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青さんの感覚共有

みなさんの目にとまりお読み頂ければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。


こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

side 主人公


 翌朝起き出してきた皆(主に竜たち)は唖然としていた。


 なぜなら、深紅さんと人魚さんが仲睦まじくなっていたからだ。えぇ〜、みたいな様子の皆を見て、わたしはニマニマしていた。


 やった、満足感と達成感が込み上げる。お前らには出来なかったことをやってやったぜ!みたいな気分である。


 いかんいかん、まぁ別にそこまで何かしたわけではないし、わたしがドヤ顔してもねぇと思い直し謙虚な態度を心がけることにする。


 白さんがわたしのところに何があったか聞きにくる。それに気づいた黒さんと師父さんもコソッとやって来た。


 そのとき、朝食の用意が出来たと声をかけられる。用意といっても祭りや宴のあとの翌日はどこもだいたい昨夜の残りだ。料理を無駄になどできないから、ちゃんと消費する。これには誰も文句など言わない。


 温めたスープと一緒に食事をとるが、その間も隣同士に座り時折見つめ合うふたりを得体の知れない何かのように観察している竜さんたち。


 やっぱりきちんと説明しないと皆落ち着きそうにないなぁ。


 ということで食後に庭に皆集まってもらい、昨夜試した魔法について説明した。竜さんたちはなるほどと各自考えを巡らせているようだったが、魔石を見せてはもらえないか?と聞かれたのでふたりを見る。


 深紅さんは人魚さんにうなづくと、人魚さんがテーブルに魔石を出した。


 わたしが鑑定すると、魔石は力は失っていなかった。そして、そこに人魚さんを護る力が加わっていた。


 この魔石は深紅さんから人魚さんへのはじめての贈り物なのだろう。番いをいついかなる時も護りたいという気持ちが魔石に宿って人魚さんをやさしく包み込んでいる。


 誰かの手が魔石に伸ばされたとき、そっと人魚さんがその手を遮りすみませんと言う。


 「この魔石に込められた想いは僕だけのもの。ですから申し訳ないのですが、他の方には触れていただきたくないのです。すみません。」


 やんわりと、でもはっきりと宣言する人魚さんに感動したといった目をむける深紅さん。


 わたしは鑑定した内容を伝えたほうがいい気がして、魔石にこもった守護の力のことを話した。深紅さんの人魚さんを何ものからも護りたいという真摯な気持ちの詰まった魔石であることを。


 そっと魔石を手で包み、ありがとう。と伝える人魚さん。そんなふたりを喜ばしげに見る黄の老。


 「うーん、しかしどういった魔法だったのか、ぜひ見たかったものよ。あの最恐の烈女などという二つ名がついている深紅が、こんなにも番いを得ただけで変わるなんて信じられないことだ。目の前にいるから信じざるをえないが、話だけでは誰も信じないだろうよ。」


 「そんな二つ名、わたしは認めておりません。それにこれからのわたしは、人魚の妻の深紅です。」


 白の大伯に苦言を呈する深紅さんだったが、自分の発言にハッとして人魚さんの方をそっと上目遣いに伺う様に見る。


 オロオロといいよね、いいよね、といった空気を出している深紅さんに人魚さんはおおらかにうなづく。


 甘い空気が広がってきて、その場のほかの竜さんたちは皆うわぁ〜、お砂糖吐きそう!みたいな顔で固まる。


 緑さんが「番いができると皆こんなバカップルみたいになるんだろうか?」


 「皆じゃないだろう、いくらなんでも。」と黄さん。


 「いいのうぉ、わしも諦めずにまた番い探しの旅にでも出ようかのう。」と、黒の老。


 「やめよ、年甲斐もない。この歳まで出会えなかったのだから、それも運命と諦めよ。」と、白の老。


 人魚さんの反応に安心したように、ニヨニヨする深紅さんをじっと見ていた青さんが思い切った様子でわたしに話しかけてきた。


 「リーダー、わたしの番いにもその魔法は使えると思うか?できるなら、わたしもわたしの気持ちを番いに伝えたい。深紅と人魚くんを見ていると、なんだかとても羨ましい気持ちになる。わたしも番いにあんなふうに見つめられたいのだ。」


