帝国速報5 派遣(文官の場合)
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side ある帝国の文官???
西の領地に毎日出張することになった。城への報告もあるので通いである。1番の理由は、受け入れ側の混乱軽減と派遣される者たちの安全確保だ。
今は大広間で派遣先についてや、持参する物を配られ説明を受けているところだ。文官と騎士数名で派遣されるようだ。
島から来たかそうでないかを聞かれて、そうでない場合は、何か渡され首から下げている。そういえば自分も下げている。
自分は島から皇太子殿下たちと一緒に戻ったのだが、それが何か関係あるのだろうか?それはとても小さなキューブでよく見ると皆下げている。
われわれの派遣の目的は治安維持。この冬目前の時期、なるべく餓死者などを出さず乗り切り来年度からは農作業など生活基盤を整えること。
しかし、皇帝一派が侵略計画を推し進めた影響で民は追い詰められていると思われるのでその救済を行わないといけない。
現状を確認し、食糧支援などが必要ならば報告しできる限り対応する。だが今の皇太子の陣営にどこまでできるか、自分でさえ不安を感じている。
まず常時必ずお仕着せを着用すること?文官は質疑応答の杖と鑑定水晶を所持すること。公開の看板を騎士の1人が持つこと。
回収の袋と解放の鍵をそれぞれ1人の騎士が持つこと。配給の札を1人の騎士が持つこと。通信の魔道具を1人の騎士が持つこと。巡見使隊一行の旗を1人の騎士が掲げること。
なんだろう?
通信の魔道具以外はじめてきく魔道具ばかりだ。大臣のひとりからは暴動が起きそうだったら逃げるように言われた。
もしそうならそれだけ民が困っているのだろう。
こんな少人数で皇帝派の領地に派遣されるのは命懸けだ。どれだけの恨みや憎しみを受けることになるかわからない。
それでも救わなくてはならない。この国の民を1人でも多く。どうしてそんなふうに思うのか?
なぜなら今は自分の意志で行動することができるから。動きたくても動けなかった時とは違う。今は民のもとに自ら歩み寄れる足がある。
かつてより良い国のために文官になった。今ふたたび民のため国のために動ける身体がある。わたしは巡見使である。
転移の扉を一行が通る。そこは広場で目の前に役場?のような建物がある。通りの角にはギルドらしき建物。ここは領都の中央通りなのだろう。
時間は昼が終わった頃。来る時に渡された工程表?予定表?にはここでまず、回収の袋の口を開けることとある。袋の担当の騎士に開けさせる。完了と袋に表示されたので、工程表をみるとつぎは領城に行けとある。足元を見ると道順でも示すように光の線が走っている。
光の線に乗ると滑らかに移動できる。同行している騎士と一緒に短時間で城門前についた。工程表にはここで回収の袋の口を開くようにとあるので、騎士の1人に開かせる。
光が点滅し完了と表示されたので口を閉める。工程表には解放の鍵を回せとあるので、鍵の担当の騎士が鍵を回す。
するとガシャンと、鉄格子のような音がしたと思ったら何十人もの人間が城門前に座り込んでいる。エッと思ったが工程表には救助とあるので、白いマントの乙女から渡された壺に入った粉を一振りする。
キラキラ光る粉が頭上から漂い降りかかると、彼らはいくらか元気になったようだ。彼らと共に治療院に向かう。光の線が走っているので、彼らも移動が辛くないようだ。
治療院に彼らを預けることになった。その際鑑定水晶で彼らを鑑定し記録を残す。治療院の者たちも鑑定し問題がなかったので、治療費と彼らの保護費用と治療院への援助資金を支払った。
この支払いについても鑑定の結果ともども早速記録をつける。工程表を見ると一度広場に戻れとあるので、騎士たちと光の線に乗って移動する。
工程表を確認すると、公開の看板のひとつを広場に設置せよとある。広場のど真ん中に騎士に立たさせる。すると、あれよあれよという間に大きな大画面になり映像が映し出された。
それは帝都に光の槍が降り注いだ日の映像だった。自分たちは光の審判がくだったあとに城に来たので、実はどんなふうだったかを知らない。
思わず、広場にいた民と一緒に見入ってしまった。遠くから爆音とともにつぎからつぎに降り注ぐ光の槍、この世の終わりかと思ったという皇弟殿下の言葉も頷ける光景。ある者は天の裁きと思い、ある者は神の怒りと思ったという。
どんどん帝都に、城に近づくにつれ槍の数はますます増えて逃げ惑う人々でパニックになっていた。教会にも城にも幾十も突き刺さる光の槍。
天に輝くただいま浄化中の光文字。神々しくも恐ろしい光景だった。映像はつぎに城へと向かい、光の槍が人々を貫く。
手足がチリとなっていく中、半狂乱でさわぐ者ども。戒めの縄に繋がれて罪を問われる様を見て、溜飲が下がる気がした。
公開の看板とは、映像を流して周知する魔道具だったのか。
たくさんの作品がある中で
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