87、命の歪さ
「お母さんっ!」
「ふへっ? ミズノ!?」
ドアの先には、なんかもう、皆いた。
その中でも一番目立つのは、喋れなかったはずのミズノ。
ミズノは俺の姿を見た瞬間に両腕を広げて駆け寄ってくるけど、触れ合う直前にピタッと止まって、そこから二歩下がった。
「………ミズノ?」
「わたっ、し………ごめんな、ざいぃ」
ミズノは滂沱のごとく涙を流しながら、ごめんなさいを繰り返す。これは多分、呪いが解けたせいか?
でも、なんで直前で止まったんだ? 別に来てもいいのに。
そう思って、とりあえず荷物は隣のソファに置いて、ミズノに向けて両腕を広げた。
「うぇっ、い、いいの………?」
「むしろなんでダメなの? いいよ?」
「ごめっ、ごめんなざぁい!」
泣きじゃくるミズノの身体を、そっと受け止める。
だけど、小さいと思ってたその身体は、もう少女というには少し大きい気がした。いや、気がするというより、明らかにライムより大きくなってる。
この数日間で結構成長したらしい。声も、それに伴ってかも。
「ってか、この身体と服なのによく気づいたね」
ライムとかギルドマスターは全然キョトンとしてるのに。
というか、なんで皆がここに?
「ファドマさん、お帰りなさい。皆さん、呪いが解けたようで、ファドマさんを追ってきたようですよ」
「ちょっと待て、あれ呪いだったのか!? いや、呪いの類いでしかこうならんのだろうが、一体いつ………」
「それを説明するので、皆さんお座りください。ベイラ、椅子を持ってきてくれませんか?」
「承知しました」
とりあえず皆を席につかせて、呪いやらジバやらの説明をした。
例のごとくアリスのことは喋らなかったけど、違和感を持つ人はいなかった。
まあ、そもそもの話のインパクトが強くて、そこまで気が回ってないだけかもしんないけど。
「………そうか、そういうことだったのか。マレ、本当に身体に異常はないんだな?」
「あ、大丈夫。むしろ、身体が大きくなった分、色々やりやすいというか」
「………そうか。それなら、良かった」
ライムは大きく溜め息をついて、俯く。
ライムは脅しみたいなことしてたから、その反動が来たのかも。でも、大体全部ジバのせいなんだから、そこまで気にしなくていいのに。
「………違う、私は………はぁ、いや、何でもない。少し、頭の中を整理させてくれ」
ライムはそう言うと、部屋を出ていった。
ベイラさんは昼食を買いに行ったから、この部屋にいるのは、ギルドマスターとその秘書、ルルノイとテンさん、そして俺のそばから離れようとしないミズノ。
と、ライム似のお姉さん。
………え、誰ぇ!?
「あ、初めまして。ライムお姉様の妹の、レモンと申します」
「は、初めまして………」
ん? 妹? 姉とかじゃなくて?
確かにレモンっていう妹がいたって聞いてたけど………
ライムより少し黄色がかった黄緑色の長い髪、絹みたいに一度も日焼けしたことないような肌に、ルルノイが着てたものとよく似てる質素ながらも高級そうな灰色のドレスを着ている。
その穏やかな佇まいと、俺より少し小さいくらいの身長から、本当に『お姉さん』という言葉が似合う。胸部装甲も大きくて、それが一段と少女らしくさせていない。
「しかし、お姉様の話に聞いていたときは、可愛らしい方という印象でしたが………」
「………?」
レモンは口に手を当てて、意味深な視線を送ってくる。
それを向けられるのが少し居心地悪くて目を逸らすと、もう二つの視線が俺に向いていることに気づいた。
「あ、えっと、その………なんですか?」
「………まずは、謝罪をさせてください。あなたを勝手に同郷と見做した挙げ句、勝手に失望して追い出してしまったこと、並びにあなたを盗人呼ばわりしたこと、許されるとは思っておりません。ですが、言わせてください。大変、申し訳ありませんでした」
ギルドマスターはそう深く頭を下げると、セーネインさんも同じように頭を下げる。
確かに、あの怒涛の展開にはめちゃくちゃ混乱した。だけど、こっちに非がなかったわけでもない。
「あ、いや、こちらこそ、同郷なのかって話は聞いてたのに、曖昧な返事しかしてなくてすみません」
「それはファドマさんが謝ることではありません。あなたの出自がどうであれ、僕はあなたを追い出すべきではなかった。ただそれだけのことです」
それでも、ギルドマスターとセーネインさんは頭を下げ続ける。
あの、こうかしこまって謝罪されることなんて初めてだから、どうしたらいいか分からないんだけど。
あれか? 「頭を上げてください」って言わんと終わらない?
