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やがて魔王へと至る最弱魔物《スケルトン》  作者: 久遠


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第117話

ブックマークにて応援してくださった方々に感謝ですm(__)m


「いやぁ~ごめんなさいねぇ?ウチの人が突然襲い掛かったりしちゃって。あの人、あの子の事を殊更可愛がっていたから、あの子がアルファちゃんに言伝てを頼んで『婚約者を今度連れてくる』何て伝えちゃったモノだから、今朝から殺気だって居たのよぉ。

私は、あの子が選んだ人なら大丈夫でしょう?って言っておいたんだけど、あの人ったら『私が直接見定めてやる!』とか息巻いちゃってねぇ~?その癖してワンパンで伸されちゃうし、あの子にカッコ悪い処を見られるだけならまだしも、自分の婚約者にいきなり殴りかかる父親、みたいな認識をされるのなんて分かりきっていたハズなのにねぇ~?そんな事ばかりしているから、族長の地位もあの子に取られちゃったって言うのに、まったくもぅ……。

あ!そうそう、そう言えばまだ名乗って無かったわねぇ!私、あの子の母親で、あの貴方に殴りかかったバカの妻やってるハティって言うの!よろしくねぇ~、未来の義息子君?」


そう、ガルムに案内されて辿り着いた彼女の実家に到着し、玄関を開いた途端に転がり出てきた毛玉達(ガルムの弟)に群がられ、それをなで回しているとガルムと共に家の中から現れ、それと同時に息つく暇もこちらには与えない!とでも言いたげな程の勢いで、一気呵成に畳み掛けて来たこの女性が、本人の談を信じる限りでは、ガルムの母親である女性になるらしい。



……何故に、そんなにアバウトな表現をしているのか?と言うと、純粋に外見がそれっぽく無いのである。



無論、似ていないと言う訳ではない。


外見的な事を言うのであれば、進化して最初からは多少外見年齢が変化しているガルムとも、ほぼ確実に血の繋がりが有るのだろう、と納得出来るだけの類似性が有る。


顔立ちなんかは特にそれが顕著に出ているし、立ち振舞いと言うか雰囲気と言うか、とにかく見ていれば血縁関係に在るのであろう事は容易に想像出来るだけの共通点が見受けられる。


……では、何処にそんなにアバウトな表現になる要素が在るのか?と言えば、それは外見年齢だ、と断言出来るだろう。


何せガルムの母親であるハズのハティさんだが、見た目が凄く若く見えるのだ。


さすがに、ガルム()ハティさん(母親)を逆に見たり、(ガルム)(ハティさん)に見えたりする程のトンでもな若作りをしている訳ではないが、それでも少し歳の離れた姉妹だとか、歳の近い叔母とかかな?と思う程度には年齢が近く見えるのである。

特に、今みたいに二人で並んでじゃれあっている姿を見ていると、その感じが強くなってくる様にも思える。


……まぁ、一度口を開けば、その怒涛のマシンガントークによって、押しも押されぬ母親(オバチャン)である事が明らかとなるので、流石に年齢不詳とまでは言わないけどね?


「母上!予めアルファに言伝てさせておいたのに、何故に父上が襲い掛かって来たのでありますか!キチンと家に縛り付けておいて欲しい、と言っておいたハズであります!」


「あら、ご免なさいねぇ~。アルファちゃんが迎えに出る、って言っていたから、多分今日着くんだろうと思ってご馳走の準備をしていたのだけど、そうやってちょ~っと目を離した隙に逃げ出しちゃったみたいでねぇ~。

まぁ、話を聞いていた限りでも、あの人程度でどうこうなる程貧弱でも無さそうだったから放っておいたのだけど、まさかあそこまで不様に伸される何て思っても見なかったわぁ~。

……はぁ~。全く、あの人にも困ったモノよねぇ~。ガルムちゃんに族長の座を奪われたのまでは良かったけど、ここまで落ちぶれられると私も考えを改めないとならないかしらぁ~?……そう言えば、ここに将来有望処じゃない若い子が居るのだから、私も一層の事乗り換えちゃおうかしらぁ~?

