第六十四話
(そもそもの話が、成長というのはある程度時間が必要だしそれ相応の経験というものが必要になってくる。そして、言語などもまたその例に含まれているから成長するのに当たって獲得するのはなんら不思議ではないんだけれども流石になあ、竜から人になったという時点でどちらかというとあれは成長というよりも進化の方に舵切っている感じがするんだよね。それに、なんか喋るようになってから天使の輪みたいなもんも頭についてるし何かしらの種があるということは間違いないね。)
酒呑はセフィロトとアスタロトと切り合いながらも考え続ける。先のエインヘリャルと同じく酒呑が存在を知らないものだったからか酒呑にも、この敵を殺し切ってしまっていいのかがわからない状態にあった。
(そもそも、反逆者って名乗った時点でなんか怪しいんだよね。正直言ってこれ、作られたわけではなさそうだしさ。)
そう考えながらも、酒呑は自らの防衛のために氷天六花のうち三本を周囲に浮かせ残りの三本のうち一本を自らの手で持ちもう二本をセフィロトたちの対応に当たらせながらも隙あらばセフィロトたちを切りつける。
「正直言って頭おかしいんじゃないの?本来なら、僕の氷天六花だったら切った場所凍るはずなんだけどなぁ!」
「「舐めるな。我らは主のためにある。この程度、どうということはない。」」
「チッ、狂信者め、これだから宗教関連の人間の相手すんのは嫌なんだ。」
「「それは我らも同じこと。神の意思に背くものは何人たりとも生かしておけぬ。今ここで死ぬといい。」」
(正直言って、コイツら魂いじられてるって見ていいんだろうけれど・・・とりあえずぶっ放すか?嫌やったら、もしもの場合だけどこいつら死ぬ可能性あるしな。正直言って操作されている可能性があるやつ殺すわけにもいかんしなしょうがない。とりあえずギャンブルだけど、天使の輪狙うか。)
そう考えを固め酒呑は、アゴニーを天に掲げた
「これより見せるは、紅蓮の地獄。魂もろとも焼き尽くす絶火の深淵ご覧あれ。『混沌創造・十大災厄獄炎万花』」
その瞬間、酒呑が掲げていたアゴニーに緋色の炎が燃え広がりまるでそこに数多の花が咲き誇るかのような美しさと恐ろしさを兼ね備えている炎が出現した。
「「我らは主の代行者。その程度の炎で殺せるほど、甘くはない」」
「そうかい?だったら試してみるといい。まあ、安心しときな。切るのも一瞬。痛いのも一瞬だけだ。」
その刹那、相当の竜の頭上に存在していた天使の輪が一瞬にして粉々に砕け散りセフィロトたちの背後には美しい緋色の花が咲き誇っていた。
「抜刀・彼岸花」
そう酒呑が言い終えると、セフィロトたちは倒れふしアゴニーが纏っていた炎が消え去った。




