんだと思う。

 ここも閉ざされた村で同じようだけど、各地からのニュース誌、新聞というものが届くから情勢は居ながらにして分かる。まあ解説してくれる人がいるからね。

 読み書きを始めた程度では難しい言葉は知らないし、言い回しに比喩(ひゆ)というものが出てくるとお手上げ。

 元々この地域は一度冒険者に占領を受けて言葉を変更された経緯があって地元ととの言葉のズレを無理に修正した結果かなり怪しい言葉になっている。

 居たとこは各地の方言がごちゃ混ぜでブレがヒドイからみんなに通じるっていう言葉がなさそうっていう場所。それで外からのも各地なので、共通語を使ってはいてもブレブレで収拾が付いていない。そのせいで認識がズレて矯正(きょうせい)に時間が掛かるってワケ。

 子どもでもそうなんだから、おとなだとすっごく苦労しそうだね。

 なので読み書きが正確というのはこの地域では価値がかなり高い。ぜひマスターしたいことかな。

===


 やっている仕事は農作業だから合わないのはいる。

 本当の農業は高い知識が必要で気象や地層学に薬学があって深い洞察力が必要というクリエイティブでセンシティブにワクワクする。

 囲い込んだ商人達に事務所を新設して拡大するんだから、物怖じしない将来有望な人材は必要でしょって紹介する。

 大人の人材って下層で安いけど(しつけ)がなっていないし言葉が変だから荷運び以上はまずできないし、見張っていないと先の事を考えずに持ち逃げとかする。

 マトモなのは地域の価値観や宗教に染まってて使いづらい上に高い。

 少し幼いけど、言葉は矯正(きょうせい)中だしマナーも簡単なのは仕込んである。勉強熱心で(ひも)は付いていないし、地域の変な風習も外してある孤児だよって、悪い事をさせないんだったらあげるけどってしたの。

 ウチのメソッドは促成だから街のドブさらいだったのは微塵(みじん)もない。モノを知らないけど無垢(むく)と言えるし、田舎にいたらそうなるって思うワケ。

 キレイな姿で上品さも出ているんだから口を(すべ)らせても冗談(じょうだん)だと思うだろう。


 村にはまた新たにやって(拉致して)きて、僕が来るとゴッソリいなくなる。

 お別れ会はしたみたいだけど気を使って詳細は言わなかったみたい。

 単に村の取引先の商会に転職しただけなんだけど、鬼さんは事務的な態度だし村の若手には話を通してないという連絡不足。

 まあそれで僕が恨まれることになったのは知らなかった。

 キャッシーは鬼さん達の村って認識で村長だった人やラミアさんが何人かいるときにコンニチハはして説明もするから、当然住民全員に周知してあるよねって。

 東の商会では辞める人達のことはクローネでお知らせするし、割とほぼなんでもオープンにしてる。最近は僕のスケジュールや(こよみ)も復活させた。

 だからチェックしていないのがいけないに出来る。人が多くなると隅々にまで伝達するのは難しいよ。

 周知のために集まった時にいうのもあるけど、目の前にいて聞いてない、サインさせても覚えていないっていうのは、人には良くある。

 掲示板が使われていないよねとか、大切な仲間なのに聞いてないのはどうしてだろうねってことは言わない。誰かを悪者にしたいだけなんだから「犯人捜し」は要らないんだってこと知ってるよ。


 そういう伝達不足をタマにしか来ない僕を言い訳に使っていることは知らないから、村の若手や保護した子ども達が僕に冷たいっていうのもいつも通りのこと。

 ケモノが僕にしか慣れていなくて、村民が障害物程度の認識で近寄るとキバを()くって態度が気に入らないといわれても僕も理由が分からない。

 健康診断するからとかブラシするから触らせてねっていう。もふもふしたいだけというのはなくてオオカミやトラはゴワゴワだし、ゾウはカチカチ。冬毛のウサギみたいなのを期待してもガッカリするだけ。

