表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/164

帝国速報7 領主の子

みなさんの目にとまりお読み頂ければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。


こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

side ある西の領主の庶子の青年???


 ある日の午後少し遅い時間、裏庭で薪割りをしていると執事が息急き切ってやってきた。どうしたのか聞くと、突然家具がなくなったという。


 執事が玄関を整えていたらいきなりスゥーっと絨毯や絵や花瓶がすべてなくなったという。慌てて応接室や執務室や車庫を確認したがやはりなくなっていたそうだ。 


 裏庭から近い厨房から家に入る。厨房には変化はないようだ。食堂を抜けようとして2人とも気づいた、食器がない。催し物の時や一族が集まるような場で使っていた物が食器棚ごとない。


 しかし今は皆のところへ急ぐ。廊下にあった家族の肖像画も彫刻も鎧兜や、飾ってあった剣や槍まで。剥き出しの木の廊下をカーテンのなくなった窓を横目に通り過ぎる。


 子供室の中に入ると、家具や絨毯はなくなっていたが家族は無事だった。


 ただ、おもちゃを握りしめている赤ちゃんは別として、赤ちゃんの面倒をみていた9歳の弟は赤ちゃんを抱いて呆然としていた。


 大丈夫ですか、どこも怪我はありませんか?とたずねるとハッとしたように兄上大丈夫です。とどこも怪我はない様子。


 庶子のわたしのことを兄上と慕ってくれるかわいい弟と赤ちゃん、それに残された数少ない家人たちのことは何としてもわたしが守る。


 執事にほかの皆の無事を確認してもらい、家の中をあらためる。弟たちと一緒に屋根裏からの見てきたが、日用品以外すべてなくなっているようだ。


 執事たち家の者たちと厨房で相談する。幸い誰にも怪我はない。相談する時は大体いつも厨房だ。男女の別なく集まれるし、食事の後お茶をしながら話し合うことが多い。


 子供たちから目を離すのもこわいので、子供室以外の場所にはいつも連れて行く。しかし何が起ったのか?


 ホッとしたことに、食糧の備蓄と日用品は手付かずだ。わたしたちがよく使う木の皿やコップ、平民が着るような衣服や使用人部屋の寝具などはそのままだった。


 じつは領主がわたしたちを残して帝都に行ってからは、貴族室は子供室以外使っていなかった。掃除するのも大変なので使わないところは閉めてあったのだ。


 戦争が始まるというので領内の兵を率いて帝都に行く際、赤ちゃんは残すことになった。残す使用人のあまりの少なさに驚いていると、赤ちゃんをかわいがっている弟が自分も残るという。


 わたしは世話になった執事など年寄りばかりの使用人と残ることになった弟たちをそのままにはできないとご領主さまに申し出た。


 はじめ領主は若い男は戦力になると連れて行こうとしていた。手柄でも立ててみよという。しかし領城をあまりに無防備にもできず、残ることを許された。


 はたから見ればほとんど放棄しているかのように見えるだろうが、じつは魔道具も働いており維持の機能は保たれている。


 ご領主さま曰く、戦争に勝利すればより良い領地を得られて要職にもつくので吉報をまてというのだ。


 正直なところ領地を放って、冬間近の出兵など正気とは思えなかった。兵糧なども領民からめしあげて領民が冬を越せるか不安だったが、ほとんど使用人扱いの自分やまだ子供の弟たちでは意見さえ聞いてもらえない。


 悠々と出立するご領主さまたちを見送り、ほとんど籠城のように引きこもった。領地に関する権限をもたないわたしたちには、領民との仲介の役にさえたたない。


 居てもいなくてもどうでもいい存在。かろうじて執事がご領主さまとの連絡役ではあるが、あまり連絡してくるなといい置かれている。


 メイドの1人が広場が騒がしいというので、様子を見に行くことにした。執事が1人では危ないといってついてこようとしたので、大丈夫だからと皆をたのんできた。


 広場はかなり混雑していた。人垣ができている場所には大きな何かがあり、それが映像を流している。


 あれは帝都だろうか?一度も行ったことはないが話だけは耳にしていた。美しく威厳に満ちた街並み。たぶん帝都だろう。


 つい領民たちと映像を観てしまう。映像は音声もともなっていて、怒号や悲鳴が切ない。なんてことだ。帝都は?皇帝陛下は?ご領主さまは?この国はどうなってしまうのか?


 あまりの帝都の混乱を考えると、この領地も無事にすむとは思えない。しかし一体誰がこんな映像を流したのだろう。いつの出来事か分からないがこんなものを観たら、皆逃げ出すのではないか?


 いや、それはないか。わたしだって逃げ出したくても逃げ出せない。皆同じだろう。


 しばらくすると映像が切り替わり、つぎに映し出されたのは旗?明日の日付で皇太子の巡見使隊が領都に来るという。文字の読めない者のために全て音声つきだ。


 その時、この領地の説明や帝都の状況も説明するとある。できれば近隣の町や村の住人たちの現状についても調査したいという。


 意見や質問があれば申し出ること。代官や各ギルドを通すのでも良いそうで、冒険者風の者たちはギルドに集まるようだ。


 近隣の町や村の出身者たちは、どうするか迷っているようだった。


 どうする。情報はほしい、しかし領主の関係者となれば一括りにされそうだ。かといって逃げたりしたら本格的に追われる身になりそうだ。


 それにあてもないうえに子どもや赤子に年寄りを連れて何をして養えばいい。やはり今はどうしようもない、まずは巡見使隊の出方をみるしかないのでは?


 その時だった。流れた映像を観て心が決まった。


 罪は罪を犯したものに、罪なき者には救済を。


 


 


 



 

たくさんの作品がある中で

お忙しい中お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