辺境伯の街の市場
みなさんの目にとまりお読み頂ければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
(閑話になります)
こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
said 主人公
鑑定結果を無難に誤魔化すことにも成功し、無事に冒険者登録もできた。森でのレベルあげを頑張ったおかげだ。鑑定にしてもほかの魔法やスキルにしてもとにかく使いに使い練習しまくったのだ。
たくさん経験すればスキルをさらに取得したり、レベルが上がったりすると思い実践した結果予想通りだったわけだ。
なるべくいろいろな経験をしようと森の外にも出てみた結果、戦闘経験と金品も取得できたのでよかったと思う。どのみち女神さまからこの世界が弱肉強食で、弱いものは死ぬかひどい目に遭う世界だと言うことは聞いていて覚悟はしている。わたしはここで生き抜かないと、スローライフなど送れないのだ。
だから食べるためには狩もするし危険は排除する、できれば積極的に。何故って、成長し続けないと安全は確保できないと思う。わたしはレベル1からスタートした。危険から身を守るため浄化の魔法を覚え、身体強化で敵から逃げて気配を隠したり、敵を捕捉したりと感覚を磨いた1日目。
効率的な移動手段の習得や、使えば使うほど身につく身体強化や操作。状況が変化する都度一生懸命考えてその場にあった魔法を使う毎日。
レベルは順調に上がっている。だがこんなふうに毎日レベルが上がることは珍しいのではと思う。もちろんわたしには好都合だ。というか必須だ。人の住む街に行くまでには、早急に高レベルになっていたかった。
街に行くにはある程度リスクに対応できないと危ないと思う。治安が比較的よくて、昼間の間に活動する予定でも子供1人では拉致されないとも限らない。隙を作らず慎重に、警戒をゆるめないこと。街に入って浮かれたりしたら大変だ。
そんなふうに、いろいろ考えて準備してきた半年間は、結構充実していたと思う。それでもまったく人が周りにいない環境というのは、想像していたよりもずっと静かだった。
煩わしくないのも気を使わなくていいこともありがたいことだったが、秋になり冬を前にしてなんとか街に行くぞと頑張ったのは人恋しかったからだと思う。
そうはいっても危険を軽くみるつもりはない。ちゃんと用心する。ちなみにわたしが考えて備える危険は、1対1ではなく多対1。物量戦でも相手を圧倒し押し切れる、力と火力と持久力を揃えるためにこそ頑張ってきた。
逃げるだけなら飛翔もあるし転移だってある。身体強化のレベルも100を超えてきた。正直、人の基準がまだはっきり分からないので、観察して調べるのも目的のひとつだ。100ってどのくらい強いのかなぁ。
ともあれやっと堂々と街に入った一番の目的はギルドでの身分証の取得もそうだが、お買い物もメインの1つ。
この半年、自分で作れるものは挑戦してきた。でも正直全部自分で創造するとか、さすがにめんどくさい。そして、大変だ。贅沢言うな!まぁ作れないことを考えれば欲しければなんとかできるのは恵まれている。
でも果樹とか野菜はまだいいの。収穫しやすいし、やりきった満足感があるから。でも小麦とか大豆とかお米とか、細かいものは本当に大変。他の人がやってくれるなら是非ともやってほしい。そう思うほどには大変だった。
というわけで、自分で作らなくても買えばいいじゃない!とこうして市場に来ている。
ここに来る前に古着屋に立ち寄り、少し大きい外套を買って着ている。少しはこの街に馴染んで見えるといいけれど。
小型の荷車をひきながら、穀物を買っていく。前回潜入した時にだいたいの物価は確認してある。とくに高騰している様子もない。買ったものを荷車に載せてひきながらほかのお店も覗いていく。
子供が買い物しても怪しまれない、ちゃんと溶け込めているようだ。ハーブや香辛料を扱うお店で、薬草や香草の価格もチェックした。そして気になったものは購入した。
冒険者ギルドでは採取依頼からこなすのだから、売値もきちんと見ておかないとね。
それにしても砂糖は市場にはないようで、ちゃんとした商会にしか置いていないようだ。商会を覗くならもっと身なりをよくしないといけない。
たくさんの作品がある中で
お忙しい中お読みいただきありがとうございます。