1つの言葉
言霊。それは癒しにも凶器にもなる言葉。
何気なく使っている言葉が現実を帯びたら…私は、
世界を壊せるのかもしれない。
「聞いた?またクチナシの近所で事故があったんだって」
「また!?今月で5回目でしょ?ヤバすぎ」
「あ、噂をすれば…」
教室に入ってきた1人の少女をクラスにいた全員が気味悪そうに見ていた。
「クチナシが死んだら、あそこの事故って無くなったりして」
「しっ!!声でかいし言い過ぎww」
ヒソヒソと笑う会話が静かな教室に響く。
ガラガラガラ
「おーし、席に着けー」
バタバタと各自席につく。
「早速なんだが転校生を紹介する。入っていいぞー」
先生の言葉にクラス中がどよめいたが、すぐに沈黙する。
軽やかな足取りで入ってきたのは、サラサラの黒髪に藍色の瞳が良く似合う少年。
「九条柊です。愛知から来ました。よろしくお願いします」
九条が頭を下げると、1拍おいて黄色い声が飛び交う。
「俺、長谷川ー!!よろしくー!!」
「おい樹ずりーぞ!」
「ずるくねぇよ!!」
「めっちゃイケメンじゃん!」
「え、九条ってあの名家の?」
「愛知から神奈川って親の転勤かな?」
ザワつく教室をよそに先生が一言入れる
「九条くんは長谷川くんの隣に行ってもらおうかな」
1番後ろの真ん中の席でブンブン手を振る長谷川。
隣の空いた席を指で指して「ココ!!」と大きくジェスチャーしていた。
クラスの真ん中通路を通り長谷川の隣の席に腰を下ろす。
「俺、長谷川 樹!!よろしくな!!」
「長谷川さんよろしく」
「樹でいいよ、仲良くしようぜ!あと敬語も禁止!!」
「……!!わかった、樹よろしく」
ニコッと笑う長谷川と優しい笑みを浮かべる九条をクラスみんなが微笑ましく見ていた。が、女子のひとりがコソッと話す
「九条くんの隣クチナシなんだけど!!」
「え、ほんとだ!!影薄くて気づかなかったー」
「私が九条くんの隣が良かったのに〜」
長谷川と九条の通路を挟んだ窓側の席。クチナシと呼ばれる少女が、息を殺すように静かに座っていた。
誰とも目を合わせないその少女を、九条はまっすぐ見つめる。
「やっと見つけた」
そう囁いた九条の声は長谷川にも届かなかった。
初めましてこいちりだと申します。
小説を書くのは初めてで、仕様などまだまだ未熟なところがありますが温かく見守ってくだされば嬉しいです!!




