閑話・有り得たかも知れない未来
100万PV突破記念投稿です!
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「…………ん?何だ……?」
それまで、睡眠によって途絶えていたハズの意識が、外部からの刺激によって急速に浮上し、半ば強制的に覚醒まで持っていかれる。
……だが、その刺激、主に聴覚と嗅覚に訴えかけるソレに対しては、あまり覚えが無かった為に少なくない戸惑いと共に瞼を開き、周囲の状況を確認してみる。
……うん、昨日の夜……と言うか、ほぼ『今日』に切り替わるまでの記憶の通りに、乱れたベッドと未だに潰れている嫁さん達しか無いね……。
記憶でも、昨日は久方ぶりに全員で、と皆から誘われるままに、ちょ~っとハッスル(意味深)してしまった為に、皆には少なくない負担を強いる形となってしまったが、アレはアレで素晴らしい光景がゲフンゲフン……。
そんな事情から、今現在ももたらされている外部情報こと、このまだ日も上がりきっていない様な時間から、朝食の準備と思わしき物音と香りを発生させているのは誰だろうか……?と、未だに覚醒仕切らない頭でぼんやりと考える。
……ウシュムさんかレオーネさんかな?でも、ウシュムさんはまだアレなお顔で、その綺麗な銀髪をベッドに広げたままでご就寝中だし、レオーネさんはレオーネさんで、その尻尾を俺の足に絡み付かせているから、まだベットの中で寝ているハズ何だけどなぁ……?
そんなことを考えながら、まだ寝ている皆を起こさない様にベッドから抜け出ると、まぁ、誰でも良いか。朝飯何かなぁ?と阿呆な事を考えながらリビングへと通じている扉を開く。
するとそこには、狼の様な耳と尻尾を楽しげに揺らしながら、鼻歌混じりに朝食を作っている女性と、腰まで伸ばされた綺麗な金髪と長い耳を持った女性が共に台所に立っているのが見て取れた。
そして、俺が扉を開けた音に反応してか、クルリとこちらに振り返ると、俺に向けて蕩ける様な笑顔を向けてくれた。
「「お早うございます、旦那様♪」」
「……ああ、お早う。アルヴさん、ハティさん」
……それは、かつて人族と争っていた際に、その類い希なる処理能力で内政的に俺を支えてくれた、元冒険者ギルドのギルドマスターでもあったアルヴさんと、ガルムの母親であり、そして……現在は俺の妻でもあるハティさんだった。
******
「頂きます」
そう声を掛けてから、朝食に手を付ける。
他の面子を待っても良かったのだが、そうするとわざわざ『準備』から『制作』に移行してくれた二人に悪いし、何よりせっかくの朝食が冷めてしまう、との事で俺だけで先に頂く事になったのだ。
食事を取りながら、盗み見る様に二人を窺う。
……一応、昨日は全員同じ様に相手をしたと思ったのだけど、二人だけ回数が少なかったのかね?
それとも、良い意味でも悪い意味でもそれなり以上に経験の有った二人だから、割合と平気だった、って事なのかね?
そんな、半分下ネタに足を突っ込んだ様な事を考えながら、二人と結ばれた時の事を考える。
……アルヴさんとは、最初はこうなるつもりは欠片も無かった。
彼女は有能だったし、味方に引き入れる時に多少の無茶をしたとの自覚は有ったから、出来るだけフォローしながら、あわよくば魔王国の王位とか丸投げ出来ないかなぁ……と企む程度の間柄で、ほぼ上司と部下の関係のハズだった。
……だが、アルヴさんに魔王国の王位を譲ろうとして相談を持ち掛けた際に、王位なんて要らないから、私も彼女らの仲間に入れて欲しい、と半ば泣きながら懇願されてしまい、その姿に不覚にもときめいてしまってその結果として現在に至る、と言う事である。
お陰で今現在も、俺は魔王国の王様をやる羽目になっており、予定に大幅な狂いが出てしまっているのだ。
……まぁ、綺麗系と見せ掛けて、実は結構可愛い系だった嫁さんが増えたんだから、それで我慢するしかないかね。
その一方でガルムの母親でもあるハティさんなのだが、ガルムとの結婚報告に彼女の実家に挨拶に行った際に猛烈にアピールされてしまい、ソレにウッカリ『良いですよ?』と返してしまった為に、その夜に夜這いを掛けられてしまい、既成事実を作られてしまった結果として、こうして結婚する事になった訳なのである
……出会い方は割りと最悪の分類だったし、割りと打算的な行為からの関係でもあった(俺に一方的に挑みかかりアッサリと元族長が負けてしまった為に、郷での立場が危うくなった為)らしい。
何でも、最初は夫を奮起させる為のモーションのつもりだったらしいのだが、それでも奮起する処か更に弱るだけだったので、言い方は悪いが俺へと『乗り換える』事にしたのだそうな。
しかし、そんなハティさんだったが、流石はガルムの母親であっただけはあり、あっという間に他の嫁さん達と打ち解けてしまっただけでなく、ほぼウシュムさん任せであった家事の分担や、他の面子が欲していた『夜の知識』を盛大に授ける、と言った様な様々な方面での活躍から、今ではきちんと『大切な家族』だと言えるし、確りと愛してもいる。
そんな、『愛する』と形容詞を着けても構わない、と思える二人の嫁さん手作りの朝食が不味いハズも無く、割りとあっという間に完食してしまったのだが、ソレとは別に気になる事が少々。
今現在、俺はテーブルに着いて食事をしていた訳なので、二人に視線を向けると必然的に背中から見る事になる。
そして、二人共に、台所に立っている以上は、汚れ防止の為にも毎回エプロンを着けていたと言う記憶が有る。
そして、それは朝食を俺の元へと持ってきてくれた際にも確認している。
……しかし、『ソレ以外』の服を着ていた様な記憶が、今の所存在しないのだ。
最初に見た時は、割りと寝惚けたままだったので気にしていなかったし、運ばれて来た際には、料理の乗せられた皿の方に視線が誘導されていたのでよく見ていなかった。
今も、確認してみようと試みているのだが、二人供髪を長く伸ばしている為に背中側からでは足の露出が有るのかどうか、程度にしか判別出来ていない。
……これはまさか、もしかするのか……?
そんな、何処のオッサンだよ?とでも突っ込みを受けそうな事を朝っぱらから考えていると、何だか下半身に違和感が発生する。
……おかしいねぇ……。何故に、我が暴れん『棒』将軍が元気になっているのだろうか……?昨日、散々暴れただろうに……?
そこはかと無く嫌な予感を感じていると、空いた皿を片付けに来たのか、それとも、ソレ以外の『ナニカ』を確認しに来たのか、二人揃って俺の方へと歩いて来る。
……そして、その歩き方と前から改めて見た事により、ある結論が叩き出される。
……二人とも、何故に『裸エプロン』なんて装備なのでしょうか……?
「……どうでしたか?私達特製の朝食は。『元気』になられたのではないでしょうか?」
「私達だけ、昨日は少し少なかったからねぇ。これは、早起きした役得ってことで観念してくれるよね?だ・ん・な・さ・ま♪」
「……選択肢は無いのでしょうか……?」
「「問答無用♪」」
「アッーーーーーーー!?」
……尚、この時のアレコレは、実は既に目を覚ましていた他の面子に覗かれており、後で同じ様な事を要求されたり、後から考えると、多分この時に『出来た』のだろうなぁ……と回想する事になるのだが、それはまた別のお話。
と言う訳で、本編ではヒロイン入りしていなかった二人に着いてのifストーリーおば少々。
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