「あの、お母さんが困っているので頭を上げてください」
二人を前にオロオロしてたら、俺の膝上に座ってるミズノがそう言ってくれた。
それでようやく、二人は顔を上げる。でも、その頭の上にはハテナマークが浮かんでる。
………そっか、そもそも二人はミズノのことは知らないのか。
二人からすると、急に俺に子どもができたように見えるのか。まあ、全くもってその通りなんだけど。
「えっと、紹介した方がいい………のかな?」
「ミズノがやります」
とりあえず説明をしようとすると、ミズノが自ら前に進み出た。
そして、町娘みたいなスカートの裾を持ち上げて、お嬢様がやるような丁寧なお辞儀を見せる。
「お母さんの五つ子の一人、ミズノと申します。以後、お見知りおきを」
「え、あ、僕はここバルデルハラ街の冒険者ギルドのギルドマスターの、レルン・アメドと言います………?」
「お、同じく冒険者ギルドの総括秘書、セーネインです」
ミズノは自分で自己紹介をして、ギルドマスターとセーネインさんもそれに応えるけど、まだまだ混乱している。
かく言う俺も少し混乱してる。さすがに成長早すぎない?
「五つ子………まさか、あの卵が孵化したのですか?」
話を見守っていたルルノイがそう問う。
そういや、ルルノイは産卵シーンに立ち会っていたっけ………………思い出すと恥ずか死しそうだからあんま気にしないでおこ。
「えっと、はい、なんか有精卵だったらしくて………」
「らしいとは、どういうことですか? 父親は………?」
「あーっとぉ………」
ルルノイにそう言われて、少し考える。
実は、ミズノ達がどこから来たのか、おおよその予想を立てている。それは、俺の人化とも関係ある。
そもそも、進化するだけで人間になるのはいくらなんでもおかしすぎる。
一応、進化するたびにヒレができたり、そのヒレが地中より地上に適した形になったりしてたけど、それでも行き着く先は精々人型になるだけで、人間になるはずがない。なのに、人化したとき、最初は人間で、後から亜人になった。
これがどういうことか考えた時、ある一人の人物が思い浮かぶ。そう、アリスだ。
アリスは、サンドワームが抜けた俺と全く同じ姿だった。
でも、実はそれが逆で、俺がアリスの身体になっていたとしたら?
その仮説を裏付ける理由は、あの空間での光景だ。
ジバが俺の呪いを解くとき、取引の結果として俺の身体をいじくった。その際、俺の身体からアリスを抜くと、肉塊になって死亡していた。
つまり、あの亜人のときの身体は、その大部分をアリスが構成していたことになる。これだけ考えれば、俺が人化できたのはアリスのおかげと考えれる。
じゃあそれが、どう子ども達と繋がってくるのか。
まず、子ども達はコピーみたいに俺とそっくりだった。これだけで、子ども達もアリスと密接に関わってることが分かる。
だけど、子ども達は亜人ではなく、人間だった。これを考えると、俺に入りきらなかったアリスが『子ども達』という形で現れたと考えられるけど、実際は少し違ってて、亜人ではあったけど、あの暗い空間に現れたアリスとは目の色も肌の色も全く違ってた。
つまりは、子ども達は俺とアリスを混ぜた正真正銘の『子ども』ということになる。だから、いわゆる無性生殖にあたるのかな?
