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戦いは破壊の中にあり  作者: 日花丹水
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再び本部へ

朝。結局、あまり眠れなかった。

「今日はまた本部に行かないとね。その前に二人分の朝食を作らないとだわ。」

伸びをして、起き上がる。扉を開けてリビングへ向かうといい匂いが漂って来た。

「おはよう。朝食はできてるよ。」

「...。あなたが作ったの?」

テーブルの上には白米に味噌汁に焼き魚にとまさに和食が並んでいた。しかも、美味しそう。

「昨日読んだ料理の本を見て作ったんだ。流石に世話になりっ放しじゃ悪いからと思って。もしかして、下手だった?」

「いや、そういうわけじゃないんだけど。とりあえず、食べよ?」

「うん。」

手を洗ってきて、向かい合わせに席に座る。

「いただきます。」

味噌汁に口をつける。...。美味しい。私が作るよりも...。

「これで本を見て作ったんで言うんだから落ち込んじゃうわ。」

「美味しくなかった...?」

「逆よ。とても美味しいわ、悔しいけど。私も料理なら自信があったのに...。」

「いや、本当にあの本のおかげだよ。紫月が色々と書き込んでたから...。」

「それでもよ。まぁ、こんなに美味しいなら今度から馨に作ってもらおうかしら。」

「ここに住まわせてもらうんだ。お任せくださいって感じだね。」

朝食を終えると、それぞれ着替えて本部に向かうバスに乗り込んだ。

「申し訳ないのだが、どこに向かっているんだ?」

「今向かっているのは国の䨩从対策本部よ。」

「そこは何をやっているところなんだい?」

「そうね...。部署ごとに言うと、まず情報を収集したり、民間人や政府にそれを伝える情報部。他の支部と情報交換などを行う総務部。誰にどんな任務を与えるかを決める人事部。で、さらに総務部の下には二つの課があってね。䨩从の探索及び対策や場合によっては排除を行う準実行部隊的な䨩从探索課。オートマタの式神や武器の修理、開発を行う技術開発課。主にこれらがあるわ。」

「ふ〜ん、なるほどね...。」

[次は䨩从対策本部前。次は䨩从対策本部前でございます。御降りのお客様は窓枠のボタンを...。]

「ここで降りるわよ。」

「うん。何だが緊張してきたね。」

バスを降りて、しばらく歩くと正門が見えてきた。

「かなり大きい建物だね。ところで、本部な支部は䨩从に襲われたりすることはないのか?」

「もちろん、今までにも何度か襲われたことはあるわ。でも、ここには、例えば情報部の忍の転生者とか多くの転生者が在中している。それに何より、日本で最強の滅却師5人が最高位の陰陽術をかけて守っているから安全よ。」

「その5人は陰陽師なのかい?」

「そうよ。転生者は血の繋がりに大きく影響されるから、陰陽師がいるのは日本や中国だけだけどね。西洋だと魔術師がメジャーだし。」

「転生者とはそう言うものなのか...。」

「ほら、早くきて。さっさと登録して、衣類を買いに行くわよ。」

「そうだね。」

受付に向かうと昨日と同じ受付嬢に声をかけた。

「彼のアジュバント登録を頼めるかしら。」

「承りました。では、アジュバントの方はこちらへ。藤村様はこちらでしばらくお待ちください。」

馨は奥の検査室へと連れていかれた。


「では、こちらの機械の上に乗ってください。リラックスして脱力してください。」

受付嬢は目の前のベッドのようなものに寝るように促してきた。とりあえず、指示通りに寝て、力を抜く。

「はい、では始めます。」

ベッドが動いて大きな穴に入っていく。中ではセンサーライトが飛び交っている。

「お名前と年齢をよろしいですか?」

「椎名馨。18歳。」

「ありがとうございます。...。ところで、失礼かと思いますが、なぜ藤村様のアジュバントになろうと思ったのですか?」

「まぁ、成り行きで。」

「...。そうですか。」

「なぜそんなことを聞くんです?」

「単なる興味です。はい、これで完了しました。お疲れ様でした。」

「もう終わりですか?」

「もう登録は完了しましたので、終了です。」

「ありがとうございました。」

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「ようやく藤村紫月がアジュバントを取ったそうです。」

忍の転生者である䨩从探索課員が報告をしてきた。彼にとってはこの程度の情報収集など朝飯前だろう。

「ようやく取ったか。しかし、それをわざわざ伝えると言うのは何か問題でもあったのか?」

「はい。藤村紫月のアジュバント、椎名馨ですが、戸籍が存在しません。ですか、検査の結果を見る限り、日本人ではあるようです。嘘をついているようにも見えませんでした。」

「そうか。それで彼の能力は?」

「能力検査はしていないのでわかりかねます。」

「彼には今後注意を払うようにしてくれ。」

「御意。」

彼はそれだけ言うと音も立てずに立ち去った。

「椎名馨か...。」

テーブルの上の資料に見つめながら呟いた。

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「終わったよ。」

馨はさほど時間もかからず戻ってきた。

「あら、早かったじゃない。それじゃ、帰りましょうか。」

「その前に、正式にアジュバントになったわけだし、これからもよろしく。」

馨が手を出してきた。

「えぇ、こちらこそよろしくね。」

二度目の握手をする。今後は二人でこなしていくのだ...。

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