 良くない態度というのは伝わるから、村の人は意識はしていないだろうけど本当に必要としないときしか来ないのもそういう理由なんだよね。


 去年のお祭りの時に資材を持ってコンチハはしなくてコッソリ。

 その前の時にお馴染みの憎しみの感情で石を何人かに投げられたことがあったからで理由は分からないまま。

 お祭りでは遠くからみてやっているで十分。寄りつかないまま帰るつもりだったけどケモノ達が視察に協力してくれて、詳しく見ることが出来たし楽しかった。

 1頭とか2頭だけで時々よろしくねだったのが家族ごと来てくれたみたいで、10KMくらい拡張しておいた。村の人達もお仕事がんばってくれて畑が広がっていて、不足しがちだった綿花畑がど〜んってあって不足は解消しつつある。

 移動の方法は必要になるなって、ちょっとだけ思ったけど感じの悪いところが順番としては後回しになるのはしょうがないよね。


 お祭りで打ち解けるとお口も軽くなる。それでポロッと出て行った子達の様子が話題に出たらしい。

 出て行った子は取引がある商会が拡大するから幹部候補としてがんばっているって話で、新たに清潔な集落を作ってココと変わらないか、もっといい生活をしてて希望いっぱいなんだよって。

 もちろん全員ではなくて、意欲がなくてどうしようもないのは街に戻した。人手不足の今は食えないことはないだろうけどどうだろうね。


===

 確かに何もしようとしないのはいたけど、街ではどうだったけって。

 居心地だけであそこにいたから誰が何をしているのかが思い出せない。今もそんなに他の子達に関心があるわけではないけど、話をたくさんするようになったからか仲間という意識だけある。けどそれだけ。

「行き先のこと聞いてなかったのか。同じ部屋のヤツもいただろうし仲良くはなかったのか」でハッと思った。

「わ、わたしは聞いてた」「おれも」

「なんであの子を嫌っているのかが分かってなかったけど、なんで」

「行っちゃった子には農業は退屈でしょう。商売してる取引先の商会に行ってみないって、ひとりずつに聞いて説明をしていたよ」

「優しいなって思った。だから嫌う理由が聞きたい」


「ねえ、お兄さんお姉さん達は何で。前の生活は大変だったって聞いた。変えてくれたのにどうしてキライなの」

「けもの達がいないから探したら、ずっと遠くに来ていて囲まれてた。ゾウに乗ったりトラに乗ったりしてイイナだった」

「前はちょっとは触らせてくれたのに、アノ子をあっちいけした時から近づくと(うな)るし無視するようになった」「あ〜あたしもそう思った」

 なんだどうしたってラミアの人達が来て「あの子か、もちろん大好きだ!」

「一身に悪名(あくみょう)を背負って魔女をしてる。カッコ良いじゃねえかっ!」

「また飲み過ぎて・・尻尾出てるよ。余計な事を言ってゴメンネ」

 カ〜って赤くなっていた子がチラホラ。


 だけどその気持ちは活かされない。ゴメンネっていうのは機会を失うとドンドン難しくなる。

 だからやるのをみんな知らんぷりしていたのに用意されたらするしかないし、来年は忘れていたっていうのは使えないから進んでやるしかないだろう。

 子どもが増えて、どこから来たのかラミアも増えていた。暦を気にしない村は素で忘れていた人ばかりだけど私達は毎日暦を見るようになった。

 それで土作りをいつ、肥料をいつ頃、収穫はもう少しだから仕分けする人を用意しなきゃって係になっている。

 あの後行き来はあって怒られることはなくてヒドく悲しい顔をさせた。

 怒ってくれれば少しだけ救われたのに、それがとても胸に刺さった。

 もう無理って思っていたんだけど、案外すぐに旅行の機会があって掴んだ石の意味や事情まで分かって更に落ち込むのはもうすぐ。

あっけらかんとしてる鬼さん達に関係が壊れた話を聞いても

仕事は変わらないなんて平気で言う。

石は人に投げるモノじゃあないのにどうして手に取るのだろう。

あれってスゴく痛いんだよって、知って投げているのかな。

僕はね、覚えていない。・・記憶が抜けているの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