母親とか父親とか関係ない、余り物としての子ども達。だからなのか、アリスの一部を引き継いで、生まれたばかりなのに妙に知識があったり、知らない歌を歌えたりしていた。
ちなみに、アリスがどこから来たのかも予想ができている。
それは、あのゾンビが持ってた注射器。それに刺された後、俺のステータスがエラーを吐くようになった。
そのエラーの原因が、俺の中にアリスが入ったからだとすれば、色々と辻褄が合う。
注射器なんだから、あの中身は多分、アリスの遺伝子情報とかだった可能性が高い。それを注入された結果、システムは俺がサンドワームなのか人間なのか混乱してエラーになっていたのかも。
じゃあなんで遺伝子入れられただけで意思も入ってくるのかは知らん。魔力がある世界なんだから、まあそういうこともあるでしょ。
で、結局どう説明すればいいのかと言うと………………どう説明すればいいんだこれ。
アリスのことは今まで話してないけど、別に隠す必要もない。でも、アリス込みだと説明に時間がかかるのも事実。
じゃあ………あれだ、そういうものとして話せばいい。別に全部喋らなくちゃいけないなんてことはないし。
「えっと………なんか単為生殖できるみたいで、それで生まれたと思います。サンドワ―ムの名残で、成長が早いみたいです」」
「「「?????」」」
俺とミズノを除くこの部屋にいる全員が、首を傾げた。
まあ色々と端折って嘘も入ったけど、おおむねそんな感じだし、完全に間違ってるわけでもないから、これでいいでしょ。
「あ、えっと、すみません、一回整理させてください。ファドマさん、というよりサンドワームって、単為生殖できる………んですか?」
混乱したように頭を抱えるレモンがそう質問してくる。
正しくは単為生殖ではないんだろうけど、まあ強ち間違ってないでしょ。
「私の場合はできました………ね。私もできるとは思ってなかったんですけどね。なんか生まれてきました」
「なんかって………ファドマさんは、家族はいないんですか? そういう話は聞いていませんか?」
「あー、他の家族はもう死んでるんじゃないですかね」
システムでは、俺以外の家族は全て死亡している。残されているのは、子ども達だけ。
まあ、残されたというより、俺が生み出したんだけど。
「あ、す、すみません………」
「………あ、会ったこともないんで悲しいとかはないです」
「そ、それは、なんとも………」
ルルノイ含め全員が微妙な顔になる。
なんか変なこと言ったか?
「………まあ、ファドマさんの身体の不思議は今に始まったことではありませんし、深くは聞きませんが………他の子達は大丈夫なんですか?」
「あ、そうですね。ミズノ、他の皆は?」
「向こうのギルドにいる。皆悲しんでたし、早く戻った方が………あ、でも………」
ミズノはそこで言葉を切って俯く。
でも、俺が口を開くよりも先に再び顔を上げた。
「皆、お母さんに酷いことした」
「でも、それは呪いのせいだからで………」
「お母さんは許すかも。でも、ミズノ達は、皆は、自分のこと許せない」
「なんでそこまで………?」
確かに仲は良いとは思ってるけど、そこまで?
それとも、毎度のごとく俺の感覚がずれてるだけ?
