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言霊の苑  作者: Mi9ro
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11/11

11の言葉

朝の騒がしい廊下を上履きではない乾いた音が人混みをかき分けて進んでいた。


教室のドアが開くと話していた女子たちの話し声が小さくなる。

登校してきたのは神代だったが、何かがいつもと違って見えた九条は席に向かって歩く神代を目で追っていた。


「つむ...」

「あの!!九条くんおはよう!!」


席に着く神代に話しかけようと、九条が口を開いたが遮るようにクラスの女子が挨拶をした。


「あ...おはよう」

「きゃ〜」

「私九条くんと話してみたかったの!!」


女子たち数名が九条の周りを取り囲み黄色い声を上げていた。

その間から見えた神代の足元に目がいく。


来客用のスリッパ。


その瞬間九条は神代が虐められていることを察し、冷ややかに目を細めた。


―――――――――


1時間目の現代文中盤に差し掛かる頃 、先生の目を盗んで九条は神代にルーズリーフの切れ端を渡した。


《困った事があったら名前を言ってくれ。すぐに行く。》


その文の下に文字を付け足して九条に返す。


《ありがとう。でも慣れてるから大丈夫。》


文を読み終わった九条が隣を見ると、どこか覚悟をしたような強そうで

でも悲しいような顔をした神代がノートに視線を落としていた。


―――――――――


チャイムが鳴り1時間目が終わると2時間目の体育のため、女子は着替え用の教室に体操着を持って移動し始める。

神代も一歩遅れて移動していた。


着替え用の教室に入った神代は自身の体操着をカバンから取り出し、ため息をつく。

体操着は足跡が着いていたり、ところどころ切れていた。


ため息をつきどうしようか悩んでいる神代をクラスの女子がクスクスと笑っていた。


「クチナシさ〜、最近九条くんと話してるんだってね。男と喋ってばっかで、男タラシかよ」

「九条くん、イケメンでいい男だからって、がっつきすぎてキモいんだけど」


壁に詰め寄られ、持っていた体操着をギュッと握りしめる。


「今日の体育来なくていいよーって、服ないし来れないかw」


笑う女子たちは、反発すらしてこない神代に冷たい視線を向ける。


プチッ


女子の1人が、神代の制服のリボンを無理やり取り窓の外に投げた。


「......!!」

「ぷっw表情変えたと思ったらブスすぎw」

「ほら、取りに行かないとカラスに取られちゃうかもね〜」


ギャハハと笑いながら着替え始める女子たちの1人が楽しそうに話す。


「あ、そうそう。今後九条くんと何か関わることがあったら、次は...ね?w」

「ほら早く大事なリボン探しに行きなって〜」


そう言うと神代の背中を勢いよく押し、着替え用の教室から叩き出す。

よろけながら廊下に押し出された神代は体操服を持ったまま立ち尽くした。


「紡?」


横には着替え終わりグラウンドに移動しようとしていた九条と長谷川が立っていた。


「どうs...」


九条が言い終わる前に神代は2人に背を向けて走り出した。

最後まで読んでくださりありがとうございます!!


今回は少し短めだったかもしれないですが、切らせていただきました...

次回もしっかり書いていこうと思っていますのでまた1週間後お会いしましょう

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