……ねぇねぇ義息子君?君って確か、奥さん何人も居るのよねぇ?だったら、隅っこの方で良いから私も貰ってくれないかしらぁ~?確かに、もうオバサンだけど、こう見えて家事の類いは完璧な自信が有るし、夜の方でもガルムちゃんみたいな若い子には出来ない様な『凄いこと』もぜ~んぶしてあ♪げ♪る♪からぁ~、ねぇ~?」


娘であるガルムとの会話の途中で、俺にワンパンで伸されて鎖で拘束され、気を失ったまま転がされているガルムのお父さんに呆れと蔑みの混ざった様な視線を向けると、何かに気が付いた様な声を上げてからスルリと俺の懐へと潜り込んで来て、まるで甘える様な声を出しながら指先で俺の胸板をツツツ~っと撫で回してきた。


「……え?いや、ちょ……!」


「ねぇ~?良いでしょう~?それとも、こんなオバサンは嫌いかしらぁ……?」


あんまりと言えばあんまりな展開に、思わず反応が遅れた上に、ガルムの母親である以上は強引に振りほどく訳にも行かない為に、言葉を詰まらせながらしたいがままにさせてしまっているが、それも仕方ない事だと思いたい。


何せこのハティさん、ガルムの母親である以上それなりの年齢であるハズなのだが、外見や空気が若々しい為にそこまで『歳上感』が存在しないのだが、それでいて今現在俺にしている様な仕草や、『女』を前面に出す際の雰囲気は驚く程に艶っぽく、円熟した女性の色気が漂って来る様にも感じられる程なのだ。



……ぶっちゃけて言ってしまえば、凄くエロいんですけど、この(ひと)!?



今までに対応した事の無いタイプの女性であるハティさんにワタワタしていると、流石に言動を見かねたらしいガルムが俺を救出すべく割り込んで来る。


「母上!ふざけるのもいい加減にするであります!!

主殿は自分のであります!母上のは向こうで転がっているではありませぬか!」


「えぇ~?良いじゃないの。もう族長でもなければ、私の事を一番に見てくれる訳でもない中年より、こうしてからかうと面白い反応を返してくれる、若くて逞しい男の子に乗り換えたくなっても、仕方ないと思わない~?そ・れ・に、あの子達もなついているんだから、案外とすんなり上手く行くかもよぉ?彼も、嫌がっている訳じゃあ無いみたいだし、ねぇ~?」


「却下であります!仮に、主殿が『良い』と言ったとしても、他の四人は間違いなく『否』と言うでありましょうし、自分も間違いなく『否』を挙げるであります!大人しく、父上で我慢するのであります!!」


「ええぇ~?流石に長年連れ添った間柄でも、ここまで情けない姿を見せられちゃうとちょっと、ねぇ~?それに~、彼も満更でも無い様子なんだから、良いじゃないのよ~。私は順番最後でも良いし、他の皆さんよりも頻度は少なくて良いからぁ。それでも駄目ぇ~?」


「駄目なモノは駄目であります!第一!母上はもう良い歳なのですから、そろそろ落ち着きを持つべきだと思うのであります!」


「あらぁ~?歳を取ってからでないと、分からない事だとか得られない技術だとかも多いのよぉ~?見た感じ、彼って下半身も強そうだし、ちゃんと満足させられているのからしらぁ~?」


「……ぐっ!?……それは、その……最近は、複数人でないと、逆にこちらが抱き潰される羽目になっているのが現状ではありますが……」


「……ならぁ~、やっぱり人数増やした方が良いんじゃないの~?今なら、私が自身の体験からかう編み出した『夜の技』のアレやらコレやらを伝授してあ・げ・る♪って言う特典も着いてくるだけど~?」


「………………そ、それは、具体的にどの様な……?」


「フフフ~?それはねぇ~?ーーーをーーーしたり、…………を………………したりだとかねぇ~?」


「……ふ、ふむふむ、成る程、であります……!」


そんな、親娘でするにはあまりにも姦し過ぎる会話を二人が繰り広げている最中にお父さんが気絶から復活し、それらのやり取りを聞いて


「おのれ、貴様ー!!私の娘だけで飽き足らず、私の妻にまで手を出すとは!

許さん!絶対に許さんぞぉ!!?」


と血の涙を流しながら叫んだり、会話の欠片だけを聞いていた毛玉達が


『ジョンの兄ちゃんが『兄ちゃん』じゃなくて『父ちゃん』になるの~?』


と無邪気に聞いて来たりすると言ったカオスな状態になってしまったガルムの実家の玄関先で、俺は一人『どうしてこうなった……』と嘆くのであった。

注※お母さんはヒロイン入りしませんので悪しからず。


面白い、かも?と思って頂けたのでしたら、ブックマークや評価、感想等にて応援していただけると大変有難いですm(__)m

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新作始めてみました クラス丸ごと異世界転移~無人島から始まる異世界冒険譚~ 宜しければ、こちらもお願いしますm(__)m
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