 直球の青さんに少し驚いた。もうすぐ婚礼をあげる間柄でもそんなふうに思うんだね。


 「青さん、たぶんできると思います。でもやってみないと確実ではないので、いつ試しますか?」


 これからすぐでお願いしたい、という青さんの言葉に皆に了解をもらい試すことになった。番いさんの様子を聞くと、ゆっくりと休んだのでかなり回復したようだ。


 番いさんを呼ぶ前に魔石を準備しよう。青さんに魔石を渡し青さんの魔力で満たしてもらう。つぎに魔石に気持ちを溶かすようにして、番いを思う気持ちを込めてもらう。


 はじめて番いを感知したときの衝撃と歓喜、成長を願い日々を見守り続け嫁ぐ日を待ち望む想い。今までのすべての時間を注いでくださいというと、強い想いを堪えるようにしながら魔石を握っている。


 しばらく静かに、まるで祈るようにあるいは願うように青さんは魔石を握っていた。そして終わったのかそっと魔石を差し出す。


 わたしは手は触れずに鑑定する。すると、深紅さんのときのように、番いへの想いのこもった魔石と鑑定できたので成功したと伝える。


 あとは番いさんを呼んできて試すだけ。竜人さんを呼んでくると青さんは事情を話した。青さんはそっと手を差し出して、わたしの気持ちを伝えたい。どうか受け取ってはくれないか?と聞いている。


 番いさんは、一切口を挟まずに最後まで話を聞くと、わたしはあなたの番いですよ。あなたが差し出すものをわたしが受け取らないなんてことはありません。


 どうかわたしにあなたの魔石をください、と手を出して受け取る。


 わたしは人魚さんの時のように、まず魔石を感じてくださいと言う。


 番いさんにどんな感じがたずね、慎重に番いさんの様子を観察する。穏やかなで落ち着いた様子なので大丈夫そう。


 番いさんに魔力を少しだけ流して変化を感じてくださいと言うと、何かが伝わってくるというのでそのまま受け入れるように伝える。


 魔石は番いさんの魔力と青さんの魔力が溶け合うと、光を放ち番いさんを包み込んでいく。温かな魔力が周囲に満ちる。


 少し心配そうな青さん。番いさんは人魚さんの時のように顔を真っ赤にして、俯きながら泣いていた。思わず魔石をとめようとする青さんを今触れてはいけないと強く止めて様子を見る。


 やがて光はおさまった途端、青さんは番いを抱きしめて大丈夫か何度も確認している。その間も番いさんは顔を赤くしたままだったので、じつは皆ちょっと心配していた。


 しかし青さんが少し落ち着くと、番いさんは青さんの腕をほどき向かい合う。腕の中から抜け出られて、思わず青褪める青さんをしっかり見つめた番いさんは嬉しいです。と言った。


 ずっと側にいて下さって、大切にされていると分かっていました。わたしのことを思い、いつも考えてくださることをありがたいことだと思っていました。


 でも番いだからだとも思っていました。わたしは番いの思いを今日やっと本当の意味で分かりました。わたしは愛されているのですね。わたしはあなたの愛があまりに大きいので、ほんの一部しか見えていませんでした。


 わたしは誓います。この命のある限りあなたから離れません。あなたの一番近くにどうか置いてください。そしてわたしにあなたの子を授けてください。わたしたちの家を子供たちでいっぱいにしましょう。


 アッ、それはもしかしてマズイかも、とちょっと思った。そんなこと言ったら今すぐ始めそうだし、本当にいっぱいになるまで頑張りそう。でも、まっいいか、ふたりとも幸せそうだから。だからこれは余計なお世話だよね。


 



 



 

 


 


たくさんの作品がある中で

お忙しい中お読みいただきありがとうございます。

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