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TRPGをベースにしたAI管理RPG。クリア後に竜の力を手に入れ転生した俺。TRPGの知識で生き延びて必ず現実世界に帰って見せる!!  作者: 春の小川


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第3話「出口を求めて」

「あ~あ……武器、壊れちゃったね。でも、君のその鉤爪、すごいね」


「でしょ! 武器がなくても、この鉤爪で大抵の魔物は倒せるはずです!」

(……とは言え、できるならあまり使いたくないな。皮膚を突き破って出てくるから、けっこう痛かったぞ)


「それなら、道中のモンスターは心配なさそうだね」


へへへ……っと得意げになっている場合じゃない。

倒した《キラー・ウッド》から魔石を回収しておかないと。

これは換金できるはずだから、無一文の俺には少しでも多く集めておきたいところだ。


ゲーム内ではモンスターを倒せば自動的に入手していたけど、現実になった今は自分で回収しないといけない。


「よし。それじゃ、先へ進もうか」


魔石を回収した俺は、エルシナーデさんの後をついていくのだった。


◆◆◆


おっと……今度は《バインフラワー》の群れか。

植物系の魔物は、こうして群れているときが厄介だ。

全方位に注意していないと、茨のツタであっという間に絡め取られてしまう。


さて、どう対処したものかな……。


よし、次はこれを試してみよう。

《ストロング・フット》

――“強靭な脚力を得る。移動、跳躍に大きな補正をかける”


次にイメージするのは……格闘ゲームのあのキャラ。

四天王の一人、白い仮面をつけ、両手には俺と同じような鉤爪を装備したスペインの格闘家。

縦横無尽に跳び回り、鉤爪で敵を切り裂く――!


イメージが固まると同時に、脚の筋肉がギュッと締まり、力がみなぎる。

そのまま壁に向かって飛び上がり、三角飛び。

着地と同時に《ピアッシング・クロー》を叩き込む!


攻撃後、すぐに壁や天井へと跳び移り、三角飛びと攻撃を繰り返す。

この素早い三次元の動きに、《バインフラワー》のツタ攻撃はまるで追いつけていない。


数を減らし、動きが鈍くなった残り3体。

そのど真ん中めがけて飛び込む!


両手を広げ、体をひねりながら回転――!


くらえ! 必殺――“バルセロナ・アサルト”(命名:俺)!


「ヒョォ―――!!」


裂帛の叫びとともに放たれた俺の必殺の一撃が、最後の《バインフラワー》を切り裂いた。


さて、今度のエルシナーデさんの評価はどうかな?


……


………


…………


「すごい! そんな“武位”、彷徨っていた数十年の間、いろんな冒険者を見てきたけど、こんな戦い方をする人は初めて見たよ!」


おお! エルシナーデさんが驚いてる!

やっぱり竜人魔法は、LV1でもかなり強力だな……。

――ん? 今、聞き慣れない単語があったような?


「武位」……?


気になるけど、ひとまずは彼女の案内についていく。


植物系や昆虫系のモンスターが次々と現れたが、《ピアッシング・クロー》と俺のゲーム知識を駆使して、危なげなく撃破していった。

倒した数も多く、魔石もかなり集まった。


冒険者の遺骸から拝借したポーチは、すでに魔石でパンパンだ。


そんな中、今日何度目かの《キラー・ウッド》を倒したところで、エルシナーデさんが俺を引き止めた。


「ねぇ、そろそろ“光の胎内”の外に出られるんだけど……アキラはモンスターの素材、回収しないの?」


「素材? 魔石以外の?」


「……あれ? 本当に知らないみたいだね」

少し驚いた表情のエルシナーデさんが、俺に向き直る。


「外まで持ち運ぶのが面倒だから拾わないのかと思ってたけど……じゃあ、ちょっと見てて」


彼女の言葉通り、《キラー・ウッド》の亡骸を見ていると、みるみるうちにカラカラに乾き、ただの木になっていく。


「これを持ち帰れば薪や建材として売れるの。冒険者は魔石だけじゃなく、モンスター素材でも稼いでるんだよ」


「おお……なるほど!」


ゲームではレアドロップを落とすことはあっても、モンスター自体に素材価値があるなんて設定はなかった。

でも、現実になった今は当然か。植物なら木材、動物なら毛皮や肉――そういうことか。


「それは知りませんでした。じゃあ、この枯れたモンスターも持ち帰りますね」


俺は《キラー・ウッド》の亡骸――巨大な枯木を担ぎ上げた。

……お、さすがにちょっと重いな。

もうすぐ外だからいいけど、最初からこれ担いでたら、まともに戦闘なんて出来なかったな。


「わっ、君すごい力持ちだね。モンスター相手でも遅れを取らないし……本当に、どうして裸であんなところにいたの?」


「いや、それはですね……(うーん、やっぱりちゃんと話した方がいいかな)」


そう考えていると、担いでいた枯木から魔石がコロリと足元に転がり落ちた。


「あ、エルシナーデさん、それ拾ってもらえますか?」


「……」


あれ? 無言で魔石を見つめたあと、ゆっくりと俺を睨むように見てくる。

な、なんだ……ちょっと圧があるぞ……。


「あのね、アキラ」

彼女が一歩、俺の方に近づいてくる。


「私ね、ここで十数年、誰にも気づかれず彷徨ってたって言ったよね?」

ずい、とさらに近づく。


「もし“モノ”に触れられたなら、文字を書いたりして、とっくにどうにかしてたと思わない?」

さらにずいずいと距離を詰めてくる。美少女幽霊なのが妙に迫力ある。


「それが叶わなかった私に――どうやってその魔石を拾えって言うのかな? かなぁ?」


ずいずいずいっ……! 顔が近い! 眉間に皺寄せてて、ちょっと怖い!


「あっ……(あ、これ完全に地雷踏んだやつだ)」

「ご、ごめんなさい。自分で拾いますね……よっこいしょっと」


そのあと、出口に向かうまで、エルシナーデさんの背中からはしばらく不機嫌オーラが漂っていたのだった。

第3話も読んで下さりありがとうございます。

次回第4話は10月26日(日曜日)18:00の投稿を予定しています。


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また、ご意見や感想なども頂けますと創作活動の励みになります。


前作「落ちこぼれ召喚士少女、召喚したのはターミネーターだった」も読んで頂けたら嬉しいです。

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