予感
この世界には邪な力により、悲しみが充満している。
外を不用心に出歩けば殺されるか、邪族という血も涙もない下郎な輩の兵として働くかを選ばざるを経ない世界。そんな中にただ人々の平和、悲しみを味あわせないようにと願い闘う者たちもいた。その者たちを皆は(EBS)と呼ぶ。
「ここか…第一アジトは」
EBS実質リーダー、カージュ・ブレイティア
14歳にして対邪族兵士No.1の実力を持つ青年。
暗い青髪と鋭い眼光、容姿も整っており見た目は闘うには向いてはいなさそうだが、その袖から見える腕の太さ、体格の良さ、オーバーサイズの服を着ているに関わらず浮き出す筋肉。完璧な兵士の身体である。
「ん? あれは…」
ふと下を見ると何やら邪族同士が揉めている。
「だから俺の言うことをきけやグレイア!」
「悪いけど、俺人を殺すのとかパスね 笑」
その隙を伺いカージュは崖から飛び降りる。
「なんだ?!」
土煙の中から襲いかかり、あっという間に30人ほどの邪族を倒した。
「あんた、何者だ?」
さっき揉めていた邪族の一人が顔色一つ変えずに問いかけてきた。
「俺は邪族を倒しにきたんだが、君は邪族っぽくないな」
「そりゃそうさ、俺は邪族を内側から潰すために潜り込んでんだからさ!」
そう言ってあっさり邪族を裏切る青年。
「どうやら邪族じゃなさそうだね。 俺はカージュ。 君は?」
「俺かい?俺はグレイア」
グレイア・パートル
年はカージュと同じく14歳。逆立った茶髪に優しい目つきをしているが、体格は申し分ない。
「君、良かったら俺と手を組まないか?」
「ああ、いいけど、そんなに強いのに俺の力なんて必要かい?」
カージュは首を傾げてこう返した。
「強い?俺は自分のことを強いと思ったことがないから…」
謙虚を通り越してもはや嫌味にしか聞こえない回答にグレイアもこう返す。
「奇遇だね、俺も自画自賛するほど強くないよ」
似た者同士の二人迷いもなくてを組むことにした。
◇
2〜3分歩いて、第一アジトの前まで来た。
「どうする?カージュ」
「行くか…」
そう言って100人を超える兵士達のいる方目掛けて走り出す。
「侵入者だ!捕らえろ!」
そう放った刹那、あっという間に半数ほどを倒す。
「ダメだ!化けもんだ!」
「逃げろっ!!」
逃げ惑う邪族。
「させねぇよ」
そう言うと魔法陣を空中に描きとんでもない破壊力の魔法を放つ
「デウス・シェーナル (邪を破壊する月光)…」
辺り一面を光が覆う
「おおい!俺まで…あれ?無傷だ…」
凄まじい威力に関わらずグレイアは無傷。
「(うむ、やはりか…)」
意味深な言葉をつぶやく。そして気がつけばアジト周辺の邪族は全滅。
「ここら一帯は片付いたな。どうする?このまま攻めるか?カージュ…」
「いや、油断したところを突こう。」
そう言って二人は身を隠し様子を伺う。
◇
暫くして、グレイアはカージュに質問を問いかけた。
「なあ、さっき滅茶苦茶高威力な魔法を放ったのになんで俺は無傷なんだ?」
グレイアの質問にこう答える。
「パラディーンアーツの効果だよ。」
「パラディーンアーツ?」
「パラディーンアーツとは邪な心を捨て去った人間が扱える特殊な技、物理攻撃、魔法、武器にもその力を発揮できる。」
「でも、俺そんなこと練習したことないぜ。」
「清らかな心を持てば誰でも使えるんだ。」
「この技が使えると無関係な人々を巻き添えにしなくて済むんだ。さっきみたいにね。」
「へぇー、成る程。」
グレイアはカージュに質問を続ける。
「なあ、カージュが邪族と闘う意味ってなんなんだ?」
鋭い眼光がさらに鋭くなり今以上に真剣な声のトーンになる。
「人々の平和、俺たちみたいな辛い思いをする人々が増えないようにするため…」
「俺たち?」
「俺たちは、俺は両親を邪族に殺された。」
「え…」
カージュは自分のことを迷わずグレイアに
教える。
「今から4年前、俺の暮らしていた街は邪族たちによって支配された。そこで闘っていた俺の両親は邪族の頭に殺害された。」
「ディーズか…」
「そうだ。」
「俺の父親もさ。」
「?!」
「俺の父さんも3年前にディーズに殺された。母さんは病気で亡くなったんだ。」
「だから、俺もカージュ、お前と一緒の考えさ。少しでも悲しみが消えればいいなと思って闘うんだ。」
「助かるよ…」
「あと、俺たちって言ってたけどカージュは一人で闘ってるわけじゃないんだな。」
「ああ、もう直ぐ来ると思う。」
すると、空から人影が降りて来た。
初投稿です宜しければ是非閲覧お願いします。




