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第六十三話

(正直、頭おかしいとしか言いようがないな。)

酒呑は、先ほどから切りあっている二つの竜を見ながら考える。

(これじゃ、完全に不死身の存在と言っても過言ではないが・・・流石に何かしらの種があると見て間違いはない・・はずなんだけどなーこれいくら切っても再生するしで、正直言って勝つことは難しくないが殺すことは難しいそんなタイプだね。一応、同時攻撃などが効くのかな?)

そう思いながら酒店は五秒ほど前に、自らのてで切りつけた横薙ぎの傷跡を見ながら攻略方法の考察を開始するとは言ったものの、酒呑ですらも再生能力と成長能力そして圧倒的な魔法の詠唱速度によっていかに酒呑とはいえど、同時に2頭に攻撃を与えるのは少々難しいようだ。

(正直言って、これまだ構想段階の技だからうまくいくかは謎なんだけどね・・・まあ、勝つにはギャンブルもしなくてはいけないしね。)

「混沌創造術式(コード)浮遊剣(オートマトン)『氷天六花』」

その一言で、酒呑の周囲に圧倒的なまでの冷気を纏った剣が6本出現した。

(よかった〜なんとかうまくいった。初めてだったから、どうなるかと思ったけど()()()()()()()()()()()()成功だ!)

酒呑が先ほど発動したのは『混沌創造術式・浮遊剣』それは、酒呑が保有している数多の能力や技を剣や銃などの形状に物質化させ操作する、まさに創造の能力たる混沌を持っているからこそ使える能力である。

そして、『氷天六花』には『合弁花(合わせ)』と『離弁花(離れ)』が存在しておりそれら二つには明確に違いがある。『合弁花』は面での攻撃に対して、『離弁花』は点での攻撃なのだ。そしてその性能は、浮遊剣とかしても少しの衰えもなく発揮される。

「「Raaaaaaa!」」

「合弁花」

ジャバウォックからわかたれた二人が、竜の咆哮を酒呑に向けて放つだが、酒呑の一言で六本の剣の柄尻が合わさり

氷の結晶のような形をした盾と化し酒呑を守った。

「今度はこちらの番と言ったところか。合弁花・閃光」

次の瞬間、合わさっていた柄尻の部分から中心に倒れまるで鏃や馬上槍のような形状に変形し二人の方角へと突進した。

「グワァァ」

一頭の竜に対して突き刺さった浮遊剣を中心として大きく凍っていく。だが、それを見逃すほどもう一頭の龍も甘いわけではない。

「Aaaaaa」

その刹那、もう一頭の竜の頭上に四十ほどの魔法陣が出現し酒呑に向かって多種多様な魔術を放っていく。

(これは驚いた。ためが長い魔法などと違って、魔術の利点は詠唱などのためが非常に短い。そのことを理解しながら、僕にあった方法で攻めるとは!『氷天六花』を戻すのも間に合わないとなれば、回避は実質不可能それでいて受けていい威力とは言い難い。見たところ動きなどに障害が出るタイプだろうしね。となれば・・・取るべき手段は一つ!アゴニー手甲になってくれ。)

『わかった。だけどいくら我でも、あれはきついぞ。どうやって防ぐんだ?』

(能力使ってにきまってんでしょ!『混沌創造術式(コード)()()天光・聖火の灯火(ジョワユーズ・トーチ)』)

その瞬間、酒呑が来ていた服の上に重なるかのようにして黒色の外套が出現した。

(よし!これでなんとかなる!)

『まさか、これで頭とかに当たりそうになったら全部弾き飛ばすとかいうんじゃないよな?なあ!なあ!?』

(何言ってんのアゴニー。それしか方法ないじゃん!)

『よし、あんたはばかだ!世界一のバカだ!』

(黙ってやる!)

その刹那、酒呑の身体に数百もの魔術が降り注いだ。だが、

酒呑は自身の目に極限まで妖力を込めることによって、攻撃の先読みを開始し当たりかねない攻撃その全てを弾き返すに至った。だが、それには『天光・聖火の灯火』の効果が大きく関わっていると言わざるを得ない。

『天光・聖火の灯火』とは極限まで圧縮された妖力のエネルギーそれを敵にぶつける技だった。だが、外套としての

『天光・聖火の灯火』はその圧倒的なまでの攻撃性能を防御性能へと混沌の力で昇華することにより神話などで例えるとするのならばカルナが着ていたとされる黄金の鎧と、勝るとも劣らない性能を有すまでに至った。

その結果、酒呑は一切の傷を負うことなく相当の竜の目前に立っていた。

(とはいえ、流石に竜。氷天六花からもう回復したか。)

そう酒呑は自らのそばに戻らせた氷天六花に目をやりながら考える。彼女らを、一撃で屠る方法はないかと。

「さて、そろそろ終わらせよう、か?」

酒呑が一撃で決めるために技を構えた瞬間、双頭の竜に異常が出た

「あ、あああ私は、セフィロト」

「私はアスタロト。」

「「我らは、神への反逆者。我らは、神に作られたもの。故に、あなたを殺す。」」

「はは、驚いたな。心はない代わりに、とてつもない速度で成長するとは思っていたが・・・まさか言語を手にするまでに至るとは。いや違うな。()()()()()()()()()()()そして、封じられていたと考えた方が正しいか。全くもって、狂ってるね。」

そう言いながら、酒呑は氷天六花をセフィロトとアスタロトに向けた。

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