表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/598

よくある?日々の終わり

僕と雪が、たわいもないことを話しながら歩いているときのこと。僕たちは横断歩道に差し掛かり、青信号になったから渡ろうとした。そのとき、僕はふと、何かに気を取られた。今となっては何に気を取られたかはおぼえていないが、そこで僕は少し立ち止まった、そうして開いた、雪との間の約5歩、だからこそ気づいた、交差点に高速で走ってくる一台のトラックに。

このままでは雪がトラックに、そんな思考が頭に瞬時に駆け巡った。それと同時に体は雪に向かって動いていた。そうして僕は雪を歩道へ突き飛ばした。そのことに安堵するよりも前に僕の身体に、鈍い衝撃が走った。次に感じたのは、永遠に続くとも感じられる浮遊感と、まだ、状況が理解できていないのかどこか呆然とした彼女の顔だった。長い空の旅も終わり地面に落ちたようだがもう、あまり痛みを感じなかった。

ようやく状況に頭が追いついたのか僕に駆け寄る彼女、そして集まる野次馬。涙で顔をぐちゃぐちゃにした彼女が僕に何か言ってきているようだが僕にはもう聞き取れなかった。パッと見た感じ、彼女にはこれといった怪我はないようだ、よ・かっ・・・た。

僕は未だにそこにいるであろう彼女を少しでも安心させるため、最後の力を振り絞って笑顔を見せた。正直、どうなるかはわからないが、僕の死にいつまでも囚われないことを祈りたい。そうしていると身体から何かが抜けるような気がした。これが死というものなのだろうか?まだしにたくなかったなぁ、なんていう考えも、徐々に薄れ僕の意識は、闇に溶け消えてしまった、はずだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