センチメンタルな時
皆様、読んでくださりありがとうございます。
ランキングに載ることが出来て、嬉しいです。
少しでも皆様に楽しいと思っていただけるように頑張りたいなと思います。
アマリーはルルドと共に馬車に乗ると、屋敷へと向かった。
馬車に乗っている間二人は一言も話さずにいたのだが、屋敷へと着き、アマリーが馬車を降りようとした時、ルルドが口を開いた。
「少し話をしてもいいか?」
アマリーは浮かした腰をまた馬車の座席へと下ろすと、ルルドと向かい合った。
「何ですか?」
「これからしばらく、この件が解決するまでの間はアマリーには屋敷に籠ってもらうことになるだろう。だから、一つ聞いても、いいだろうか?」
「ええ。」
アマリーが頷くのを見て、ルルドはゆっくりと迷いながらも口を開いた。
「もし、、、ハンスが誰かを紹介すれば、アマリーはその者と結婚するのか?」
予想していなかった言葉に驚いたものの、アマリーは頷いた。
「ええ。難ありな方でなければ是非とも。」
「その、、聞き方は悪いが、誰でもいいのか?」
出来ればお互いに信頼しあえる人が良いとか、ルルドのような人が良いとか、そんなことは口が割けても言えず、アマリーは苦笑を浮かべた。
「私に選べる権利はありませんから。」
自分のような者が人に上から目線で何かを言うことは出来ない。
ルルドはアマリーの言葉を聞くと、小さく息をついて頷いた。
「分かった。本当に良いんだな?」
「はい。」
アマリーが頷くのを見て少し嬉しげにルルドは笑みを返した。
「ならアマリー、しばらくの間は君は安全の為に缶詰だろうし、暇潰しに私と手紙のやり取りをしてくれないか?」
突然の申し出に驚いたアマリーであったが、次の言葉で納得した。
「君の結婚相手を探す上で、手紙のやり取りで色々尋ねさせてくれ。」
なるほど、忙しいハンスに代わって自分の結婚相手を探させる役目をルルドは引き受けようとしているのだ。
なんとなく、ルルドに探されることに寂しさというか、切なさというか、何とも言いがたい感情が浮かぶが仕方がない。
「分かりました。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」
「いや、ありがたい。」
その後二人は別れ、アマリーは自室に戻るとどっと疲れが押し寄せベッドに倒れ込んだ。
ドレスに皺がよることなど考えられないくらいに疲れていたのだ。
だが、理由はそれだけではない。
アマリーは枕に顔を押し付けると少しだけ涙を流した。
何となく、涙が溢れてきたのだ。
本当はその理由にも気づいているが、今は見ないふりをしておきたい。
瞼を閉じて、今だけは、夢の中くらいは幸せな結婚の夢を見たい。
「ルルド様、、、。」
小さく呟いたアマリーの声は夜の闇に溶けていった。




