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放課後
優は今の自分が好きだった
他人に迷惑をかけることも、かけられることもない
仲の良い友達がいないのはつまらなかったが、優の日常は平和そのものだった
優がいつもと同じように帰り支度をしていると優の斜め前の席に座る明るい髪をした男子生徒が話しかけてきた
上條慎二、人懐っこい笑顔が印象的なクラスのリーダー的な存在
その慎二の一言によって優の平和な日常は音をたてて崩れた
「なぁ、剣崎
鬼ってお前?」
瞬間、教室は一体感のあるざわめきに包まれた
「確かに…
剣崎ってかくれんぼしたら、絶対見つから無さそうだしな」
「しかも鬼って寂しがり屋なんだっけ、剣崎いつも一人だしな」
違う、そう叫びたかったのに教室の雰囲気に飲まれ言葉を発することができない
優は、気付かれないようそっと教室を後にした