「………実は」
ミズノは身体を前に向き直しながら、話し始める。
その表情は、俺からは見えない。
「ミズノ達は離れてても、お母さんの強い気持ちを受け取ることができる。だから、お母さんがどんな気持ちで過ごしてたのか、あの痛みがどれくらいのものか、ずっと受け取ってた。受け取った上で、ミズノ達はずっと無視してた」
懺悔するみたいに、でも許されるつもりは微塵もないくらいにどこか固く、言葉が紡がれる。
「お母さんが苦しんでたとき、ミズノ達は遊んでた。お母さんが悲しんでたとき、ミズノ達は笑ってた。お母さんが痛がってたとき、ミズノ達は………ミズノは………」
言葉に、嗚咽が混じる。
なんでそこまで慕ってくれているかまだ分からないし、なんで俺の感情がミズノ達に共有されてるのか分からないけど、ミズノが一度下がった理由は分かった。
「そしたら今日の朝、お母さんとの繋がりが消えて、いなくなっちゃったと思って………」
今日の朝………ちょうどジバとの取引が終わった頃か。
ってことは、身体が変わったから繋がりが消えたと考えられるけど、それなら俺が人間になった時点で消えてないとおかしい。
つまり、ミズノが言ってる繋がりは、アリスとのものかな? 俺の仮説の通りだったら、子ども達はアリスの余り物だし、何かしら魔力みたいなので繋がってもおかしくない。
んで、アリスがジバに連れてかれたから、それで繋がりが遮断された感じ?
とりあえず、後ろからミズノをそっと抱き寄せる。
結果はまあ、身体を大きくしてもらったし良い寄りではあるから、俺はもう気にしてない。だから、ここまで自分を責めるようなことはしてほしくない。
でも、自分が許せないって気持ちも分かる。誰かの役に立とうとして失敗したとき、相手が許してくれても、自分はずっと気にするから。
答えは多分存在しない。だから、俺は寄り添うしかできない。
「………ありがとう、お母さん」
「私は、もう大丈夫だから」
ミズノの嗚咽が、次第に弱まってくる。それと同時に、ミズノの身体もこっちに寄りかかってきた。
これ、寝てる?
「………はい、完全に寝てますね。ネテリウネス魔術学国の冒険者ギルドに着いたときもかなり泣いていたので、安心したんでしょうね」
近づいてミズノの顔を覗き込んだレモンは、少し微笑んでミズノの頭を撫でる。
どこか、羨ましそうに。
「………あ、テン、ベッドは今使えますか?」
「はい、整えてあります」
「ファドマさん、ベッドに寝かせてあげてください。私達はまだ話し合いが残っています」
「分かりました。ありがとうございます」
テンさんに誘導された通り、ふかふかのベッドにミズノを置いて、元のソファへ戻る。
ルルノイが言った話し合いは、もう予想がついている。
俺が席に戻ったのを確認したルルノイが背をピンと伸ばし、ギルドマスターと向き合う。
それだけで、空気が少し張り詰めた。
「さて、ギルドマスター様、テンからの話は聞いていますか?」
「申し訳ありません、何分初めての出来事で、かなり急いでおりましたので………」
「無理もありません。ジバの呪いは、人間関係を破壊してしまうようなものですから。ですが、こちらも同じく急いでいます。なので、早速本題に入りましょう」
空気が、さらにピンと張り詰める。
ギルドマスター達も、さっきの下手に出るような雰囲気から一変して、前のようなキリッとした姿勢になった。
「私達は、叔父様方の横暴を止めるために行動しています。そのための要素は、不完全ながらも集まっています。あとは、叔父様方がいるというネテリウネス魔術学国に行かねばならないのですが───」
「少し、待ってください」
「───なんでしょう?」
「サイルガ家の息子達を止める要素………それは、以前おっしゃった『探し物』でしょうか?」
「はい、その通りです。そしてその探し物とは、ファドマさんのことです」
それは、ギルドマスターの方でも予想できていた。あのタイミングでのサイルガ家の到来は、それしか考えられなかったし。
でも、その理由がなぁ………
「私は、ファドマさんにある刻印を施しました。その刻印が、叔父様方を貶める決闘に必要なのです」
「す、少し待ってください。今、決闘とおっしゃいましたか?」
