未来の誓い
フォルス王国の静寂な夜。 宮殿のバルコニーに出たロゼリオと紗凪は、淡い月の光に照らされながら寄り添っていた。
風が静かに吹き、夜空に浮かぶ星々がきらめく。白いドレスに身を包んだ紗凪の髪が、風にふわりと舞い上がる。
その隣で、ロゼリオは彼女の手を取り、柔らかな眼差しを向けた。
「あなたとこうして未来を語れる日が来るとは⋯⋯夢のようですね」
「私だって⋯⋯最初は帰りたくて、怖くて……でも今は、あなたと過ごすこの時間が宝物みたい」
ロゼリオは彼女の手を自分の唇に当て、そっとキスを落とす。
「あなたの選択が、どれだけ私を救ってくれたか⋯⋯言葉では足りません」
紗凪の頬がゆるりと染まる。
「私も⋯⋯ロゼリオに出会えてよかった。
たとえこの先、辛いことがあっても、あなたと一緒なら乗り越えられると思えるの」
ロゼリオは微笑むと、彼女の手を引いて自分の胸元に触れさせる。
「私の中で、あなたはもう切り離せない存在です。だから⋯⋯」
彼はそっと片膝をつき、懐から赤い花弁をあしらった小さな指輪を差し出す。
「この世界に来てくれたあなたへ。
私と、これからの未来を共に歩んでくれますか?」
一瞬、時間が止まったようだった。 月明かりの中、紗凪の瞳が潤む。
「はい⋯⋯こちらこそ、ロゼリオ。
あなたと一緒に歩きたい」
指輪が指に嵌められ、二人はそっと抱きしめ合う。
夜空の下、永遠を誓うように、二人の影がひとつに溶けていく——。
それは、異世界で始まった恋の、確かな未来への一歩だった。