「はい、確かにそう言いました。昔はもっと喧嘩的な軽いものだったようでしたが、家が大きくなるにつれて形式化され、現在の形になりました」
「聞きたいのはそういうことではありません。その………ファドマさんを、戦わせるのですか?」
「………私達としても、ファドマさんが傷つくのは本意ではありません。できる限りの支援をするつもりです」
「ですが………」
ギルドマスターとセーネインさんが心配そうにこっちを見る。
確かに、俺は戦闘技能が全くと言っていいほど無い。前に斧槍の訓練はしたけど、そこから何日も経ってるし、あの時でさえ使いこなしてるとは言い難かった。
でも、今の俺には魔術がある。
発動できるかはまだ分からないけど、アリスに教えてもらった魔法は発動したから、魔術も発動できると思う。
どれも俺のオリジナルだから初見での対処は難しいはずだし、『騎士ノ遺剣』でのガードもできる。
戦えないことはない………はず。
「私は、大丈夫です」
「ファドマさんがそう言うのであれば、僕達は何も言いませんが………」
それでも、ギルドマスターは不服そうにルルノイを見る。
ルルノイは申し訳なさそうにしつつも、自らの発言は撤回しなかった。
「本題に戻りましょう───私達の準備は整いました。後は、ネテリウネス魔術学国への移動手段を確保するだけです。そこで、冒険者ギルドの手を借りたいと思っているのですが………」
「申し訳ありません。冒険者ギルドは今、厳しい状況にありまして………一ヶ月後ならば、協力できると思いますが………」
「分かってはいましたが、手厳しいですね。王都にて待ち構えていた方がいいでしょうか………」
ギルドマスターとルルノイが唸り始める。
そんな中、レモンが手を挙げて皆の注目を集めた後、俺の隣を指差した。
「ええっと、その白い扉は移動には使えない………んですか?」
「あ、はい、使えない………と思います。この先は、なんというか宝物庫みたいな感じで、そこの管理人からこの服と薬を貰いました」
「………また、何とも奇妙な冒険をしてきたようですね。それにしても、薬ですか? 少し見せてもらっても?」
「あ、はい」
興味を示したギルドマスターに、エンガラスさんからもらった薬を手渡す。
ギルドマスターはそれをしばらく眺めた後、少し息を吐いて返してきた。
「………急にすみません。少し疑いがあったので。それがどんな薬かは分かりませんでしたが、少なくとも僕が忌避する薬ではないことは確かです」
多分、同郷とかの話に関することだと思う。
ギルドマスターはその薬で、呪術に近いことをされた感じかな? 呪術にトラウマがあるっぽいし。
まあ、この薬はちゃんと説明もあったから、そんな薬ではないことは確かなんだけど。
「それで、これは何の薬ですか?」
「えっと、亜人の力を強化する薬らしいです」
「………決闘に備えて、ですか」
セーネインさんが少し俯く。
やっぱり、俺が戦うのは快く思ってないみたい。
多分強い弱いの話じゃなくて、そもそも俺に戦闘してほしくなさそう。
でも、この落ちる竜の刻印がある限り俺は戦わないといけないし、転落劇をジバに見せるのを対価にしたから、ますます戦わないといけない。
ジバが転落劇を受け入れたから、俺が負けることはないんだろうけど。
「………あ、どうせなんで、今飲んでも大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。移動手段について、まだしばらく悩むことになるでしょうから」
ルルノイに許可をもらって、ギルドマスターも頷いたのを確認してから、薬の蓋をきゅぽんと開ける。
途端に、コルクで封じられていた甘酸っぱい香りが顔を包んできた。
「………ミカン? この黒さでミカン?」
シロップ的な感じに煮詰めてるんかな。この感じだと、結構甘ったるそう………
「んくっ、んんっ………………やっぱり甘いな………」
いや、苦いよりかはいいんだけど、ドロドロなせいで喉にすんごい残る………
ホントにこれ薬? カリカリに焼いたパンにバターと一緒に塗って食べる方が似合ってる気がするけど。
「って、んん………? なんか眠く………」
副作用はないって言ってたし、亜人の力を強化する上で必要なのかな………
「あ、ファドマさんもお休みですか? テン、ベッドはもう一つ残って




